マサによるMC
「ありがとうございます。
YEAH!!
(目前に佇むミサトちゃんにアイコンタクトする)」
マサの一言一言に頷いてくれている人もいた。
わかってくれているんだね。
両手を高々とあげ、全身全霊を込めて大歓迎のジェスチャーを掲示しながら拳で合流。
「時間はまだまだたっぷりとあるので、せっかくだから、ひじょうにマニアックなものをお送りしたいと思います。
STAでは普段、滅多に取り上げないんだけど、伝説のバンド、クリームの曲をお送りしたいと思います。
全然ブラスロックではないんだけど、以外にもこれ受けがいいんだよね・・・・の(去年10月1日の土曜日、室蘭ライブハウスでプレイして以来だ)
STAは基本的にアメリカン・ロックを中心にお送りしていますが、これはブリティッシュなやつ。
(案の定、色めきだってきたオーディエンス)ヘヴィーメタルの元祖。
デビュー前のシカゴや初期の頃のBS&Tもレパートリーで取り上げていた金字塔。
クリームからご機嫌なサイケデリックの一撃・・・・・・といえば皆、知っているよね。
いきます・・・・ネクスト・ナンバー・・・・・・サンシャイン・オブ・ユア・ラブ!!(エディット・バージョン。)!!」
とびっきりの秘密兵器は、こういう時のために控えていた。
この曲を全く演奏したことのないSTAメンバーもいる中、正真正銘のテンションマックスの本番。
震えがくるほどに緊迫する。
まあ、なるようになるって。
図太さにかけては超一流。
やったもの勝ちさ。
焦らしに焦らしまくったかのような、あのリフを空間突き破るがごとく、伝家の宝刀ともいえるファズ・エフェクターで応戦。
しかし、その直後にリズム隊がメガトン級ユニゾンの塊となって猛追撃。
結局は、極上のハードロックに豹変。
照明もそれに応じるかのごとく、灼熱の点滅を繰り返す。
タイバン達も最早いても立ってもいられない、といった様子での参戦だ。
好き者にとっては極め付けとばかりに、血液逆流しそうな炎のナンバー。
文句のつけようもないくらいに、ヒップなアタック感で熱狂。
西やんは長年敬愛してやまないエリック・クラプトン師匠のソロにおけるセルフカヴァー・テイクをこの曲の参考にしているらしく、本来の野暮ったさをできうる限り排除して、よりモダンな味付けを器用に施してきました。
試行錯誤の結果、使用ギターとエフェクター類が最近ほぼ決定したそうです。
(マサもそのライブ動画を見せてもらってから、一時相当にはまってしまいました。オリジナルを凌駕する勢いに圧倒されちゃったもん。)
クラプトンはもとよりジミヘン、レイヴォーンなどなどを融合して散りばめたアドリブをほどよき刺激発散とともにバシバシと連発。
ウーマントーン、プリングオフなどなど、荒々しく持ちうる限りの天才的テクニックを、トリッキーに交えて惜しげもなく注ぎ込みます。
実は、コアなジャンル好きのタイバンの一部メンバーらから、歓迎のエールが密かに飛んできていました。
あんたも好きね!と思わず言っちゃいそうなくらい。
モッチンはずっと、ジンジャー・ベイカー直伝アフリカン・ドラムではなく、独自の解釈による現代的な味付けを盛り込むオリアンティ・バージョンで鮮烈に対抗してきたのですが、この日は特別で4年前の年末に亡くなったジンジャーへ敬意を表して忠実なるオリジナル・ドラミング。
今現在もヒコちゃん率いる「ソフト・クリーム」で、しょっちゅう実演済みだからお手のモノ。
マサは、憧れのジャック・ブルース役になりきっています。
最前列の観客を指差し、ベース本体突き出して挑みかかる。
ブラスのアレンジはコロシアムのテイクを拝借してきて歴代S・T・Aホーン・メンバーらが、ライブのたびに手直しを加えていったという裏話があります。
まあ、この辺に至っては、ほぼリラックスしながら望めるというもの。
スタミナ温存ソングという色合いなのだ。
続々と観客達もより間近で目撃しようと、食い入るように詰め寄ってきます。
突き刺すような視線が痛いほどに伝わってくる。
異常なほどの溶け込み具合で昇華。
マサのリードボーカルにモッチンがコーラスで応戦。(実は最後の数行の歌詞からマサは一節を飛ばしてしまった・・・・ほとんどの人たちは気付かなかったと思うけどね・・・マサはモッチンの方を見ながら苦笑い。
エンディングでは全員が一丸となってノイジーに爆走しながら加速しつつも、徐々にスピードダウン。
マサがジャンプしながらのフィニッシュで一瞬の静寂。
万雷の拍手が鳴りやみません・・・・・・なんという夢心地な空間であろうか。
いい汗かいたね。
なんとかかんとか無事に終えることができました
十分に満足してもらえたかな!!??
・・・・・YES I CAN!!
残響音が不気味に轟き渡る中での、メドレー攻勢。
・・・・・天才少年と謳われたスティーブ・ウンウッドの作品で、スペンサー・ディビス・グループの代表曲。
シカゴはじめ数多くのバンドもカヴァーしているアップテンポ・タイプの異色ロックンロールでギミ・サム・ラヴィン(エディット・バージョンで。
これは去年の9月4日、日曜日の石狩の・樽川神社祭り屋外ライブ以来のプレイ)。
この曲はスタジオで演奏するたびに西やんが「なるほど・・・」と呟いていたという逸話あり(笑)。
モッチンによる重戦車のごとき爆音フィルに乗って、4小節目からいきなり導入部分をギター&ベースがごり押しタイプのリフで飾る。
ドラム入り口での小節数&リズム・アクセントに、他のアンサンブルは涼しい顔をして何処吹く風の対応。
恐るべき、ふてぶてしきS・T・Aのメンバー達よ。
ありがたいことに、観客達からは「イエー!」のエールがかえってきた。
これはこれで、ライブならではの醍醐味さ。
しかし、やはり「ステージには魔物が潜んでいる伝説」は本当だった・・・・・。
ここは、奢り高ぶりなどのない、ひたすらに謙虚な姿勢が大事。
クセモノ集団、ヨッシャア!
単純明快にタイトでストレートなノリが売り。
マサも大好きな曲だけに、思い入れもひとしおのご様子。
な、な、なんとアベンジャーズのパワフル・シンガー、ジョンが大声援を送り続けてくれた。
それだけでも狂喜乱舞状態なのに、更に奥様の手を取って客席の中央でノリノリにダンスをはじめた。
さすがワイルドなアメリカンだ。
モッチンのグルービーなスティック・ワークによる怒涛の攻勢が、華やかすぎる!!
マサから「遠慮なくド派手にぶちかましてね」と懇願されただけに、賑やかにフロアタム中心で彩を添える姿が神々しい。
正にモッチンの真骨頂コーナーだ!
彼のSTAに対する浸透と今後の成長、貢献度には期待大。
西やんも、中間部のシンコペーションに対する疑問を呈してきたっけね。
最初マサが「全部シンコペーションでいいんでないかい!」と言ったんだけど、スタジオでちょうどメンバーが音源を流していたから、聞き耳を立ててみた・・・。
なんとシンコペーションは半分だったさあ。
これでD&B&Gの3人は苦笑いしながらも解決。
こんな些細なパートにも、膝突き合わせて話し合いの精神が必要なんだよん。
引き続きモッチンの正確無比な前ノリアクセントにのる「ヘイ!」の掛け声では、メンバー全員が元気一杯に拳を高々と突き上げるポーズ。
この一体感も申し分なき快感。
マサ&メンバー一同は喉も張り裂けんばかりに叫び続けながらも、四六時中ジャンプ、キックをそこいら中にぶちかます(麗しのミサトちゃんからは「マサさんの脚力には感服いたしました…」とお褒めの言葉を頂戴いたしました!!大丈夫さ。
怪我防止のために、ちゃんと前もってストレッチは済ませているからね)。
ホーン隊も右手を掲げて、更なる抑揚感を華やかに型造る。
これは事前にマサが打ち合わせしたとおりだ。
心底頼りになる、連中だね。
まさにいつでも臨機応変に対処してくれる存在だ。
マサはモッチンのところまで駈けていってバスドラムに左足を乗せ、半身状態構えのまま2番の歌唱に突入(衝撃でミニ・シンバルのスタンドが傾いてしまった・・・・)。
横一直線体勢に居並ぶ、勇ましきフロントマン達の雄々しきことといったら、それはもう、たまりませんよ。
エンディングでは突然ストップして、一致団結「ヘイ!!」の余韻を残したままでフィニッシュ。
補足ながら、ライブ後、ジョンはマサの元にやってきてニコニコ笑顔で「ユーはリトル・スティーヴィー・ウインウッドだ!」と絶賛。
国境なんて軽く超越してのナイスなコミュニケ―ション。
やっぱりロックは最高だぜ!!
****まだまだ果てしなき怒涛のライブ攻勢は続くのだ・・・さあ、残りは泣いても笑っても2曲のみ。
もちろん、お約束の2連発で息の根を止める所存だ。
覚悟はいいかな!!
ARE YOU READY!!??****
マサによるMC
「ありがとうございます。
YEAH!!
ここでメンバー紹介をしたいと思います」
一人一人を指刺し、愛情とリスペクト精神をたっぷり込めて、ジックリと懇切丁寧に紹介。
上手最前列に佇んでいた熱狂的な司会者のミナミくんが、おもむろに歩いていきアッキーの紹介時に思いっきりキーボードの真正面
「可愛い!!」と絶叫。
また一人、男のハートを射抜いたね。
アッキーにかかったらイチコロさ。
罪な美魔女よ・・・・。((´∀`*))
「時間はまだまだたっぷりとあるので、ひじょうにマニアックなものに開き直って突入します。
次の曲は5大ブラスロックの一つで、シカゴの強力なるライバルとも言われた悲劇の一発屋バンド。
ダンサンブル・ビートが大受けしてもてはやされた、アイズ・オブ・マーチで・・・・ヴィークル(STAが長い夜に次いで、最も多くライブで取り上げている曲。
だって文句なしに受けるんだもんなあ)」
これも、「イントロダクション」「サンシャイン・ラブ」「ギミ・サム・ラヴィン」「長い夜」同様のエディット・バージョン。
MCの一言一言に頷いてくれている人もいた。
わかってくれているんだね。
観客席からも、威勢のいい連中がエキサイトしているではないか。
対バンのメンバー達もSTAと共に両手を高々とあげ、全身全霊を込めて大歓迎のジェスチャーを掲示しながら拳で合流。
ジョンは最早いても立ってもいられない、といった様子での参戦だ。
好き者にとっては極め付けとばかりに、血液逆流しそうな炎のナンバー。
文句のつけようもないくらいに、ヒップなアタック感で熱狂。
マサはこの曲、13回目のリード・ボーカル担当。
STAにとっては第1回ライブから取り上げている十八番だけに、まるで自分達のオリジナルソングのように捲くし立てる。
ボーカルがノビノビとしていて優雅で圧巻。
熱唱に次ぐ熱唱という構成。
今回のライブセットリスト構造は、全曲に多彩な仕掛けをぶち込むという強引なまでの強硬システムを導入。
ホーン隊は体を仰け反らせて、渾身の吹き込み。
マサは、ネックをグルグルと上下にひねり回し振り上げる。
後ろへ振り返ったり、お馴染みのパートではドラムセット前にてクルクル。
一時たりともジッとしていません。
その様を逐一冷静に見ながら片手を頭上高く掲げ、客席に向けアピールしているアッキーちゃん。
レディス版エマーソンになる日も近いか!?
手数王モッチンも、シンバルの乱れ打ちで対応。
まるで、千手観音のようだ。
勢いあまってマサの左肩にぶつかったシンバルスタンドが、傾き倒れそうになるも、グイ~ンと元に戻った。
ジェームス・ブラウンのマイクパフォーマンスさながらの状態。
長年ライブをやっていると、予期せぬ突発的なことが起こるというもの。
後日に気付いたんだけど、この曲中マサはベースヘッドをアンプにセットされたマイクにぶつけて床に落としてしまったのさ。
丁重なる謝罪をしたら許してくれたよ。
本当に申し訳ない・・・・。
それはともかく、時折モッチンとマサが向き合っての相乗効果を煽りあう、火花散るインター・プレイも微笑ましい。
マサが「ギター!!」とシャウトしながら、ギターソロへと橋渡し。
70年代初期を反映したかのように頷きながら呼応する、不敵な西やん渾身のギター・ソロは確実に的を得ているね。
フロントにまで飛び出してきた西やんはこの手の曲でも、的確なるコードワークの度に腕を突き出して盛りたてる。
凄まじき光景。
ギター・リックも伸びやかなるサスティーンも、一際異彩を放ち、ここでも獅子奮迅・・・・といきたいところだったのですが、ここでとんでもない事件が勃発した。
ライブってのは魔物が潜んでいるとしつこいくらいマサが言ってきたが、今回も怪しげに忍び寄ってきたのさ。
モニターに足をぶつけたり、足元のケーブル類が絡みついてきた・・・・!!
「オー・マイ・ゴット!!」
咄嗟に心の奥底で叫んでしまった。
まあ、そこはベテランのなせる技。
最後まで男気を貫いて、難なく乗り切ったよ。
これも一つの糧。
トラブルは、ないにこしたことはないけどね((´∀`*))
グッと渋みを増した、アキ&モッチンのコーラス・ワークもピカイチ。
決めのブレイクタッチ・フレーズでは、メンバーと観客達が何度も大合唱。
続々と詰め掛けてきた観客の中には、プレイ・スタイルを真似ている輩も出現。
エンディングにおける一瞬の空間を突き破るがごとく、目一杯なひねりもきかせて喉を振るわせる、ブルージーなマサ絶叫ソロ・ボーカル・パート。
腰をやや低く落とし気味に構えてもなお、自己陶酔の極み!
このひとことで観客達が「ヒューッ!!」と歓声。
ここでも、カメラマン達が、ベストショットをとらえるべく、左右以外にも前から後ろから舐めるように激写(対バンのお友達も、写真や動画を撮影してくれたよ)。
プレイしている我々でさえも、手前味噌ながら震えがくるほどの高評価を下したくなるほど。
口笛ピューピュー吹きならされる・・・・・・なんという夢心地な空間であろうか。