私は、防衛局の美謝川切替工事に関して名護市に対して2件の公文書公開請求を行った。ボーリング調査に関する文書と、名護市と防衛局の法定外公共物管理条例に基づく協議の必要性に関する文書である。
ところが名護市はこれらの請求に対して、部分開示(大部分を黒塗り)、全面不開示(不存在)として文書を黒塗りしたり隠したりしたため、私は名護市情報公開審査会に対して、行政不服審査法に基づく不服申立てを行った。名護市では、2017年以来、初めての審査請求だったという。
8月25日には口頭意見陳述が開かれ、3人の審査会委員(いずれも弁護士さん)の前で、不服申立ての理由について詳しく説明した。補佐人として、名護市議のTさんと美謝川の工事を監視し続けているOさんに立ち会ってもらった。
今日、最初に請求したボーリング調査の文書についての審査会の答申が送られてきた(答申は10月6日付)。内容は、昨年の名護市長の部分開示(大部分を黒塗り)決定を取消し、全部公開せよ」というもので、私の訴えが全て認められた。
名護市の主張は、「防衛局が開示してはならないと言っている。それを開示すれば、名護市と防衛局との信頼関係が損なわれる」、「事業の適正な執行を妨げるおそれがある」等というものであった。しかし審査会は、「請求された公文書は原則公開されなければならない」、「名護市の主張は抽象的な可能性に過ぎず、事業の執行に具体的な支障が生じるとは言えない」として名護市の主張を一蹴した。
私が口頭意見陳述でも述べた内容がそのまま審査会答申にも引用された部分がある。それは、名護市の情報公開制度の目的は、名護市情報公開条例でも、「市民の知る権利の保障」「市民との信頼関係」「市の諸活動を市民に説明する責務」「市民参加による開かれた民主的かつ公正な市政の推進」だということだ(第1条)。
渡具知名護市政の公文書隠しは、これらの情報公開制度の目的に抵触する非民主的・不公正なものだとして、審査会で厳しく批判されたのである。
(2件目の審査請求に対する答申もまもなく出されるだろう)
(名護市情報公開審査会から送られてきた答申)