今年の沖縄の梅雨は特に雨が多い。辺野古弾薬庫第4ゲート内を皆伐・開発したために、連日の雨で、大浦湾に赤土が流出して濁っていることはこのブログでも報告してきた(たとえば、5月10日のブログ、5月27日のブログ参照)。
本部塩川港でも、雨の中、辺野古への土砂海上搬送が強行されている。下の写真は、5月12日、ダンプトラックから濁水が流れ落ちている様子だ。
(5月12日、Oさん撮影)
沖縄県北部土木事務所は、一昨年から申請されていた本部塩川港へのベルトコンベア設置申請を昨年4月、許可してしまった。
北部土木が許可をした理由は、「周囲に土嚢を設置し、濁水処理プラントプラント等、濁水対策が講じられているから」というものだった。当時のブログを見ていただければ分かるが、これらの「濁水対策」は全く意味のない形だけのものだ(大型土嚢は抗議する人たちを排除するためのものだし、平坦な舗装された港で濁水処理プラントなど必要はない)。
その後、大雨の中でも作業が続けられていたため、我々は「降雨時の作業中止の基準」を設けることを求めた。その結果、昨年6月、北部土木事務所長は、「本部町の気象台で、5mm/時間を超える雨が予測された場合、作業は中止させる」と約束し、以後、業者の申請書にもその旨の記載がされるようになった。
しかし、実際にはこの基準は無視されてしまっている。たとえば、下は5月28日の本部町の気象予報だが、午前8時~10時頃まで大雨注意報が発令され、時間雨量が9mm~16mmもの大雨予測が出されていた。しかし、本部塩川港では短時間、作業は停止したが、雨の中で再開されている。「5mm/時間を超える雨が予測された場合、作業は中止させる」という確認は無視されてしまっている。
現状では、作業中止の判断は業者に任されている。北部土木は、降雨時には雨量予測をチェックし、5mm/時間を超える雨が予測された場合は、業者に作業中止の指示を出さなければならない。5mm/時間を超える雨の中で作業が強行されれば、許可条件違反でただちに許可を取消すべきである。
上の写真もそうだが、雨天時の作業による濁水流出、またベルトコンベアによる粉じん等、本部塩川港の環境破壊は著しい。県の港湾施設使用許可に係る審査基準には、「環境を悪化させるおそれがないこと」という項目もある。現状は、許可基準に抵触している。
本部町島ぐるみ会議の5月の北部土木事務所への質問書には、この問題も含まれていた。しかし直接の交渉は、北部土木から「コロナ禍のために今月は面談なしにしてほしい。質問に対する文書回答はする」という申入れを受け入れ、やむなく中止となった。月末までに出される文書回答を踏まえ、更に追及していきたい。