シカゴのライブ盤「アット・カーネギー・ホール」欄でちらっと触れたバンドを紹介します。
カナダのシカゴ、BS&Tと言われた「ライトハウス」がそのバンド。
これもカーネギー・ホールのライブ盤です。
1972年2月6日の録音、LPは日本盤の2枚組、CDはカナダ盤の1枚もの。
全10曲入り。
この時点では10人編成、数多くあるブラスロック・バンドの中でもひときわ群を抜いた大所帯。
1968年カナダ、トロントはオンタリオ州にて結成。もちろんバンド名の意味は「灯台」。数度の
活動停止期間を経て現在も不定期ながらもマイペースにて活動中。
驚いたことに初期の人数は13人。リズム・セクションにはチェロとバイオリン担当が2人、レコーディングにはエレクトリック・バイオリン奏者も参加。これによってジャズ、カントリー&ウエスタンというジャンルにまで手を広げることに成功。その後は幾度ものメンバー・チェンジを経て若干人数が減りましたが、それでも10~11人です。
フルートなどもフューチャーしてよりワイルドで攻撃的なサウンドにもチャレンジしています。
1970年には大阪万博でのライブも好評を博し、ここ日本においても知名度を上げました。そこで同じ舞台を踏んだ日本が世界に誇る伝説のバンド「フラワー・トラヴェリン・バンド」を見い出してカナダに呼び彼らの海外デビュー作「メイド・イン・ジャパン」制作に大きく貢献しています。
ライトハウスはアルバムを相当の枚数、発表していますがこの「カーネギー・ホール」は彼らにとって初のライブ音源。
そしてやはり何といっても代表曲は1971年24位を獲得した「ワン・ファイン・モーニング(ある晴れた朝)」でしょうね。
シカゴでいえば「長い夜」的ポジション、ここのライブ盤でもラスト前で演奏しています。
ただしスタジオ・バージョンとは構成がちょっと違います。ちなみにEPはご多分にもれずシカゴの「長い夜」に負けないくらいに大編集されています。STAもよく好んでライブで取り上げてもいます。
私が初めてこの曲をFMラジオで聞いた時の興奮は今も鮮明に覚えています。「これはまるっきり初期ハードだった頃の、シカゴだあ!!」
ボーカルのボブはすでに故人ですが、他のメンバー達はあらゆる方面にて多忙を極めています。
その中でも1番の出世頭はサックスを担当していた元メンバー、ハワード・ショアでしょう。映画通の方ならば彼の名前にピーンとくるはず。
かなりのヒット映画作品の音楽を作曲、もっとも有名なところでは「ロード・オブ・ザ・リング」があります。