なんとなくクラシテル

獣医という仕事をしている人間の生活の例の一。
ほとんどが(多分)しょーもない話。

クラーナハ展

2017年01月11日 | 
へ。面白かった、けど、疲れた~~。

 クラーナハという人は、宗教改革の元締めであるところのルターさんとお友達で、ルターの肖像画はほぼ全て、この人の手になるもの、それをお手本にして他の画家が描き広めていって、ビジュアル的な影響を強く持つようにしていった、という。そうか、考えてみれば当時、写真なんかないものね、権力のある人って実際どんな人なのかを知るためには肖像画を描きまくってあちこちに貼りまくって、ということか。肖像画=ブロマイドですね。

 クラーナハはなかなか世渡りが上手い人だったんじゃないかと思う。物凄い多筆で、絵の工房をつくってバンバン依頼に応えて描きまくる、それも超早い!と。今でいうと、ボブ・ロス画法的なのか、多分この素材ならこんな描き方、というパターンを作っちゃって、更に、多分、このモチーフを描くのが超うまい、みたいな人を山ほど抱えて分業してたんじゃないかと思う。で、一番重要な顔だの手だの、をクラーナハが描く、と。別に証拠はないですけど。

 描いたりつくるのが速い、というのは別に芸術的な価値の有無とは無関係そうですよね。運慶が作った東大寺南大門の金剛力士像だって、あっという間にこしらえちゃったらしいしなあ。。。。

 まあ、こういう人がいたので、当時の色んな偉い人の肖像画が残っているわけです。

 そんなわけで、この展覧会、とにかく絵が多い。全部観るのは大変だったな~~。

 あとは、宗教画とか、説教画(?)みたいなの。キリスト教関係の宗教画、なんかどれもこれも痛そうだなあ。。。。。こういう絵に囲まれてたら、食欲も失せそうなんだが・・・・・・。この手の宗教画を見ていると、やたら殉教画が多くて、こういうのにヨーロッパの若い奴らが影響されて、ISなんかに突っ込んじゃうんじゃないか、とか考えてしまう。今の生活も宗教も堕落してる、ISみたいなところで弾圧チックな目に遭って、ヒーロー気分になりたい、とか。安定した生活の楽しさ、みたいなのを表現する絵ってないんですよね。

 この展覧会の目玉は裸婦図とか、ファム・ファタルを描いたような絵なんだけど。うーん、自分的には、これって当時の貴族の男どもにとってのポルノグラフィに過ぎないんじゃないか、と。ので、あまりピンときませんでした。

 にしても、久しぶりに世界史、というかヨーロッパ史を思い出すような展覧会で、あー世界史というかヨーロッパ史って当時もさっぱり分からんかったけど、今も分からんな、という結論。ヨーロッパという割と狭い地域でゴタゴタやってる、当時の歴史ってアタマに入らないんですよね・・・・・・。
コメント
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