2013年アメリカ作品。138分
「ハッスル」とは「詐欺」のこと
1970年代、実際にアメリカで起こった政界汚職スキャンダルを題材にユーモアたっぷり、スリリングに映画化したもの。
もちろん出演者のモデルも実在します。
天才詐欺師カップルがFBI捜査官に逮捕されますが、汚職政治家&マフィアを一網打尽にする捜査への協力を条件に無罪放免にするという話を持ちかけられます。
ネタばれしますからこれ以上内容には触れませんが、この手の映画といえば真っ先に思い浮かぶのがポール・ニューマン&ロバート・レッドフォード共演の大傑作「スティング」ですね(音楽も秀逸)。
時代設定は違いますが、このジャンルの醍醐味は最後の瞬間まで大どんでん返しの連続、騙しあい、の快感につきます。一瞬たりとも目が離せないせめぎあい。
さて最後に笑う者は誰か??
主演のクリスチャン・ベールは「バットマン・ダークナイト」でも熱演を繰り広げていましたが、ここでは腹ぼての太っちょ、しかも頭頂部をハゲにして9・1分けのヘアースタイルに徹しています。ロバート・デニーロ顔負けの役作り。あ!デニーロもマフィアのボスとして登場。わずかな出番ですが存在感満点。
クリスチャン・ベールの困った奥さんにジェニファー・ローレンス。見事なセクシーボディを披露しています(彼女もいつの間にか大人の女性に成長していたからビックリ)。
他にもクセモノ役者が大挙出演。パンチパーマにリーゼントヘアーの共演陣。70年代ファッションなど見応え十分ですよ。
数多くの賞にノミネート、受賞もしている痛快爽快ストーリー。
この映画当時から知ってはいましたが、観たことはなかったのです。
春先にノブがスタジオでシカゴの「一体、現実を把握している者はいるだろうか?」をSTAでリハーサル中に(ヴィニーズ用)「この曲、アメリカンハッスルのなかで使われているよ」との情報を提供してくれたのです。
かなりのシカゴファン仲間でもそのことは知らなかったようで、マサはさっそくDVDを購入、鑑賞した次第です。
すると70年代の洋楽有名曲が続々と最初から最後まで画面から流れてくるではありませんか(時代設定が70年代のため)!!
音楽通をも唸らせる、嬉しい一本。
まず序盤にアメリカのデビュー曲「名前のない馬」
引き続きスティーリー・ダンのデビューアルバムから「ダーティー・ワーク」(ドンズバなタイトル)
そして8分が経過した頃、主役のカップル出会いのシーンで「一体、現実を把握している者はいるだろうか?」がけっこう長めに流れます(1番の歌まで)
イントロのピアノ部分は半分に編集されていますがトランペットソロは見事に使われています。
クリスチャン・ベールがエイミー・アダムスのブレスレットにデザインされているデューク・エリントンの写真を発見して大興奮。
「彼は今年,亡くなったのよね・・・」
そこからLPレコードを再生してデューク・エリントン「ジープス・ブルース」を二人で鑑賞するシーンへ(カップル共にエリントン・ファン。シカゴからエリントンに引き継ぐ部分は偶然なのかな?)。
他にもツエッペリン、エルトン・ジョン、ストーンズ、デヴィッド・ボウイ、ELO,トム・ジョーンズ、ドナ・サマー、ポール・マッカートニー&ウィングス、ビージーズなどなどがふんだんに使われています。
エンドロールまでしっかりと曲目をチェックしちゃいました。
残念な事にサウンド・トラック盤にはシカゴは未収録。