なんとなくクラシテル

獣医という仕事をしている人間の生活の例の一。
ほとんどが(多分)しょーもない話。

純正調

2021年01月25日 | 

で演奏できるのがヴァイオリンという楽器の特徴であり、強味だ、という話はよく聞きます、が。

 と言いますか、いきなりまーたヴァイオリンの話を書こうかと。

 というのはですね、ヴァイオリンて調弦の時からすでに「響き」を追っかけなければならない、調弦がかなり難しい楽器なんですわ。最初はもう、調弦だけで終わっちゃうくらい、難しいかもしれない。ま、これはギターなんかも同じですけど、ヴァイオリンはその辺をかなり厳密に追及する必要がある。調弦をきっちりできないと、全部の音がずれずれになっちゃうから。

 でねえ、純正調楽器だ、という誤解がありまして。これ、自分もずうっと騙されてた。ウソかい、というのはこの動画を見て分かったこと。

 ウソというのはちょっと言い過ぎでしょうけども。そもそも「純正調」の調律をやると、1オクターブの同じ音がずれちゃう。そうすると聴いてて気持ち悪いもんで、1オクターブの音はきっちり合わせるとして、余った余分な音をどこへもっていくか?について、ヴァイオリン系の楽器はかなり融通が利く、ということ、らしい。成程。曲の調性やら、音列やらから、ちょこちょこ修正をかけつつ演奏する。だから、例えば平均律だと(つまり、ピアノなら)ファシャープとソフラットは全く同じ音なんだけど、ヴァイオリンだと、フラット系は低めに取る、とかシャープ系は高め(というか明るめ?)に取る、等々の細工をしつつ響きをより良くしよう、なんてやれるらしいし、プロの方は当然そういう事を意識的あるいは無意識的にやっているわけ。

 で、この弊害というか、いつもリサイタルとかで聴くピアノ伴奏のヴァイオリンソナタって、なんかこう2つの楽器の音がしっくりこないなあと常々思ってたんですが、ピアノの平均律と、ヴァイオリンの融通効きすぎの調律が合わない場所があちこちに出てきちゃうから、響きが溶けあわない、と感じるのかもしれない。バッハの無伴奏だと、他の楽器なんか気にしなくていいから、とにかく和音をきちんと合わせる、一番響く音を探して、となるわけで、この場合、チューナーで音を調べる意味がかなり減ってしまう。チューナーは平均律を示しちゃうから。

 けど、そんなこと言ったって平均律すら分からんのだから、という事で、最初の頃はチューナー使ってたんですけど、結局めんどくさくなってやめてしまった。それよりかピアノアプリで調べたほうが速いんじゃないの?となって。で、それも段々面倒になる、頃に、ようやく和音がそれなりに合ってきたようなんです。

 まあね、ヴァイオリンを始めた頃にいきなり調律がどうこうとか高級な話を持ち出されても、おそらくはちんぷんかんぷんだったんじゃないかな。こうなると、むしろ、響きがどうのとか追及するよりか、平均律でいいからさっさと音とって演奏しやすくする工夫をした方がいいんじゃないかと。

 例えばフレットヴァイオリン。最近はこういうのがある。邪道というなかれ、音程取りにレッスンが終始するくらいなら、こういう楽器を使って、そこそこ正確な音程を最初から捕まえて耳をつくってった方が、却って早道じゃないかと。便利な道具は即使うのが吉。


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