

「早う死にたか」毎日のようにぼやく祖父の願いをかなえてあげようと、ともに暮らす孫の健斗は、ある計画を思いつく。日々の筋トレ、転職活動。肉体も生活も再構築中の青年の心は、衰えゆく生の隣で次第に変化して…。閉塞感の中に可笑しみ漂う、新しい家族小説の誕生!第153回芥川賞受賞作。








笑えた。
この作品って笑っていんでしょうかね?って笑った。
おじいちゃんがお部屋のピンクの遮光カーテンを開けないとは、すすんで欝にでもなろうとしているのか。
寝たきり防止として家中ぐるぐる歩き自主的にリハビリに励んだりはするけれど、食べた食器を片すための2~3メートルは嫌がる。リハビリはよくて、実務としての歩行はだめ。
これってまるで、スポーツジムには行くけれど日常生活で階段は使わないって人たちと同じだ。
サロンがわりに通院する老人、少ない負担金だけれど、残額を負担するのに現役世代がおびただしい額の税金を徴収される。
これは私もヘルパー時代に思ったこと。
ただ、その1割3割りの負担金も払えないから医者にはいけない老人がいるのも、先日読んだ本でわかった。
くすくす笑っていたけれど、爆笑したのは
彼女と会えなくて早く家に帰ったら、なにか黒く小さなものがものすごい勢いでリビングから台所へ駆け抜けていくのが見えた。
うっかり施設に早くお迎えに行ったら・・・
お、おじいちゃんったら、もー・・・
お仕事みつかって赴任先に行く時に、戻ってきたときにまだ特養の順番待ちをしながら生きているかもしれない。
特養に入れば介護のプロたちによる完全なる管理下で、祖父は苦しみながらもっと長生きさせられる地獄を味わうだろう。
なんとか逝かしてあげようと思っているのと裏腹に・・・
このお話、情景が見事に頭の中で映像となり、健斗が・・・最近やけにテレビでみかける羽田さんだった。
お母さんがね・・・いい!やっぱり厳しい人がいないと・・・
楽しかった。
いろいろとね・・・思うのは勝手っ!思うだけなら・・・
