THE SAPPORO TRANSIT AUTHORITY (S.T.A)

札幌で活動しているブラスロックバンド、STA(The Sapporo Transit Authority)です。

chicagoⅧ(未だ見ぬアメリカ)LP's

2020-04-18 23:07:45 | CHICAGO

1975年リリースの「シカゴⅧ(未だ見ぬアメリカ)」
もちろん、余裕でアルバムチャート1位を獲得。
ツェッペリンの「フィジカルグラフティー」に代わる快挙。
前作の「シカゴⅦ」がまだ売れ続けていてチャートにあるため、このアルバム発売は送らせるというおまけ付き。
正に70年代のシカゴは圧倒的な人気を誇っていました。
ただ、このアルバムは全盛期の中にあって多少地味な印象があります。
しかし中身は絶対的に保証します。
サウンドは、ややブラスが後退して
コンパクトな仕上がりになり、ポップ化に拍車がかかった過渡期ともいえるからかも。
「創造を生む最高の共同体」不動のオリジナルメンバーに8作目にて初めて8人目のメンバーが加入。
セルジオメンデスのジャパンツアーで知り合い意気投合し、アルバム数作でのゲスト参加を経て加入したブラジル人のパーカッションプレイヤー、ライジールディオリベイラがその人。
アルバムジャケットはお馴染みのロゴにイリノイ州鳥のカージナル。
Tシャツ用アイロンプリントと、警官とシカゴの追っかけっこポスター付き。
店頭ではシカゴペンダントもプレゼントしてくれました。

オープニングは意外にもブギウギナンバー。
ベースラインやヒステリックにシャウトするピーターはまるでスージークアトロ。
「愛することの素晴らしさ」はラムさんの真骨頂。
イントロからして美しい。メロディが泣かせる。すでにAORの片鱗がちらほら。
「逃亡者」はピーターが大好きなフリー風。時にはマウンテン、サバスのリフ臭い感じだけど、やはり決めはシカゴです。
「今度逢うまで」はテリーのアコギ弾き語りでのハスキーボイスが切なくて心に染み入ります。
一転「安らぎの朝の光」ではテリーが敬愛してやまないジミヘンが乗り移ったかのようなハードドライビングサイケデリックロック。
「淋しくなんかないさ」はファンキーなダンスソングだけど、ワウワウペダルプレイが渋く光る。

このアルバムからは3曲がシングルヒット。
まずは
「拝啓トルーマン大統領」
シカゴ版イエローサブマリンだね、これは。大好きだ。ただし歌詞は物議を醸した!
広島のファンからの手紙にショックを受けたシカゴは直ちにこの曲のプロモーションとライブ演奏を永久に封印したのです。
トルーマンは日本に原爆投下を支持した大統領なのだ。
即座に第2弾シングル「オールドデイズ」をカット。ところが今度はボーカリストのピーターが「こんな幼稚な歌詞なんか歌いたくない」と拒否(ピーター脱退後の現在は必ずライブセットリストに組み込まれています。来日時は第二部のオープニングでキースのギターソロからプレイ)。
そして第3弾シングルは残念なことに日本ではカットなし。
これが最高な仕上がり
「明日のラブアフェア」
ラムやテリーが多大なる影響を受けたレイチャールズに対するオマージュか。
とにかくまだこの頃は若かったシカゴなのに、これほどアーバンな展開を繰り広げてくれるなんて、やはり只者ではないね。
単なる甘ったるいラブソングではない。洗練されたアレンジは芸術的。
ソウルフルでジャジーなテイストとオーケストレーションに酔いしれちょうよ。

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SOUL POWER live in ONE STEP FESTIVAL(CD)

2020-04-18 22:10:01 | CHICAGO

1972年、日本初の本格的ブラスロックバンドが結成されました。
「ソウルパワー」
なんと札幌のバンドです。
もちろんメインの楽曲はシカゴが中心。
私も10代の頃、ラジオでソウルパワーの熱いサウンドに熱中していました。

ウッドストックに触発されて1974年、日本初の野外ロックコンサートが福島県で数日間にわたって開催されました。
「郡山ワンステップフェスティバル」がそれ。
もはや伝説と化したこのイベント。
プロデュースは内田裕也さん。
出演バンドも膨大。
沢田研二、キャロル  、シュガーベイブ、クリエイション、四人囃子、オノヨーコ、ダウンタウンブギウギバンド、上田正樹、クリスクリストファーソン&リタクーリッジ、井上堯之バンド、ツノダ⭐️ヒロ、外道、センチメンタルシティロマンス、ミッキー吉野、ゴールデンカップス、かまやつひろし、サディスティックミカバンドなどなど。
私も音楽雑誌記事などでこの事は知ってました。
オノヨーコさんが観客に「ライブでは私の体の一部を捧げてます」と言って下着を投げ入れたエピソードなんかもね。

そして、北海道代表としてソウルパワーも出演しています。

去年の夏、メンバーのドラム&ボーカリストのチャックベリーマスターからも、この時の話は教えてもらいました。
で、素晴らしい事に2年半前このイベントライブCDが21枚ボックスとしてリリースされていたとの事。正にこれは奇跡!
先日、トロンボーンのクマさんがこのステージでのソウルパワーのライブCDをプレゼントしてくれました!
いきなりシカゴメドレーで始まる内容は圧巻!
さすがワイルドで迫力満点。
クール&ザギャングのファンキースタッフはFMでも聴いていたから懐かしいなあ。
オリジナルもチェイス風、サンタナ風でご機嫌です!

ソウルパワーはこの数ヶ月後、アイク&ティナターナーのジャパンツアーでオープニングアクトを務め、来札したシカゴ、クラプトン、サンタナ  ともセッションを実現させています。
偉大なる先輩バンドです。

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chicago HOT STREETS(LP's)

2020-04-18 03:07:42 | CHICAGO

「シカゴ11」発表後、あの伝説のギタリスト、テリー悲劇の事故死。

バンド結成以来最大の試練が訪れたのですが(デビュー前からの育ての親ジェームスWゲルシオとも袂を分かち合いました)それを克服するべく発表されたのがこの「ホットストリート」です(オリジナルアルバムとしては12枚目)。

デビュー以来、ずっとバンドロゴをジャケットに採用、発表順の数字をタイトルにしていたものを廃止。
あのスタイルにメンバー達はいい加減、飽き飽きしていたそうです。

心機一転メンバー全員、元気いっぱいの姿をジャッケットにプリント。

古くからのファンは寂しくもあり、ちょっと「・・・??ノリが軽すぎない・・」と思われた事でしょうが・・・。

オーディションの末、フルーツガム・カンパニーのメンバーとしての来日、スティーブン・スティルス、ベロニクサンソン、ミッシェル・ポルナレフへのアルバムまたボズスキャッグスのツアーへの参加、ミュージカル映画「ヘアー」出演、バンド「オデッセイ」加入の実績を持つドニー・ディカスを迎えてのこの作品。

テリーに捧げられたオープニングナンバー「アライブアゲイン」からラストまでを一気に聞かせてくれて、

ほどよくポップに洗練されたニューブラスロック・シカゴを堪能できます。
デビュー時からの熱く迫力ある反体制派ブラスロックのファンにとってははっきり言って疑問を持ってしまった一枚。
個性的なシカゴサウンドが普通のアメリカンロックバンドになったと…。
でも私は好きなアルバムなんですよ。
テリーの泥臭いソウルフルなテイストが影を潜めてしまった分、ドニーの若さ溢れるギターとボーカルが新鮮な都会的テイストを加味してくれてます。
ドニーのギターはこの頃のフュージョンブームを意識したかのようなテクニックを披露。
オープニングのカッティングしかり、最初のギターソロからいきなり話題のボイスモジュレーターを使用。
各メンバーが提供した楽曲群もバラエティーにとんでいてとても楽しくもあり明るいイメージのアルバムです。

ちょっとマンネり気味だったシカゴ・サウンドに新風を吹き込んだドニー、そしてプロデューサーのフィル・ラモーンの手腕はお見事。

フィル・ラモーンはビリー・ジョエルとのタッグで名盤を数多く制作した名プロデューサー。

ビリーのヒット曲「マイライフ」ではコーラスでピーター&ドニーが参加しています(一聴したらすぐにわかるよ!)

またフィルの繋がりでこの通称「12」アルバムではビージーズが、お返しにシカゴ・ホーンセクションもビージーズのアルバムにゲスト参加しています。

他にもフィルがプロデュースした故カレン・カーペンターのソロ・アルバムにもピーターが参加、

日本の女性アイドル歌手(!!)のこれまたフイルがプロデュースしたアルバムにもシカゴのメンバーが参加しています。

その後シカゴのメンバーのソロアルバムやクリスマスアルバムでもフィルはいい仕事をしています。

しかし、シカゴはこのアルバム「ホットストリート」後、徐々に失速する事になるのです…( i _ i )

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