6月28日の安和桟橋での痛ましい死傷事故から1ケ月が経過した。
デニー知事は、「事故原因が究明され、安全対策がされるまでの間は、土砂搬出作業を中止すること」と求め、林官房長官も、「警備のあり方を含め、状況の把握、再発の防止に努めていく」として、安和桟橋、本部塩川港での土砂搬送作業を中止している。
防衛省も再開時期について、「同じことが二度と起こらないよう状況をしっかり把握し、警備のあり方を含めた再発防止策を考える中で判断したい」(2024.7.2 沖縄タイムス)としたが、まだ、事故の詳しい状況、原因、再発防止策等はいっさい示されていない。このままでは土砂搬送再開まではしばらく時間がかかる。
6月28日の事故を受けて、安和桟橋、本部塩川港からの土砂搬送作業が中止となった際、私たちは、沖縄県北部土木事務所に対して、本部塩川港でのベルトコンベア設置許可(港湾施設用地使用許可)の取消を求めた。土砂搬送が中止となったので、土砂を船に積み込むベルトコンベアも稼働しないのだから、搬送停止期間中の許可は当然、取消すべきだという要請だ。
しかし北部土木事務所は、「すでに7月分の許可は出している。取消すことはできない」として私たちの要請に応じなかった。この間、すでに1ケ月も、全く稼働しないベルトコンベア等のために、特定の業者に3000㎡もの広い港湾施設用地の占用を許す結果となっている。
昨日(7月26日・金)、北部土木事務所と港湾課に照会したところ、港湾課は、「業者から8月分の申請はすでに出ている。再開のタイミングが明かではない状況で、申請をどう扱うか、北部土木事務所と本庁で検討している。ただ、8月1日からの申請なので7月中には結論を出す」とのことだった。「搬送再開前の許可は納得できないので、部長、三役にも伝えてほしい」と頼んだ。
急いで北部土木事務所に連絡し、29日(月)の面談を求めた。しかし26日夕刻、北部土木事務所から電話があった。なんとすでに8月1日からの許可を出したというのだ。担当者は次のように述べた。
「ただし、許可にあたっての条件を付している。『安和の事故について、原因究明をした上で、再発防止をはかること。それまでは設備の使用はしないこと』という条件です。使用許可申請は許可するが、実際にはそれまでは使用できません。」
全く理解できない。土砂の搬送作業がしばらく再開できないのに、何故、使うことのできないベルトコンベア設置を急いで許可するのか。少なくとも、搬送作業を再開できる条件が整うまで保留すべきではないのか。
来週中に、本部町島ぐるみ会議として、北部土木事務所長と面談する予定だ。
なお、繰り返し説明しているように、今回の死傷事故の責任は、工事を急がせてきた沖縄防衛局と受注業者にある。搬送再開のためには、防衛局が、誰もが納得できる「原因究明と再発防止策」を示さなければならない。

(死傷事故が起こった安和桟橋出口。2名が抗議行動をしており、事故当時の状況と似ている(グーグルマップ(2024.4)のストリートビューより))