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■メイン写真
岩岳山付近で"雪の花"が咲き、青空に映える
■今回のコース
雲ケ畑→志明院(岩屋不動)→薬師峠→岩茸山→都ながめの石→桟敷ヶ岳→(関電巡視路)→
林道出合→足谷小屋→岩屋橋
桟敷ヶ岳に初登頂したのは、今から43年前。
ミヤコザサがほとんどなくなるなどの変化はあるが、懐かしさがこみあげる。
岩屋橋から志明院方面へ、少し奥に入った途中の路肩にクルマをデポする。
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林道の終点には、岩屋不動で知られる志明院がある。
シャクナゲ(京都市の指定天然記念物)で有名な、修験の寺。
参拝料400円を支払い、簡単な境内の説明を受けて山門をくぐる。山門から先は撮影禁止だ。
急な石段を右に登ると、大きな岩屋がある。宇多天皇の勅願により菅原道真が刻んだと
伝わる眼力不動明王が祀られる。
石段道を左に行くと、脳薬師が収まった岩屋がある。頭の病と、脳の指令に基づく全身の病に
効力があるという。洞内で護摩を焚くのか、洞窟の天井は煤で黒くなっていた。
烏天狗の石像は、たいへん珍しい意匠だった。
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志明院の階段下、参拝者用駐車場の横から登山道が延びる。
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谷沿いにしばらく進む。前回来た時にに比べて、ずいぶん荒れた印象だ。
大岩のところで沢が二手に分かれるが、分岐の標識もすっかり朽ちていた。
右の枝沢をとるが、これまた倒木などで、歩きにくくなっている。
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谷筋を登りきると、六体地蔵が並ぶ薬師峠だ。まだほとんど雪が見られない。
ここから尾根道になる。
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すぐのところに、志明院の歴代僧侶の墓がある。
かつては40以上の僧房を擁したというから、相当に大きな寺だったようだ。
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尾根道も、何度かにわたる台風被害の爪跡が残り、ところどころ倒木を迂回しながら
歩くことになる。
標高を上げていくにつれ、積雪が増えてきた。ほとんど期待していなかったので
嬉しくなる。
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まずは岩茸山のピークに立つ。少し広くなっているものの、展望はない。
昼前だったが、居心地が良さそうなのでここでランチにした。
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やがて作業林道と合流し、尾根上に建つ電波反射板の西側直下を巻いていく。
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ここまで来ると積雪も20cmを越える。歩くとキュッキュと、心地いい感触の新雪で、
先行者のトレースがないので、じつに気持ちいい。
雪面に横たわり、バタバタと両手を動かして、「天使」のカタチの雪形を作って遊ぶ。
お客様は、先行トレースがなないと道が分からないから、怖くて一人では歩けないと
おっしゃっているが、先行トレースがあったとしても、それが正しいかどうかは
別物だし、我々が目指す先と同じとも限らないので、そもそもアテにしてはいけない。
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右手(南東側)が開けた場所に出る。
あいにく雪雲がかかり、クリアな眺めは楽しめなかった。
そのすぐ先にある平たい岩が、惟喬親王ゆかりの「都ながめの石」だ。
帝位につけず都を追われた惟喬親王が、ここに桟敷をつくらせ、都を眺めて
懐かしんだと伝わる。「桟敷ヶ岳」の名も、これに由来する。
なお、惟喬親王は出家し、志明院に身を置いたこともある。
現在、「都ながめの石」からは眺めは得られなくなっているのは少し悲しい。
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送電線の鉄塔をくぐる。
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送電線の下は冷たい風が通り過ぎるため、りっぱな霧氷ができていた。
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桟敷ヶ岳の山頂に到着!
山頂部は広いが、雑木林に囲まれていて、展望はほとんど得られない。
青空が少し見えてきて、雪景色がパッと明るくなる。
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下山は、関電巡視路ルートをとる。
なだらかな尾根をしばらく南東に下り、先ほどのとは別の送電線鉄塔のところで
右へ尾根を外れ、急峻な谷筋をどんどん下る。
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標高を下げていくと、雪がベチャついてきて滑りやすい。
こういうところでは、とにかく足運びを慎重にしなければいけない。
祖父谷林道の手前で、伐採のための作業道が横切り、獣除けの網柵に行く手を遮られるが、
ちょうど人が通れるくらいの穴が開けられていて、そこをくぐって作業道へ。
祖父谷林道へは、紐をほどけば開けられるようになっていて簡単に出られた。
もう雪はほとんど見当たらない。
最後は長い林道歩きになる。途中で小雨がパラついてきて困ったなと思ったら
すぐに止んだり、この日の空模様はコロコロ変わる。
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足谷小屋を横目に通り過ぎる。
ゲートの奥は普段は入れないが、珍しいベニバナヤマシャクヤクの群生地だ。
ベニバナヤマシャクヤクとはいうが、ここの花はすべて白。
白花のベニバナヤマシャクヤクとは、これまたややこしい。
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これは鉱山か何かの跡だろうか。
桟敷ヶ岳では、北側で砂金が採れたという話もあるようだが、このあたりの
鉱山を調べてもわからなかった。京都北山にはかつて、小規模な鉱山があちこちに
あり、多くはマンガン鉱だったようだが、祖父谷川は鴨川源流で、昔から水質には
注意が払われていたはずなのだが、正体が知りたい。
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高級料亭・洛雲荘がある岩屋橋に到着。
下山のささやかなご褒美ともいえる飲料自販機と、もくもく号のバス停の横に
小さな公衆トイレがある。
お客様にちょっと待っていただいて、速足でクルマを取りにいった。
岩岳山付近で"雪の花"が咲き、青空に映える
■今回のコース
雲ケ畑→志明院(岩屋不動)→薬師峠→岩茸山→都ながめの石→桟敷ヶ岳→(関電巡視路)→
林道出合→足谷小屋→岩屋橋
桟敷ヶ岳に初登頂したのは、今から43年前。
ミヤコザサがほとんどなくなるなどの変化はあるが、懐かしさがこみあげる。
岩屋橋から志明院方面へ、少し奥に入った途中の路肩にクルマをデポする。
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林道の終点には、岩屋不動で知られる志明院がある。
シャクナゲ(京都市の指定天然記念物)で有名な、修験の寺。
参拝料400円を支払い、簡単な境内の説明を受けて山門をくぐる。山門から先は撮影禁止だ。
急な石段を右に登ると、大きな岩屋がある。宇多天皇の勅願により菅原道真が刻んだと
伝わる眼力不動明王が祀られる。
石段道を左に行くと、脳薬師が収まった岩屋がある。頭の病と、脳の指令に基づく全身の病に
効力があるという。洞内で護摩を焚くのか、洞窟の天井は煤で黒くなっていた。
烏天狗の石像は、たいへん珍しい意匠だった。
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志明院の階段下、参拝者用駐車場の横から登山道が延びる。
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谷沿いにしばらく進む。前回来た時にに比べて、ずいぶん荒れた印象だ。
大岩のところで沢が二手に分かれるが、分岐の標識もすっかり朽ちていた。
右の枝沢をとるが、これまた倒木などで、歩きにくくなっている。
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谷筋を登りきると、六体地蔵が並ぶ薬師峠だ。まだほとんど雪が見られない。
ここから尾根道になる。
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すぐのところに、志明院の歴代僧侶の墓がある。
かつては40以上の僧房を擁したというから、相当に大きな寺だったようだ。
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尾根道も、何度かにわたる台風被害の爪跡が残り、ところどころ倒木を迂回しながら
歩くことになる。
標高を上げていくにつれ、積雪が増えてきた。ほとんど期待していなかったので
嬉しくなる。
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まずは岩茸山のピークに立つ。少し広くなっているものの、展望はない。
昼前だったが、居心地が良さそうなのでここでランチにした。
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やがて作業林道と合流し、尾根上に建つ電波反射板の西側直下を巻いていく。
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ここまで来ると積雪も20cmを越える。歩くとキュッキュと、心地いい感触の新雪で、
先行者のトレースがないので、じつに気持ちいい。
雪面に横たわり、バタバタと両手を動かして、「天使」のカタチの雪形を作って遊ぶ。
お客様は、先行トレースがなないと道が分からないから、怖くて一人では歩けないと
おっしゃっているが、先行トレースがあったとしても、それが正しいかどうかは
別物だし、我々が目指す先と同じとも限らないので、そもそもアテにしてはいけない。
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右手(南東側)が開けた場所に出る。
あいにく雪雲がかかり、クリアな眺めは楽しめなかった。
そのすぐ先にある平たい岩が、惟喬親王ゆかりの「都ながめの石」だ。
帝位につけず都を追われた惟喬親王が、ここに桟敷をつくらせ、都を眺めて
懐かしんだと伝わる。「桟敷ヶ岳」の名も、これに由来する。
なお、惟喬親王は出家し、志明院に身を置いたこともある。
現在、「都ながめの石」からは眺めは得られなくなっているのは少し悲しい。
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送電線の下は冷たい風が通り過ぎるため、りっぱな霧氷ができていた。
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桟敷ヶ岳の山頂に到着!
山頂部は広いが、雑木林に囲まれていて、展望はほとんど得られない。
青空が少し見えてきて、雪景色がパッと明るくなる。
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下山は、関電巡視路ルートをとる。
なだらかな尾根をしばらく南東に下り、先ほどのとは別の送電線鉄塔のところで
右へ尾根を外れ、急峻な谷筋をどんどん下る。
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標高を下げていくと、雪がベチャついてきて滑りやすい。
こういうところでは、とにかく足運びを慎重にしなければいけない。
祖父谷林道の手前で、伐採のための作業道が横切り、獣除けの網柵に行く手を遮られるが、
ちょうど人が通れるくらいの穴が開けられていて、そこをくぐって作業道へ。
祖父谷林道へは、紐をほどけば開けられるようになっていて簡単に出られた。
もう雪はほとんど見当たらない。
最後は長い林道歩きになる。途中で小雨がパラついてきて困ったなと思ったら
すぐに止んだり、この日の空模様はコロコロ変わる。
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足谷小屋を横目に通り過ぎる。
ゲートの奥は普段は入れないが、珍しいベニバナヤマシャクヤクの群生地だ。
ベニバナヤマシャクヤクとはいうが、ここの花はすべて白。
白花のベニバナヤマシャクヤクとは、これまたややこしい。
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これは鉱山か何かの跡だろうか。
桟敷ヶ岳では、北側で砂金が採れたという話もあるようだが、このあたりの
鉱山を調べてもわからなかった。京都北山にはかつて、小規模な鉱山があちこちに
あり、多くはマンガン鉱だったようだが、祖父谷川は鴨川源流で、昔から水質には
注意が払われていたはずなのだが、正体が知りたい。
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高級料亭・洛雲荘がある岩屋橋に到着。
下山のささやかなご褒美ともいえる飲料自販機と、もくもく号のバス停の横に
小さな公衆トイレがある。
お客様にちょっと待っていただいて、速足でクルマを取りにいった。