****ライブレポートは早くも中盤に差し掛かってきましたよ!何が飛び出すかは乞うご期待!!****
この小樽雪あかりの路オールディーズライブは個性溢れるバンド達が火花散らせつつも、馴染み深い音楽を演奏するために北海道中から大集結する名物イベント。
今年は初出演含めて22組がエントリー(日火の2日間)。
イベント初期にはエンペラー会場から始まり、数年前より現在の小樽公会堂に場所を移しています。
ホール内の後方には飲食カウンターも出店。
数多くのテーブル席を用意して皆様のご来場をお待ちしております。
さあ、中盤戦に突入ですよ。
6、3:50~4:20
「高島ブルージーンズ&」
バンド名が示すとおり地元の小樽・高島から6年連続6回目の5人組。
地元を愛する高島北山中学校時代の同級生と、その妻とで結成。
60歳後半のメンバー達が一同に集ってプレイ。
ヴェンチャーズ&寺内タケシとブルージーンズなどなどを中心にベスト・セレクション・・・・・・。
懐かしのサウンドを豪快に繰り広げてくれた、インストゥルメンタルバンド。
ドラム、ベース(ジャズベース、3トーン・サンバーストカラーのボディにローズ指板。フェンダー黒の布製ストラップ使用。フラットピッキング)、そしてツインギター(白のゴールドパーツ仕様ヤマハSGV700ブルージーンズモデル!こちらも黒のフェンダー布製ストラップを使用。もう一人は愛器ブラックのボディカラー、ローズ指板のストラトキャスターを弾いています。同じく黒のフェンダー布製ストラップを使用)。
そして紅一点ヤマハのキーボード・プレイヤーは先述のとおりメンバーの奥様。
驚いたことに高度経済成長期の荒波を乗り越えつつも結成50年だとのこと!!(再結成してからは10年目)
気心の知れた仲間達とで延々活動継続していたら、あっという間に半世紀を迎えたのだそうですよ!
是非とも、バンドが長続きするコツを伝授させて欲しいものだ。
メッセージ「今や天然記念物になりそうなバンドです。中学時代に高島町内の幼馴染4人で結成したバンドです」
しかし、ヴェンチャーズ・カバー系バンドの多い事。
大人バンドのライブ・イベントには、,必ずといっていいくらいに出演していますね。
日本中に一体全体ヴェンチャーズなどのコピーバンドはどれだけ存在するのでしょうかねえ!?
おそらくビートルズと1,2を争うんじゃあないかなあ・・・。
それも当たり前といえば当たり前でしょう。
60年代前半、世界中に吹き荒れたエレキブームの火付け役ともいえるバンドなのですから、ヴェンチャーズを神のように崇拝するギター小僧たちが、その後成長しても変わらず追いかけているという気持ちもいたいほどにわかります。
なんたって理屈抜きに「テケテケテケ~ッ!」のサウンドで、皆やられちゃったんだからね(笑)。
「さあ!のったら手拍子をよろしく!!」
寺内タケシ&ブルージーンズの「黒田節」でスタート。
日本が世界に誇るテリーの真骨頂。
福岡県民謡をかっこよく料理した、この斬新なるアイディアには感服。
開巻からいきなりマニアも思わず唸っちゃうようなこだわりを垣間見せてくれました。
意外ですね、ここにこれを持ってくるなんてビックリ。
目の付け所が一味違うね。
ギターからキーボードへとソロバトルを繰り広げる様も堂に入っている。
どこまでも熱い連中です。
ストラト・ギターの方がMCを担当。
「え~みなさん、こんにちは。今日はお寒い中をおいでいただきましてありがとうございました!前のバンドの方達・・・・今の若い方はテクニックがありますね。凄いな。
私たちは平均年齢が68~9歳。なんとかこれからもがんばりたいと思います。よろしく!最後までいくぞ~!!」
2曲目
「次にいきます!・・・・・・・ソーラン節!」
こちらも寺内タケシ&ブルージーンズの作品。
北海道民謡だね。ミスター・テリーの貢献度は絶大だ。
このように和洋折衷の60年代ギターミュージックって、若い人にとっては滑稽な感じに受け取られがちではありますが、一度騙されたと思ってトライしてみてくださいよ。
その奥の深さに感銘を受けることを保障します。絶対に間違いなし。
とっても勉強になります。それだけ寺内氏は偉大なる存在なんですよ。
その後のギター小僧達に多大なる影響を与えた先駆者。
ロシアにツアーで招かれた際には、国賓級の待遇を受けたという話はあまりにも有名で当時大々的に報道もされていました。
ノッてきたところで、民謡シリーズ「よさこい節」(高知県の民謡)
しみじみと染み入る、日本の心だね。
温故知新。古き良き時代のありがたき言霊。
もちろんこちらも寺内タケシ&ブルージーンズだ。
この異色の連発選曲にはビックリ。新鮮なる発想の妙技。
もちろん主役は常にギターが占めている。
バッキングも手堅く見事に纏め上げていますよ。
ほとんどこの手のバンドは王道路線のヴェンチャーズで無難に凌ぐところを、まさに冒険的野心に満ち溢れた「ベンチャー精神満載」で繰り広げてくれました。
貴重な存在。
しかも見事なテクニックで、楽曲を懇切丁寧に再現してくれているではないか!
情け容赦なき攻防はまだまだ続きます
「花嫁人形」
当然こちらも寺内タケシ&ブルージーンズのテイク。
ここまで徹底的に突き詰められたら愉快痛快ですなあ。
チークダンスをしているオーディエンスもいる中で、
アーミングを交えて気持ち良さそうにメロディを奏でていると、突然赤いフェンダーギター・アンプから接触不良ノイズが発生・・・・。
本番中にまさか、まさかでトラぶっちゃった・・・・。
確か、このアンプは去年も同様の事態に陥っちゃったはずだね・・・・。
即座にスタッフ2人がステージ上へと駆け寄って事無きを得ていました。良かった・・・・。
気を取り直してライブは続行しますよ。
「オヤジ&オバン・バンドとして復活して頑張っていますので応援のほど、よろしくお願いします!(笑)」
メンバーは全員黒一色の衣装で統一。
グッとシックなるいでたちで構えています。
加山雄三「夜空の星」
ここで初めて寺内以外の選曲。
でもやっぱり日本の歌心で網羅。
この曲は故・岩谷時子さんの作詞。
加山雄三さんは「団厚作」名義での作曲。
遂に出た!テケテケテケ・・・・ジャーラア~ン!といえばこれ。
焦らしに焦らした挙句にやって来た、定番のギター・サウンド。
寺内ときたからには、絶対に外せないビッグナンバー。
どのパートも耳に馴染みのある懐かしの旋律だから、ついつい口づさみたくなるのです。
他のバンド・ギタリストも我慢ができずに、客席で自分のギターを手に一緒にフレーズをなぞっています。
その気持ちは、よくわかります。
いつまでも幅広い国民に愛される珠玉のお約束ともいえる決定打。
「続いては・・・・・さすらいのギター」
ザ・ヴェンチャーズ・ガールとして人気を博した小山ルミの大ヒット曲(1971年6月1日発売)。
彼女は札幌出身なんですね!
ヴェンチャーズは、歌謡界にも多大なる影響を与えていたのですよ。
私が中学生の時、友人達と海水浴キャンプに行った際、一日中、ビーチでこの曲が流れていたのを思い出しました。
つまりラジオやテレビ以外にも、海に山に街に車中にと夏の間中、どこへ行ってもひっきりなしに流れていたものです。
このグルーヴで思わず胸がグッと熱くなるほどに灼熱の太陽が蘇る。
思い切りサーフィンをやりたいなあ。ボードや波に乗るのって、とても難しいんだけどさ・・・・。
これをいきなり聞かされたら、いつどんな時にでも、ハワイが目に浮かんできちゃって、今すぐにでも飛んでいきたくなっちゃう。
特に雪深い土地に生まれた道産子ならば尚の事憧れの島。
ステージでは往年のギター少年2人が、競ってスプリング・リヴァーヴを思い切り効かせてノーキー・エドワーズ役を嬉々として演じています。羨ましい。
お次も過激だ!
メドレーで「さらばシベリア鉄道」
これは大瀧詠一の曲をインストルメンタルにアレンジしたもの。
極寒のシベリア情景が脳裏をかすめます。
今の季節にはドンズバだ。こいつはちょっとしたサービスかな。
それをギターでジックリ虎視眈々と必死の形相にて、フレット上ポジションを目で追いかけながらのプレイ。
歯切れよく小刻みなる鋭いピッキングの繰り返し。
そりゃあ、ヘトヘトになったことでしょう。
しかし言葉少なに怒涛の疾走ライブを、最初に公言したとおり実現させていくのです!
それでもタイトなドラミングを後半でフューチャーして、雄叫びをあげ見事に終演。
このバンド、一昨年の夏ライブではちょっと消化不良気味な面も見受けられたのですが、今回はそれとは比較にならないほどに、グッとまとまりがあって一体感を醸し出し成長の痕跡を覗かせています。
恐るべし5人衆、今も健在だ。
あの熟年世代の肉体の(失礼)、どこにあれだけのヴァイタリティーが湧き出てくるのか?不思議です。
ここでまさかのアンコールが飛び交い始めた!
「ありがとうございます!それでは最後に・・・・いとしのエリー!」
やっとたどり着いたラストではスティック4カウントの打ち鳴らしを合図に
序盤ではドラムのリム・ショットが主役。
ところが一転してインデイアン・ビートに豹変。
いきなり攻撃的なギターがコードを掻き毟って炸裂。
満を持して飛び出したのは、「待ってました!」とばかりのエネルギッシュなドラム・ロール。
ドンドンとまくし立て、スネアを中心に満面の笑みで叩きまくっています。
素早いスティックさばきが正確無比でお口あんぐり状態。
ギターがピックスクラッチ、そしてミュート奏法など、昭和の空気をそのまま運びこんでくれました。
磨きのかかったフィンガリングで、鮮やかに爪弾かれていきます。
軽快にワウペダルを駆使して、うねりまくるギター・スピリット。
ギタリストの教科書みたいなステージですね。
ベーシストも負けてはなるものか!とハイポジションにて見事なラインを描いて誇らしげに自己主張。
昔とった杵柄だけに、演奏しながら無意識に、ほろ苦くも甘ずっぱ~いバンドマン感覚が蘇ったみたいです。
MCも控えめのノンストップ・ライブ。
ダンスに興じるオーディエンスも5~6人からドンドンと膨らんでいきました。
観客席で大人しく観戦していた人々も、アベさんが半強制的に最前列フロアへと引っ張られていきました(笑)
次回ライブではもっとヴェンチャーズの曲も飛び出してきたりしてね!期待します。
会場内に流れるBGMは、サム&ディブの「ソウルマン」だ!
7、4:30~4:55
結成4年目を迎えた「midnight crisis」
ジャンルは、黄金の70年代J-ROCK(伝説のバンド、カルメン・マキ&OZから4曲を披露)
隣町の札幌から2年連続3回目の出演。
STAとは何故だか、ありとあらゆるライブイベントで度々タイバンしています。
「歴史音楽紀行ライブ小樽運河プラザ」「浅草橋オールディズ・ナイト「お気楽ライブ」「ホットタイム」とかね。
男性陣がシンガーのひとみ嬢を前面にフューチャーする、イトウさん率いる5人組によるバンド形態。
しかし音の方は、今までとはガラッと雰囲気一変してプログレッシブなロックをよりマニアックに昇華して披露。観るたびにドンドンと進化していくサウンドの様がクセになりそうですよ。
この非常にユニークなバンド名は「中年の危機を意味するミッドライフ・クライシスにリーダー・ナイト君のもじりで遊び心を加味したのだそうです。これが自分の本当に求め続けていたことなのか・・・・・?と人生半ばに差し掛かった頃、80%以上の人が経験するのだそうです。重たい意味を含んでもいますが、俺達、本当に大丈夫??という特有のギャグなんだとか」
男性のバンドマン達は・・・キーボードにカトちゃん(ローランドJUNO-Di)、ベースはニシやん(フェンダーのプレシジョン。ホワイトボディカラー。ローズ指板。ピックガードなし。ストラップも布製フェンダーの白)。
夏向きな水色ボディカラーのサイトウ・ギターを弾くのはリーダーのナイト(騎士)イトウくん!(一昨年の北運河ライブではムスタングを使用。ちなみにメタリックダークブルーのボディカラー。一昨年の8月は音符型ストラップだったけど今回はギターに合わせて水色のものを使用。コーラスも兼任。去年の浅草橋ではスペアとしてミュージックマンもスタンバイ。ナチュラルボディカラーでローズ指板)。
更には持込みでオレンジメーカーのギター・アンプヘッドを設置していましたっけ。
何事にもコダワリ抜かれたアイディアが満載です。
そしてドラマーはムカイハラくんという編成です。
はい、もうお気づきでしょう。
この後9番目に出演するREMIXのギター・ナイトくんと、ベースのニシやんは掛け持ちミュージシャンなのでした(笑)
心底、2人はライブがお好きなんだねえ~!(聞くところによると、まだ他にもマニアックなバンドで活動しているんだそうです。そちらもとっても面白そうだなあ。まあ、それはそれで今後のお楽しみということで・・・・)
回想・・・・・・一昨年5月の小樽・運河プラザライブでバンド入れ替え後、早速音出しがはじまったのですが、驚いたことにベーシストのニシやんがいきなり「ダダダダダン!」と聞きなれたラインを弾きだした。「あれ・・??!!」
ミキサースタッフも、私が提出したセットリスト表を手にSTAのもとへと飛んで来た!
「STAと、もろに曲がかぶってるしょ!」
STAのメンバーたちもガヤガヤとざわめき出した・・・。
「でもブラスセクションがいないねえ。あ、俺もそういえばこれを、3人編成でヴィンス・ニール・ヴァージョン・へヴィメタルサウンドでライブをやったことがあるから十分に可能だよ」
結果はといいますと、その曲はやらずじまいで取り越し苦労でした。
ということは、あれ一体全体何だったのだろうか?
STAを意識した?単純に好きなフレーズだから指ならし?急遽ボツになった??・・・不明のままであります・・・。後日このことを西やんに尋ねたところ、ニヤリと不敵な笑みを浮かべつつ「単なる気分でお気に入りのフレーズを爪弾いたんだよ」ということだそうですよ(笑)。
ところが・・・・・去年7月での浅草橋で、STAがライブを終えて舞台裏でマサがくつろいでいると、ニシやんが再度話しかけてきたのです。以前にもチラッとお互いに名刺交換をしたこともあるのですが、彼は熱烈なるシカゴ・ファン!!(Ⅶまでの限定だけどね!)
で、早速その場で意気投合しまして、ヤスも交え非常にマニアックな会話でしばし盛り上がってしまいました。
いつかコラボレーションしよう!と固い約束を交わし、数日後にはそれも実現の運びとなりました、超ハヤッ!!
そして翌月の北運河では一緒にライブしていました(パーカッションプレイヤーで)。そのまま現在に至る。「縁とは奇なるもの」を自でいくノリでしょう。いかにも、らしいぶっ飛びなエピソード。
まあその辺のマサによる感覚は相変わらず予測不能なのだ。
つまり今回のライブ、ニシヤンは3ステージをつとめることに。
最多出演記録保持者だ!
前置きが相当に長くなったので、ここいらで話を元に戻しましょう。
「青白い夕焼け(リュウのテーマ)」でライブはスタート!・・・・激レアなオープニングナンバーでは超絶技巧派のキーボード・ソロを織り交ぜつつも、シンガーひとみ嬢が男性顔負けなパワフル・ヴォイスで迫ってくる。
歌詞の一言、一言が凶器のごとくこちらのハートにグサグサと鋭く突き刺さってきます。
春日博文役のギタリスト・ナイトくんも足元のエフェクターを巧みに使い分けて、ヴァリエーション豊富な音色を紡ぎ出していきます。
引くところ、グイッと目立つところとのメリハリがクッキリとしていて爽やか。
選曲もひじょうに渋い。その筋モンにとっては感涙に溺れちゃうほどの曲が目白押し。
ちなみに、この曲はマキ嬢のソロの曲。
ジャパニーズハードロック黎明期バンドからの、こだわりにこだわりぬかれた美味しい部分ばかりをチョイス。
うねりまくるサイケデリックな音壁に思わず陶酔しちゃう。
隙の無い縦横無尽なる変化の連発でエクスタシーに到達。
ストレートなる迫力で聞かせてきたかと思えば、すかさず難攻不落なる複雑展開に雪崩れ込んで様式美を構築する姿には思わず唸らされました。
もはや絶え間なく表情を変えるアレンジワークにはお手上げ状態だ。
「眠ってもいいですよ(笑)
照明も煌びやかになってきたし感激。
・・・・・・今日は天気に恵まれて良かったです・・・暗いけれども、まったり系で・・・・・空へ」
2曲目では、4カウントにはじまる序盤をしっとりと・・・・しかし、徐々に圧倒的な迫力を伴ってシャウトの応酬。
叙情的なるイントロのギターによるフレーズが泣かせるなあ。
琴線をビンビンに振るわせっぱなしで最高。
静と動の抑揚の付け方が革新的でお見事。絶品の構成も気持ちいい。斬新なる発想の勝利だね。
時代を反映してか1曲が長いので大胆なるダイジェスト版でお送りしております(まともに1曲をフル演奏したらそれのみでステージを終わっちゃうもんね)
それにしても、70年代で既に日本人離れした、これだけ圧倒的にスケールのでかい曲を生み出したカルメン・マキ&OZは改めて言うまでも無くやっぱり偉大だなあ。
(近年は奇跡の再結成が実現してツアーの一環として何とZEPP札幌にもやってきた。
何故だか札幌のみチケットの売れ行きは芳しくなかったみたいで、マキオズはSNSで嘆いていたけど・・・・チケットが高い、という声もチラホラと聞こえてきたけれどもね)
一部のコアなファンを除いて、あまりにも過小評価され過ぎだ。今だからこそ再認識されてしかるべき。
だからこそ、硬派なミッドナイト・クライシスの存在は絶対的に貴重極まりないよ。
そうこうしているうちに、メドレーでそのまま3曲目へ。
「どうもありがとうございます。もう2月ですね。もっと長い曲です・・・・・」
あれれ・・・??どこかで聞いたことがあるよ。これって「火の鳥(1976年リリースの名アルバム・閉ざされた町に収録)」でしょう。
壮大で繊細なるオルガンが奏でられはじめた。荘厳で澄み渡る響きは唯一無二。
延々と進行する横ノリのミディアム・テンポによる重低音。
アダルトなムード全開でグッと迫ってきます。
この曲調はアッサリとしているけれども、難解で中々に一筋縄ではいかない。
それを涼しい顔してサラッとこなしきっちゃうところなんかはやっぱり只者ではない心憎き集団だ。
当然ここでもバンド全体で全身全霊込めて、究極のスタイルを貫き通す。
こういう明快な表現方法もあるんだね。あまりもの力強さに目から鱗状態でビックリ。
更に衝撃的だったのが、淡々と説得力十分の熱唱を支えるバックの演奏。
パワーバラードの極致。
もろにドラマティックなるブリティッシュ・ハードロック仕立てなところもたまりませんよ。。
そうです、ちょっぴりとブルージーな知性が漲るリズム・アレンジ。
魂の咆哮は圧巻でデンジャラス。懇切丁寧なる歌い込み。感情の起伏や表現が鮮明に描きつくされている。
なるほどねえ。洗練された鬼気迫る眩しすぎるほどの輝きは、新たなる発見だ。
途中ギターソロをはさんで、コロコロと目まぐるしく曲調が変化。
インパクト十分なメリハリが、縦横無尽に駆け巡る音絵巻。
バックのメンバー達は徹底的自由自在にバッキングへと徹する。
もうここまできちゃったら、ジックリと腰をすえて聞き入っちゃおう。
「皆さん、飲んでますか!?ちょうど眠たくなる時間帯だね(笑)。横で寝ている人がいたらチョンチョンと突いて起こしてあげてくださいな。
今日のライブ、女性シンガーが多いですよね」「ええ!?女性??・・・」「一応、今のところ私も女性・・・・(笑)
HEY!というわけでして・・・・・すみません、ラストの曲です・・・」
「えええ~~~!!???」
はい(笑)、ラストの曲となります!いくよ~!!」
起承転結の強弱が極限に達した時、フィナーレともいえる「私は風」に突入。カルメン・マキ&オズの代表作品。
ヒステリックなほどのハイトーンで怒涛の連続。
イントロからエネルギッシュな流れで雪崩れ込んでいくパワフルなる大作。
メンバー達が一致団結して取り組まなければ、即座にほころびが露呈してしまい崩壊の危機に瀕してしまうような複雑極まりない曲。
どことなくスマートな空気感の演出にも、盛大なる拍手を送ろうではないか。
さり気なく場面転換して曲中に「人形の家(弘田三枝子)」をすんなりと挿入。これがまたより軽快に、効果テキメンで凄いセンス。
とにかく次々と目まぐるしく豹変する先の読めない構成には脱帽。
構想がはっきりと描かれている芸術的な作風が冴え渡る。
でも、このバンドにピッタリとフィットしていて、余裕で溶け込んでいましたよ。
「今日はどうもありがとうございました!」
う~む・・・・今回も期待していた以上に聞き応えがあったなあ。
余談ながら・・・・・実を言うと私は高校生の時に、故・内田裕也氏主催「第一回ワールド・ロック・フェスティヴァル」でカルメン・マキ&OZのステージを札幌は真駒内アイスアリーナで見ているのです。
マキさんのカリスマ然とした女王様のような佇まいが、メチャクチャにかっこよかった。
カーリーロングヘアに真っ白いフリルのロングドレスと、片手にはタンバリンを持って絶叫する姿には惚れ惚れしちゃったよ。
あのスレンダーなスタイルとゾクゾクするエキゾチックな顔立ちも魅力的だった・・・。
だって私が小学生の頃、ドップリと暗いフォークソング「時には母のない子のように」のヒットで登場したイメージがずっとあったからねえ。
その徹底した声域の広さも衝撃だった。
グランド・ファンク・レイルロード2度目の来日公演でもOZは前座を務めていましたね。
活動内容からして、すでに海外へと視野を向けていたのは明らかでした。
OZ解散後も、私は1981年に久保講堂で本格派ジャパニーズへヴィーメタルバンドの「5X」を見ました。
この時のマキさんはTシャツ姿。
ベーシストはリッケンバッカーをプレイしていたキンタさんだった。
「夜のヒット・スタジオ」にレディース・ロックバンドのショーヤが出演した際に、ボーカルの寺田恵子嬢が「カルメン・マキさんを尊敬しています」と言った途端にマキさんがスタジオに登場。
寺田恵子嬢は感動のあまりに号泣してしまい、マキさんにあやされるというシーンがあったなあ。
まあ、そのくらいカルメン・マキさんは、日本における女性ロック・シンガーの草分け的存在なのであります!。
ちなみに、西やん、まだこのあとREMIX&STAの2ステージが残っているよん。タップリと充電しておいてね~!!(笑)
****というわけでして愉快痛快なるライブレポートは第5弾へと続きますのでしばらくお待ちください!!それではそちらでまた会いましょう!!****
****ライブレポートは第3弾へ突入!さあ、どんないかしたバンドが登場するかなあ!?お楽しみに!!****
4、2:45~3:10
会場内に流れるBGMは「サーフィンUSA(ビーチボーイズ)」
4番手は「パイナップル」
このバンド名でピンときた方は、筋金入りのアイドルファン。
そうなのですよ。松田聖子のコピーバンドなのだ。
バンド名も大ヒットした彼女の名アルバムから命名。
1982年5月21日リリースの5枚目。
「赤いスイートピー」「渚のバルコニー」というメガヒットを排出したことでも有名。
札幌から2年連続2回目の出演。
どうやら去年はSTAと曜日違いだったらしくて、私が観るのは初めて。
セットリストは「カワイ子ぶりっ子全盛期」の作品で網羅されているんだから、自ずと目じりも下がってくるというもの。
去年8月の北運河サウンドエナジーにおいても「ミルキー・スマイル」という聖子ちゃんカバーバンドがいましたねえ。
その時の仕掛け人はサックスの伊達男ミヤッチだったけど、今回のバンドはあの凄腕ドラマーのミョウテン君だった!
これにはビックリ。会場入りして来た彼と目が合ってお互いに「オオオッ!!」だもん。
「え!?どのバンドで出るの!?」と尋ねてみたらこのバンドだった。
なるほど、手広く展開しているねえ。嬉しい裏切り行為。
何でも叩ける、正にオールラウンドプレイヤーだ。
彼とは以前、新札幌のコミュニティFM番組にSTAゲストとしてお招きいただいてからグッと親しくなったのです。
それ以外にも貴重なるプログレッシブバンド「四入囃子」(当然、四人囃子のカバー)とちょくちょくタイバンしています。
でも、他のバンドでは滅多にご一緒していないはず・・・・・。
とにもかくにも、「パイナップル」は、どの曲も光り輝いていて素晴らしいねえ。
なんたってこの日の出演バンド中、一番アイドル色が濃厚だけに、ジックリと拝見させていただきましょうか・・・・。
2015年結成だという、年齢不詳の(!?)5人編成をば記してみましょう・・・・・
VOのスズコ嬢をフロント中央にフューチャーして、Gはノグチ氏(ストラトキャスター。ブラウンサンバーストボディカラー、メイプル指板)。Bにはヒロマサ氏(5弦を仕様。ヤマハのBB。黒ボディカラー。ローズ指板)。KB&コーラスにはあちこちで引っ張りだこの人気者リョウコ嬢が好サポート(ヤマハDXを使用)。そしてDR/毎度おなじみの楽しくも憎い奴ミョウテン氏だあ。
超豪華なる布陣が勢揃い。
それでは懐かしのアイドルワールドにドップリと浸りきっちゃいながらも早速いってみよう!!
「天使のウインク」
(1985年1月30日リリース。20枚目のシングル。オリコン週間1位を記録)
爽やかなサウンド展開で勢いがあって、とってもピッタリなオープニング。これはズバリ狙ったなあ。確信犯。
明らかに反則技だね(笑)
もう心ウキウキで最高の気分だ。
アイドルソングだからと、たかをくくっていたら、思い切り足元をすくわれるよ。
演奏も歌もすこぶる難しいんだから。
実際、イントロを刻むドラミングを見たSTAのミキティは「やっぱりドラムは上手いねえ」と見抜いていたモン。
しかし全てにおいて、クオリティの高い楽曲だなあとつくづく思います。
歌詞、アレンジにいたるまで。
決めの振り付けを思いっきり真似ようとしている、往年のギャル達(死語)も出現。
聖子ちゃんカットの女の子って最近では全く見かけなくなったけれども、(当たり前だ)あのヘアスタイルはとても可愛いのになあ・・・。
いきなりあの髪型が復活したりして・・・なあんて考えていたら一気にエンディングを迎えてしまった。
ちなみにこの曲の作詞&作曲は尾崎亜美。
依頼を受けたのは締め切り前日だったのだとか。しかも詩と曲の両方を担当しているんだから驚きだ。
一人称の「僕」は天使の目線を表現しているのだそうですよ。
亜美嬢初の聖子ちゃん用シングル(アルバム内への提供曲は、それまでにもあったそうです)。
亜美さんが提供してきた数多くの曲中でも、一番思い入れがあるのがこれだとのこと。
「こんにちは!早速たくさんの手拍子をいただきまして私は感動に打ち震えております。
真冬なのに聖子ちゃんの春っぽい曲で初めてみましたがいかがでしたか?
去年は台風で大変だったけど、今冬はとっても天気がよくて嬉しいです。
主催の皆さん、本当にご苦労様です。ありがとう!
それでは2曲目に参りたいと思います・・・・・・・・・・・ロックンルージュ」
(1984年2月1日リリース16枚目のシングル。アルバム・テインカーベルに収録)
今度は松本隆とユーミンによる贅沢なるコラボレーション・ソングなんだから悪いわけがないでしょう(ユーミンは呉田軽穂・名義)
さすが80年代アイドルブームの火付け役だけあって、一味も二味も違うよね。
それをスズコ嬢は堂々と、伸びやかなる声で歌いこなしていました。
度胸満点で大したものだ。まさにパーフェクト。
程好いポップなメロディラインが、何度も琴線をくすぐってくれて心地よい。
キュートこの上ない癒し系の風が吹き抜けている様は微笑ましい。
バッキングをつとめるメンバー達の顔ぶれから察して、多分皆、聖子ちゃん世代の熱狂的なフリークなんでしょう。
男女問わずに絶大なる支持を受けたアイドル界の女王だもんなあ。
メンバー全員が嬉々としてリスペクトを込めて演じています。
「皆さんのダンスに見入っていたら、歌詞がわからなくなってしまいました(笑)。
え~と・・・・光が眩しくてデジタル画面がよく見えないですう・・・・。
便利すぎると、いいこともあるけれど、悪い事もあるんですねえ。
次、3曲目にいきましょう・・・・スィート・メモリーズ・・・・」
(1983年8月1日リリース。14枚目のシングル。当初は「ガラスの林檎」のB面だったが、コマーシャルソングになったとたんに人気が高まり、急遽両A面で再発されたという逸話あり。本人もファンの間でも非常に人気のある曲)
思い切り弾けまくった後には、グッと雰囲気を変えてシックに迫ってきましたよ。誰の胸にもホノボノと染み入る永遠不滅、珠玉のバラードだ。
ここでは静かにジックリと、とろけてみましょうよ。
イントロで奏でられるリョウコ嬢による、美しく澄み渡るピアノの旋律が無性に泣けてくるなあ。
もうこれだけでも鋼の涙腺が崩壊寸前だ。
青春時代の甘くほろ苦い思い出が蘇ってくる。
やや抑え気味なバック演奏に絡む、ノグチ氏渾身のボリューム奏法による哀愁のギター・ソロも、アダルティックで渋く響いてくるなあ。
ここぞという時に美味しいところをかっさらっていく燻し銀プレイヤーならではの真骨頂でもある。
スズコ嬢もそれに負けないくらい、感情移入して熱唱を繰り広げてくれます。
ネオン・ステイックを頭上高く左右に揺らしていたアベさんが、美しい旋律にのって華麗なるチークダンス。
メドレーで軽快なるキーボードのイントロから「真っ赤なロードスター」(オリジナルには車の排気音がSEとして差し込まれています。4:32)
もちろんロードスターとは憧れのマツダ2シーター車種名。
オープンカーです。マツダ絡みのタイトル??・・・・・・・
先輩の山口百恵嬢が「真っ赤なポルシェ」だったから、それに対する秘密のアンサーソング?
こちらも1984年リリースのメルヘンチックなアルバム「テインカーベル」の1曲目に収録されていた曲。
でも不思議なことにこの曲はシングルにはなっていないのです。
元気一杯に弾けまくっている健康的な歌唱スタイルも乙なもの。
それまでとは一転して、軽いノリながらもエネルギッシュ。
後半2曲の選曲にはちょっとマニアックなヒネリを加えてきたね。
この辺がコアなフリークらしいコダワリ具合で嬉しい限りだ。
「未来の花嫁」
松本隆・作詞、財津和夫・作曲。
4:19
1982年11月10日リリース、通算6枚目のアルバム「キャンディ」に収録。
スズコ嬢の独特で甘い歌声が遺憾なく発揮された「キャンディヴォイス」が随所に披露された名曲。
聖子ちゃんもコンサートに度々取り上げるお気に入りの1曲。
これもシングルにはなっていなんだけどね・・・・・ファンの間でも人気の高い作品。
ロマンティックなムード満点で、ちょっぴりホイットニー・ヒューストンを彷彿とさせるのでは?・・・と思ったのは私だけでしょうか?
スズコ嬢からの懇切丁寧なるメンバー紹介に続いて、いよいよ最後の曲へ・・・・。
膨大なるヒット曲の中から厳選するのは、さぞかししんどかったことでしょうね。
聖子ちゃんのカバーライブをやるからには、この何倍もの時間が欲しいくらいだ。
「ジュテームJE T’AIME」
タイトルはフランス語で「愛してる」という意味。
(1981年5月21日発売、通算3枚目のアルバム「シルエット」7曲目に収録)
そうです、このバンドの締めくくり。申し分なきセレクションだ。
聖子ブーム真っ只中に放った鮮烈なるロック魂。
パイナップルが考え抜いた末に選び出した締めくくりは迫力のロックンロールナンバー。
スピーディーで圧倒的な輝きを放っているよ。
スズコ嬢の伸びやかなる歌唱力に驚愕だ。
アレンジもパンチが効いていてファンキーでパワフル。
アップテンポに転調したら益々熱狂の度合いが増してきたよ。
ダンスミュージックに適任。
エキサイトした観客が、クラッカーを炸裂させた!!「パン!!パン!!」
華やかなるフィナーレで大団円を迎えることとなりました。
このように多種多様なる音楽に浸れるのもイベントの醍醐味の一つ。
ちなみに1988年に聖子ちゃんが発表して傑作アルバム「シトロン」。
これってシカゴ・ファミリーとして一躍名を上げたかのデヴィッド・フォスターのプロデュース。
シングルにはなっていないけど「抱いて」はもろにデヴィフォス節満載。
コーラスで元シカゴのジェイソン・シェフも参加していて話題となりました。
「いやあ~、雪明かりの路イベントっていいもんですねえ~!」(水野晴郎風に)
BGMはクイーンの「愛という名の欲望」
5、3:20~3:40
会場内に流れているのは、サンタナで「僕のリズムをきいとくれ」
これって、次に登場するバンドのカラーにめちゃくちゃうってつけだ。
「セイラーズ」
この日唯一、岩内から参戦してくれた、不動の男たちによるトリオバンド。
2年連続3回目の出演で「こよなく愛する60~70年代の洋楽ブルース・ロック」をとことん聞かせてくれまする。
もはや小樽のライブ・イベント(雪明かりの路、北運河サウンドエナジー)では絶対欠かせない常連組ですね。
私がセイラーズを知ったのも、数年前の北運河屋外イベントでした。
この日一番の無骨すぎるくらいなサイケデリックカラーに染め上げられたライブ。
毎回、不敵にもセットリストを丸ごと入れ替えてくるのですよね。
スタンバイオーケーのサインが出てはじまったのが、な、な、なんと・・・・「スタンド・バイ・ミー(ベンEキング)」ではないですか!!!
循環3コード妙技の応酬。淡々と繰り広げられる何故だかクセになるスタンダード・ナンバー。
私、この曲はジョン・レノンのアルバムからの「ロックンロール」で初めて知りました。
大ヒットしましたね。その後のスティーブン・キング原作による自然豊かな同名映画も、ノスタルジックで素晴らしかった。
地元から駆けつけてくれたYプロジェクトのボーカリスト永ちゃんことマッツも「俺、以前にこれを歌ったことがあります!」とのこと。さすがだ。
バンド経験者ならば、誰でも一度はセッションに取り上げるであろうシンプルな構成の作品。
まさに今の季節にうってつけ。曲調は爽やかに澄み切った青空全開の夏のイメージではなく、翳りを含んだインドア感覚でありますね・・・・・。
あのもの凄く渋いイントロがグイグイとこちら側に迫ってくる。
独特の分厚くも黒っぽいサウンドが飛び出して歌い出されました。しかもフィンガー・ピッキングのベーシストがリード・ボーカル(黒いボディのベースでプレイ。ローズ指板。毎年ヒゲをたくわえていますが、とても良くお似合い。色つき眼鏡と頭に巻いたバンダナもお馴染みのチャーム・ポイント)。
伝説のミュージシャン、ジャック・ブルース風に燻し銀の喉を震わせつつね。
まさかここの会場でこの曲が聞けるなんて衝撃だ。
独特なる解釈によるアレンジの妙も素晴らしい。
各自の個性がギラギラしている。
ウーマントーンをねちっこく奏でているギタリストは、335の3トーンサンバーストギター(バインディングなし)を抱いています。
エリック・クラプトンが大好きなのは火を見るよりも明らか。
フロントに立つ2人が持っている弦楽器が、通受けしそうなほどの光沢を放っている。
「岩内から来ましたセイラーズです。すみません・・・・昼過ぎからブルースをやっていいものかとちょっと迷っちゃいました(この間にドラマーはシンバル・スタンドの調整)・・・・私ごとではありますが、年寄りなので曲がよく覚えられません・・・・時間がないのでちゃっちゃとやっちゃいます」
リバーヴを思い切り深めにかけたギターによるアルペジオのイントロから「アイ・シャル・ビー・リリースト(ザ・バンド)・・・・」
オリジナルは、今も元気一杯で現役ボブ・ディランが生み出した誰からも愛される珠玉の至宝(ザ・バンドは元々ザ・ホークスと名のっていた頃、ディランのバックバンドだったことは有名な話で、この曲も共にレコーディング)。
全くアレンジが違いますが、ほとんどのバンドはザ・バンドのヴァージョンで演奏しますよね(1968年リリースの名アルバム「ミュージック・フロム・ビッグ・インク」に収録。シングル「ザ・ウエイト」のB面)。
どちらも味わい深くて、甲乙つけがたい傑作ではありますが・・・・。
ドスのきいたボーカルも、ニューロック世代にとってはたまらないくらいに共鳴できますよ。
しかも日本語によるテイクだあ!!
一気にあの時代へ逆行させてくれます。
しかし難解なるバッキングを、パーフェクトにコピーしているのですよ。ロビー・ロバートソンの指クセまでをも再現。
このニュアンスは、そこいらの若造ギタリストには、到底醸し出すことは不可能だと思うよ。
3人組みなので持ち時間が短いのが非常に残念なくらい。
水を一飲みしつつ、早くも後半戦に突入。
さあ、次は何をやってくれるの・・・?と期待に胸をワクワクさせていると、十八番のフレディ・キング「セイム・オールド・ブルース」がウネリをあげた(1974年リリースのアルバム「BURGLAR」に収録。作者ドン・ニックスの中でも特に人気の高い曲)。
おいおい、ドンドンと本格的な泥臭くて渋いブルージー・ワールドに突入かい。
向き合ってプレイするベーシストとギタリストは、すでに熱気ムンムンのステージ上で汗だく。
タメがどっぷりと効いたドラミングは絶品。決して手数が多いわけではないのに説得力あり。
そのドラム・セットのそばに寄り添って、ブレイクの確認をするギタリストはエモーショナルなほどサスティーンを繰り広げて不敵にニンマリ。
ギター・ソロにはワウペダルが絡み付き、スライド・バーを駆使した究極のフリージャムへと発展。
誰が何と言ってもここでは美しいメロディーラインが男臭い歌声と相まって、心解放ち胸に突き刺さり自然と身を委ねてしまうのです。
魂の咆哮とばかりに情感をタップリ込めての熱唱。
ジックリと耳を傾けながらも、いつの間にか酔いしれてしまうのも一興。
欲を言わせてもらえるならば、もっと本家本元くらいのヒネリが欲しかったところかなあ・・・・・。
これで堂々、3曲を終えました。
もう気分はすっかりとフラワームーブメントにトリップとはまり込んでしまった感あり。
「メンバー紹介を挟んで、ソウルフルでファンキーなロックンロールいきます!」
極めつけ、とっておきの「迷信(ステイービー・ワンダー)」リフが激しくピッキングされます。
グッと雰囲気が一転して、スカッと冬空に突き抜けるほどのノリノリダンシング・ビートをぶちかまし。
むせ返るほどに、埃っぽいディスコ・サウンドの幻影がちらついてきて快感。
でもねえ・・・・・やはり、と言いますか、ここではなんとベック・ボガート&アピスのバージョンでド派手に展開。
至上最高峰のトライアングルロックバンドに対するリスペクト精神をふんだんに散りばめての熱演を、これでもかあ!というくらいにこちらサイドへ突き付けてくれました。
このバンドは今までならば、全曲を淡々と70年前後の落ち着き払ったロックで網羅していましたが、ここいらにきて実験的要素にもチャレンジしながら含みを持たせつつ新境地開拓か。
それにしてもいつもにも増して、トリオとは思えないくらいに、想像を絶する爆音で究極のアドリブ合戦勃発だ。
チョーキング、ピッキング・ハーモニクス、ライトハンド、プリングオフにグリッサンドと何でもござれ。マーシャルアンプにインプットしたサウンドで情け容赦なき必殺テクニックのオン・パレード。
余力を振り絞っての大攻防。
スピーディーなアレンジにくわえて(多少のミスが散見)、カーマイン・アピスよろしくエンディングではドラム・ソロを号砲に大団円。拍手喝采は当然のことでしょう!!
****これにてライブ・レポートPART,3は終了!でもすぐに続きを書きますよ!!しばしお待ちください!!****