玉川上水を歩く 境浄水場周辺

2017年02月06日 | 東京のお散歩
境橋で千川上水を分水してから500mほど下った左岸には、
大正十三年に運用開始となった東京都水道局境浄水場があります。


玉川上水に隣接しているものの、すでに表流水は下水処理水であるため
村山貯水池(多摩湖)と山口貯水池(狭山湖)から導水した水を浄水する施設です。
緩速濾過方式の浄水場としては国内最大規模の浄水場となっています。


右岸の境3丁目6番地からは、かつて品川用水が分水していました。
この用水路は、戦後間もなく埋め立てられました。
なお、教育委員会設置の説明板は、なぜか境3丁目10番地先と書かれています。



ここから少し下流へ歩くと、国鉄(現JR)中央本線武蔵境駅から分岐していた
濾過池用の砂を輸送するための専用線が上水を渡っていました。
現在は台座が残っています。



また、さらに下流へ少し歩くと、同じく中央線三鷹駅から
武蔵野競技場線という支線が、上水を渡っていました。

これは、旧中島飛行機武蔵野製作所への引き込み線を終戦後に転用したもので
現在、武蔵野緑町パークタウンという団地の場所にあった
武蔵野グリーンパーク野球場への旅客列車を走らせるものでした。

わざわざ支線を運行したのは、神宮球場が進駐軍に接収されていたため
国鉄スワローズ(現ヤクルトスワローズ)や六大学野球の試合を
この球場で実施していたためでした。

上記二つの廃線跡は遊歩道になっており、競技場線跡の上水渡河部は
ぎんなん橋という橋になっていて、かつて支線があった事を示すように
線路が埋められています。




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする