シカゴのアルバム・ジャケットで似たようなデザインがあります。
片や日本国内企画ものだから海外では認知されていませんが。
「軌跡」~「シカゴⅦ」までのオリジナル・アルバムからのヒット曲を中心としたベスト・セレクション2枚組ボックスでまとめあげられたCBS・SONY恒例の限定豪華特別企画の4年目にしての最終もの。「ニュー・ギフト・パック・シリーズ」。全21曲収録。
地図が描かれたジャケット、その中心やや下部に位置するウィンディー・シティー「chicago」の文字からシカゴ・ロゴがアメリカ国旗を滲ませながら飛び出しているという私個人的にはこの4年連続のギフト・パックでは一番のお気に入りジャケットです。こういうわかりやすいのは見た瞬間に「かっこいい!」と思っちゃいます。
そして1977年発表の全11曲収録オリジナル・アルバム「chicagoXI」
テリー・キャス在籍ラスト盤です。このアルバム・ジャケットを見た途端に「あれ!?ギフト・パックと同じデザイン・コンセプト・・・・」と思いました。
ジョン・バーグらコロンビアは日本で以前にこういうジャケット物が出ていたことを知らなかったのかなあ・・・。
こちらはグッと渋めのデザインで見開きジャケットの裏面にまで地図が延長されて描かれています。
「ライブ・イン・ジャパン」で初めて披露されたテリー作「ミシシッピー」がスタジオ・テイクとしてオープニングを飾っています。こちらのほうが洗練されたアレンジで断然イカシテいます。
イントロでのテリーによるファンキーなギター・カッティングはさすがのノリで歯切れよくワクワクしてきますね。テリーの笑い声が切ないですが・・・。
ジミー作の「永遠の愛」では「ボビー、御免なさい・・」と謝りを入れつつ彼自身がピアノとボーカルを披露。リーも自身の作品でボーカルを披露「今度こそは」、ここで聞かれるテリーのギター・ソロは彼の膨大な傑作プレイの中でも突出していると私は思います。決して弾きまくりではなく感情がそのまま指板上で表現されているような芸術の域にまで達したかのような感あり。
テリーがシカゴデビュー期、一緒にツアーを共にして多大なる影響を受けたことは絶対に間違いなしと思われるジミ・ヘンドリックスばりのエネルギッシュなギターが冴えわたる「無情の街」
シカゴ初期の特徴でもある政治に対する風刺的内容を盛り込んだボビー作「僕の公約」
「僕を大統領に選んでくれたらいいこといっぱい、あんなこと、こんなこと実現しちゃうよ!」と皮肉たっぷり。
映画「グライド・イン・ブルー」を彷彿とさせるボビー作「ポリスマン」もサンバのリズムにのってオシャレ感覚なサウンドを聞かせてくれます。
ピーター作で「愛ある別れ」の延長上に位置するファースト・シングル・ヒット曲「朝もやの二人」
ストリングスも華麗に配し、ビーチボーイズからは故カール・ウィルソンもコーラスで参加。
そして日本では残念ながらシングル・カットされませんでしたが「シカゴへ帰りたい」(EPではエディット・バージョン)
ダニーとシカゴの弟分マデュラからデヴィッド・ウォリンスキーが共作した名曲。ウォリンスキーが後に加入するルーファスからチャカ・カーンがソウルフルな声を轟かせています。ピーターはソロになってからもチャカとデュエット・ヒットを飛ばしています。
ラストに収録されている壮大なる3楽章からなる組曲(前出のダニー&ウォリンスキー作)
テリーの事故死によって追悼シングルになるなんて誰が想像したでしょうか・・・。
テリー魂の熱唱「リトル・ワン(愛しい我が子へ)」は涙なしでは聞くことができません。