いつもきのこ採りに行く山へ通じる道の脇に変わった実をつけている蔓があるのに気が付いたのは去年の6月25日のことだった。
蔓の木本であって葉の独特な形からウマノスズクサの仲間だろうと予想はできたのだが、帰宅して調べてみると候補はアリマウマノスズクサと
オオバウマノスズクサに絞られることが分かった。でも、そのどちらかを判別するためには開花を待たなければならないらしい・・・・。
どちらも分布的にはここで観られてもおかしくはないのだが、アリマウマノスズクサは最初に牧野富太郎が有馬で採取して新種報告したもので、
ここから有馬は50km程の場所。アリマウマノスズクサだろうとは思うのだが一年後の開花を待つとして、種が熟すのを待って採種することにした。
何度かこの場所に通って種を採取できたのが8月27日。暇と言われればその通りなのだが、この頃は何も新しいことをする気になれなくて、
休みになるとこの場所に通っていたのだ。その理由はその内、ブログに書ける日も来るだろうけど、まだ今じゃない。
ウマノスズクサ sp. の実と種
さて、年も変わり今年も何度か通って芽が出たころから3回目の訪問が5月12日、昨日だった。予報では9時頃から雨になるらしく、
まだ開花にはちょっと早いかなとは思ったが、朝飯の前に一っ走りして様子を見に行くことにしたのだ。
実は去年の段階では発生地は一ヶ所しか見つけていなかったのだが前回の訪問でもう一株、100mほど離れた場所で見つけることが出来ていた。
車をいつもの場所に停めてしばらく歩く。
カマツカ
コツクバネウツギ
タニウツギ
そして新しく見つけた場所を覗いてみると・・・・
咲いていた。倒三角形で濃紫褐色の舷部はアリマウマノスズクサの特徴と一致する!
これでようやく1年かけてアリマウマノスズクサと同定できたというわけだ。去年、採取した種は今春にプランターに蒔いておいた。
実の所、あまり発芽するとは思っていなかったのだが・・・・、発芽した。最初は細い葉が一枚だけ出て来て何かの雑草の芽だろうと思っていたのだが、
その後、それらしい葉が開いてきて・・・・
こんな感じ。しばらく留守をしている間に陽に焼けたのか、雨に打たれたせいなのかダメージを受けた苗も多いのだが、まだ全滅はしていない。
うまく育つか分からないけれど、この辺りではジャコウアゲハは見掛けないので食害は大丈夫なんじゃないかと思ってはいる。