真夏に聞きたいお薦めアルバム・シリーズ。
写真のグループW・C・A・Sは名プロデューサー、ジョーイ・カルボーンが日本のレーベルに企画を売り込んで実現した夢のようなアルバムです。
全てが4人の声のみで録音されたアカペラ盤。
日本でこのジャンルが浸透したのは山下達郎の「オン・ザ・ストリート・コーナー3部作」からでしょう。
ここではボーカルはもちろんのこと、ギターソロ、サックスソロ、ベースギター、ドラムやパーカッションまでをも声で演出しています(手拍子、指ならし、膝叩き音も効果として録音)
左上が1997年のデビュー盤「カリフォルニア・ドリーミン」10曲入り。右はサンプル盤。4人のボーカリストはシカゴからジェイソン・シェフ&ビル・チャンプリン、TOTOからはボビー・キンボール&ジョセフ・ウィリアムス!ね!夢の共演でしょう!!彼らの活動の拠点がそのままバンド名に反映されています。でもこのバンド名を彼らはあまり気に入っていなかったらしく、よって決定伝達は事後報告だったとか(笑)。
ちなみにジェイソンのお父さんはエルビス・プレスリー晩年の頃の専属名ベーシスト、ジェリー・シェフ、ジョセフのお父さんは映画音楽の巨匠ジョン・ウィリアムスです。
さあ、収録曲は2曲のオリジナル以外ウエスト・コースト・サウンドの名曲目白押し。
ママス&パパス「夢のカリフォルニア」、シンもB・N・Pで取り上げていたスティーリー・ダン「リキの電話番号」、ドゥービー・ブラザース「テイキン・イット・トウ・ザ・ストリート」、イーグルス「ホテル・カリフォルニア」、ビーチ・ボーイズ「神のみぞ知る」、アメリカ「金色の髪の少女」、ボズ・スキャッグス「ふたりだけ」、ジェームス・テイラー「ユア・スマイリング・フェイス」。
左下はセカンド・アルバム「ナチュラリー」1998年発表、10曲入り。
ここではビル・チャンプリンは再結成したサンズ・オブ・チャンプリンが大盛況で活動が忙しく欠席、新たに伝説のAORグループ(ジェイ・グレイドン&デヴィッド・フォスター)、エアプレイのボーカリスト、トミー・ファンダーバーグが参加。
曲目も1970年代の思い出の洋楽に対するトリビュート・ソングという趣向に。
また録音も前回のような効果的指ならし、手拍子を極力排してより純粋な声のみに徹するような方向性に焦点を絞っています。
今回は全曲カバーでEW&F「暗黒への挑戦」、ビージーズ「愛はきらめきの中に」、ギルバート・オサリヴァン「アローン・アゲイン」、ステーヴィー・ワンダー「愛するデューク」、ロッド・スチュワート「今夜きめよう」、マーヴィン・ゲイ「ホワッツ・ゴーイング・オン」、ポール・マッカートニー&ウィングス「マイ・ラブ」、エリック・クラプトン(ボブ・マーリー&ウェイラーズ)「アイ・ショット・ザ・シェリフ」、レッド・ツェッペリン「天国への階段」。
下右は上記2枚のアルバムからのベスト・セレクション盤2006年発売、16曲入り。うちボーナストラックとして4曲のカラオケ、そして2作目のプロモーション来日時の名古屋某インストア・ライブ音源2曲含む。
これらに耳を傾ければ爽やかな西海岸の涼風が・・・なんて気分に浸れるかも。