「それではここでスペシャルゲストをお迎えしたいと思います。
皆さん、盛大なる拍手をよろしく!!・・・リエちゃん!!」
当然拍手喝采だ!!!妖艶なるルックス、ファッショナブルなドレスとインパクトは絶大。
彼女がSTAで歌うのは去年11月ピグスティ以来の2度目なんだね。
彼女も今回は2回きりのスタジオリハだった。
でも昔取った杵柄とばかり持参してきたマイ・マイクにケーブルを差し替えて、中央フロントへとゆっくり歩み寄る。
「アキちゃんが率いる先ほどのマ・シェリで素晴らしい歌声を聞かせてくれたけど、STAでも目いっぱい期待していいよ。
これまでの濃厚シーンから気分転換・・・・次の曲でちょっと熱冷ましをしたいと思います・・・・知っているかな?
セクシー部門担当のリエちゃんがここで心を込めてしっとりと歌いあげます。
シカゴ初の全米1位に輝いた珠玉の金字塔。
STA唯一のバラード。邦題は・・・愛ある別れ・・・・・原題はイフ・ユー・リーブ・ミー・ナウ(一昨年の12月13日、日曜日小樽お気楽ライブ運河プラザ以来だ。STAはE♭キーの故ジョン・オバニオン・バージョンでずっと演奏してきたのですが、リエちゃんはピーター・セテラのキーでスマートにさらっとこなしてくれました。
しかも、とびっきりにエモーショナルな歌声でね!
やっぱり元キーでなきゃあね。
伝わるものが全然違う。)」
メンバー達も即座に曲の本質を理解してくれて(相当に大変だったと思うよ)、本番では美しい成果を遂げていました。
ニシやんは以前、入魂のボンゴ・シーンで貢献していたけど、この日はナチュラルなギタープレイヤー。
スタジオリハ時では多角的に、いくつものコードを提示してくれて数段も曲のレベルがアップした。
「それいい!エロっぽい!」と、皆から微妙にみょうちくりんな賛辞を与えられていたし(笑)
本人は「世界一コードを知らないギタリスト」と自負していたけれども、いやはやなんともどうしてどうして。
ライブ当日にも「未練がましくこんなギターを考えてみました」とSTAラインに早朝から音源をポロロ~ンと流してもくれました。
マサも感銘を受けた次第。
そして、もちろんヤスも大人の魅力で渋い佇まい。
ヤスのワイヤーブラシが、程好いアクセントを生み出している。
さらには今回ホーンセクション達の連携で、いつもとはまた違った神秘的な音作りに挑戦してみました。
全体を覆うように見事なまでのホーンアンサンブルが、叙情的なタッチで采配をふるう。
特にトランペットコンビが、共にここでフリューゲルホーンを構えて厳かに吹き込む姿には感銘を受けるほど(ベル部分に挟んだ専用マイクの差し替えが必要だけど)。
和音の構成音というファンタジックな特性が一番発揮された曲なんでしょうね。奥が深い…とひたすら勉強になった。
控えめに体をくねらせながらのホーンセクションが、思い切り咽び泣いて盛り立てる。
特にカタボウのアルトサックスが、刺激的な色合いでムード倍増。
煌びやかなる壮大なオーケストレーション・パートがストーリー映像を描きあげるのですが、現在の編成上、歌詞から練り上げた構想を西やんは、それまでの彼とは一線を画するメリハリあるプレイに織り込んで没頭しています。
足元に設置してあるエフェクターのスイッチを踏み込んで深めなディレイ&リバーヴを加えたサウンドのソロも、マサのアドヴァイスで1オクターブ上げて、より曲のツボを引き出すことに大貢献。
グッと抑え気味の西やんは、アルペジオとさりげないハーモニックス効果でジックリと持ち味を発揮。
幻想的な異空間に浮かび上がるSTAの面々。
よりドラマティックなる効果を狙い、サスティーン音色を膨らませての装飾。
中間部でのバッキングによるコード進行もバッチリと体得したから、水を得た魚のようにノビノビと演出しています。
やるもんだねえ。
八面六臂の大活躍。
さすがシカゴ・ミュージックのノウハウを究極に熟知している猛者達だけのことはある。
繊細なる刻みも味わい深い。何も言う事なし。文句の付けようもない。
リエちゃんもサビのコーラス部分で「こうかなあ??・・・」とか、何度も探りを入れてみたりして繰り返しダメ出しを言い続けた。
一番時間かけて、てこずっただけあって完成度もすこぶる高い(シカゴの歌は難しい・・・との弁)。
これは堂々と自信を持って言えること。
それでもマイクを手に、とろけるような哀愁に満ち溢れた甘いボーカルで言葉に表せないほど切ないくらいの感情移入。
ハードからAOR、ソウル系からミディアム・ナンバーにいたるまで何でもこいの頼りになるスーパーレディ。
さすがアキちゃんやマサが絶賛、太鼓判を押して惚れこんだシンガーだけはあるね。
リエちゃん、どうだい?気持ちよく歌えたかな?
マサによる絶妙なるハーモニーも後押しして、いい味を出している。
そして最大の功労者はアキちゃん。
何か月も前から多角的に検証を重ねてこの曲に関しては仕上げてきた。
より原曲の魅力を損なうことなくいかにして壮大なサウンドを響かせられるか。
そりゃあ、涙ぐましい時間と体力を浪費していた。
本来ならば去年の夏に努力が実を結ぶはずだったのに諸事情によりお流れ・・・。
絶望的だったところにリエちゃんが現れてあれよあれよという間に11月に実現の運びとなったのさ。
ご両人は運命の結びつきから、音楽の女神と意気投合したようだね。
そして今回、益々磨きがかかっていたのは火を見るよりも明らかだ。
STAメンバーはもとより、観客、対バンからも「ブラボー!」と称賛されていた。
「ウ~~、ママ・・・・♬」
エンディングでのメンバー一丸となっての連結プレイは、芸術の域に到達しちゃいそうなくらいに練りこんだもんね。
「こんな感じで僅かな残り時間は、迫力のスタンダード街道を突っ走りながら頑張っていきたいと思いますので、最後までお付き合いのほどよろしくお願いします。」
(ペットボトルの水を一飲み)
タイトでグルーヴィーなヤスによるドラムのイントロからスティーヴィー・ワンダーの「迷信」
テンポもアタック感も絶品だ。
1972年アルバム「トーキング・ブック」に収録。全米シングルチャートにおいて1位を記録。4分26秒(STAでは2番の歌詞をカット)
これはミキティが熱狂的に好きだというステイーヴィー・ワンダーをマサが久しぶりに採用。
熱烈的なリクエストに応えたという感じさ。
この日、唯一ブラスロックではないファンキーでソウルフルなナンバー。
STA 内でも、いつライブで取り上げたのか思い出せないほどだ。
(2020年9月13日の小樽・浅草橋以来)
といってもマサとヤス、ファニーしかここでは体験者はいないのだけど・・・・。
(ファニーは今でも古いレパートリーのブラススコアのミス箇所や改訂を施して清書してくれる頼もしき相棒です。
そのファニーもこの曲は10年前くらいに演奏したきりだからほとんど記憶にないとのこと((´∀`*))。
STAの長い歴史を感じさせるエピソードだ。
そのライブ時にはギターやキーボードが延々と調子っぱずれなメインリフを延々と奏で続け、会場中、不協和音が渦巻いて具合が悪くなったので、懲りちゃって封印していたという曰くつきの曲。
ただし、近年でも主役のキーボードが不在の時には、マサのアイディアで西やんが そのパートを担当。
BB&Aやスティービー・レイヴォーンもギターでレコーデイングしているからそれもありさ・・・・なあんて強がったりしてね。)
まあ、もうメンバー一新したから晴れての解禁だ。
良かったね。
よりロック色が濃厚になってライブ映えするね。
おかげさまで今までのSTAテイク中、最高にR&B臭がプンプン。
だって念願のクラヴィネットが轟き渡った瞬間だからさ。
これが夢に見るほどに、ずっと欲しかったのさ。
アキ嬢の真骨頂。
今回のライブはこれに賭けていたと言いいきってもまんざら嘘ではないでしょう。
超絶技巧のフレーズ。
これにほとんどのキーボーダーが挫折しては消えていくのだ・・・・。
あの感覚が難しくて、中々出せないらしい。
でもアキ嬢は立派に務め上げていたよ。
かたぼうも、それには脱帽・・・・((´∀`*))
特筆すべき点はマサとリエちゃんが交互にリードボーカルを分け合ったということ。
リードヴォーカル・メンバー不足を、こうやって苦肉の策。
こういうことをマサはちょくちょくと採用するのだ。
リエちゃんは洋楽の英語がけっこう苦手。
そこでタブレット歌詞ボードにおこしてきて、必死に覚えてきたのだそうだ。
涙なくしては語れない涙ぐましき努力は無事にクリア。
別名「本番に強いレディ」と呼ばれているのさ(笑)。
事細かに考えてきたんだね~~!
アップテンポに跳ね上がるアクセントが特徴のこの曲によって一瞬で会場はクラブと化す。
観客、各々にステップを踏んで自由気ままに振り付けに興じているよ。
ちなみにこの日はもともとわかってはいたんだけど、ベリー・ジャムがライブのレパートリーとしてこの曲を取り上げていなかったのですよ。
(ステージ上からマサが思わずチエミさんに、そのことを聞いちゃったさ)
でもオリジナル音源同様にホーンセクションを導入していたのはSTAの強み。
Y プロのソーメイ氏も以前に「完璧」と太鼓判を押してくれました。
心強い存在だ。
アベンジャーズのミノリーくんも「圧巻のパフォーマンス!」とフェイスブックに書き込んでくれたりしたさ。
この辺に辿り着いた頃にはホーン隊も体が温まってきたのか肩の力も抜けてリラックスモード。
ステージに上がる前には程よく過ごしやすそうだったのに、この頃にはすでに汗みどろで暑い・・・・全員がそう言ってた。
息も絶え絶え・・・・。
それこそライブの真骨頂。
そうでなければ単なる手抜きの骨抜きライブだ。
「YEAH!残すところ、2曲となりました・・・・・」
「ええええ!!???~」「(不敵な笑みを浮かべつつも)
****さあ、いよいよ終盤に差し掛かってきた。
泣いても笑っても、もちろん怒涛のブラスロック攻撃でとどめを刺す!!****