チョイさんの沖縄日記

辺野古や高江の問題等に関する日々の備忘録
 

那覇地裁で大浦湾軟弱地盤地質調査資料の不開示決定取消訴訟判決 ---「原告が指摘する点については、--- なるほど首肯し得る点もある」としながらも、敗訴判決(追記あり)

2020年07月29日 | 沖縄日記・辺野古

 今日(7月29日・水)、那覇地裁で、大浦湾軟弱地盤地質調査資料の不開示決定処分取消訴訟の判決が言い渡された。判決では、原告側の主張には納得できる点があるとしながらも、決定的な証拠がないということで、国の不開示処分を認めてしまった。

 2020.7.30 沖縄タイムス

 2018年3月、私の公文書公開請求によって大浦湾にN値ゼロの軟弱地盤が続いていることが明かになった。そのため同年5月、その後の追加地質調査資料の開示を求めたのだが、防衛局は「業者からボーリング柱状図等はまだ受領していない」として、「不存在」により不開示決定処分を行ったのである。そのため私は、同年7月、国を相手どって不開示決定取消訴訟を提訴。2年間にわたって闘い続けてきた(裁判の詳細については、本年7月26日の本ブログ参照)。

 防衛局が所持していないという以上、市民が「いや、持っているはずだ」として争うことは非常に難しい。最高裁の判例では、原告の市民に文書の存在についての立証責任が求められているのだが、これでは「不存在」についての争いは実質的にはできない。

 今回の訴訟では、当時、防衛局が地質調査資料を所持していたに違いないことを示す多くの事実を示した。防衛局の主張には多くの無理があったが、判決では、「原告が指摘する点については、---なるほど首肯し得る点もあるといえるものの --- 防衛局が本件文書を保有していたとまでは認めることができない」と切り捨てられてしまった。

 しかしこの2年間の裁判は、決して無駄ではなかった。特に、提訴後の2019年3月、本訴訟で争っていた追加地質調査資料が、その後の公文書公開請求で全て開示されたため、一時は裁判の取り下げも検討したのだが、その後、防衛局の土木課長の証人尋問を実現させることができる等の成果があり、続けてよかったと思っている。2年間、奮闘していただいた弁護士の先生方に心からのお礼をしたい。

 それにしても防衛局の情報公開請求への対応はあまりにひどい。情報公開法の「特例」を乱発した開示期限の長期間の延長、何百頁もの黒塗り、そして文書の隠蔽(現在、防衛省が不存在とした開示請求は全て情報公開査察監が調査に入っている。私の請求でも不存在とされたものが、その後、「査察の結果、ありました」として開示されたケースが数件ある。こうした事実そのものが、存在、不存在決定が政治的に決められていることを示している)---。それに対する市民の不服申立ても、審査会制度は全く機能していない。

 今回の裁判は、これからも防衛局が問題ある対応をしてきた場合、裁判でとことん争うぞということを示したものでもある。

 

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 7月27日(月)は京都での講演会。コロナ禍のため、3月以降の本土での講演が全て中止となったため、5ケ月ぶりの本土行だった。もちろん、感染防止に最大限の注意を払って行動したが、帰沖後2週間はゲート前には行っても、座込みの参加は自粛せざるを得ない。

 Yさん撮影

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