の飼主がなんか起こした訴訟で、動物病院側が60万以上も支払わされる、という判決になったみたい。もう、ウサギの新規患者はお断りしようか、改めて真剣に考えてしまう。今までも、もう何度となくウサギを診療対象から外そうか、と思ったことがあるんですけど。
動物診療って、要はあくまで「サービス業」でしてね。医療じゃありません。だから、嫌になったら診療しません、でオシマイにできる、そういう権利があります。国税庁でも思いっきり「サービス業」に区分されてるし。当院での診療トラブル、かなり少ない方だと思うのだが、しかしウサギは当院でもとにかくトラブルの確率が高い動物で、もう哺乳類中最強難しい、と常々感じているし。
なぜ、そうなのか、解説してみようと思います。凄く長くなるから、数回に分けます。これ読んでから、ウサギを飼うかどうか決めてほしい。この判決が出た以上、ウサギを診ますなんて酔狂な動物病院はほぼ絶滅すると思うし。まあ、覚悟して飼うしかないんですよ。
ウサギって、一見飼いやすそうに見えるし、買いやすい。学校で飼育されてるから、なんか子供でも飼えそうだし、世話も楽そうだし、値段も安いし、可愛い感じがするし。
これは事実ですが、子供でも飼いやすいというのは「家畜」なら、という条件付きです。ペットじゃない。
ウサギの家畜化は、そもそもが食用&毛皮用。子供でも扱えるサイズ感・簡単に締められる・簡単にぼこぼこ増える・テキトーにその辺の草だの野菜くずだのあてがっときゃむくむく太る、あと、怖い伝染病があまりない(0ではない。これは後述)、すーべーてー「家畜」として有用な特性なんだけど、「ペット」じゃない。それをペット扱いしてしまっているのが、そもそもの大間違いなんですよね。
学生の頃、エクアドルを旅行した時に、結構人のうちにお邪魔することがあって、ある田舎のおうちでモルモット料理を食べたことがある。結構旨いんです。そこの人に「日本じゃ。クイ(モルモットの事)はどうしてるんだ?」と聞かれて「ペットで可愛がってますよ」と答えたら、大笑いされちゃって。そういう事ですよ。エクアドルのバスで、ニワトリを生きたままも紐で足を縛って逆さにぶら下げて運んでる人を結構見かけたのだけど、暑い国で冷蔵庫もない、一番便利かつ安全な肉の運搬法が「生きたまま」という事ね。生きてる間は絶対に腐らないもの。で、家で締める。こんなのどこでもついこないだまでやってた事で、ウサギもこういう扱われ方をする家畜に過ぎない。
続きます。
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