2017,7,16(SUN)
さて、マリンフェスタでのライブを終えたバンドの多くは、後片付けを速攻で済ませて一目散に恒例「小樽・浅草橋特設屋外会場」へ移動。
もちろんSTAも一緒ですよ。
3日間にわたって催されるこのイベント。
前日も大盛況だったらしく、俄然皆燃えています。
トータル42バンドの猛者どもが、北海道中からここへ集合。
そのど真ん中がこの16日です。
車で走行中、早くも遠くから爆音が聞こえてきた。
だからこの会場はすぐに見つかるのですよ(笑)。
ステージの後方が駐車場。
そして楽屋テントや飲食用店舗も用意されています。
ミキシングルームでは音響チーフのミワ君が、スタッフのカザマくんに的確なる指示を与えてライブ進行中。
サイトウ氏&テズくん&クドウさん&ニシヤンらパーティーズの面々も会場周辺で業務遂行。
今年の司会担当も前半がヤチヨ嬢、後半の部はシンちゃんが受け持っています。
ステージに設置されているドラムセットはワインレッドのパール&ヤマハ&ジルジャンなどをミックスしたフランケン仕様。
ベースアンプは信頼性、耐久性共に安心のハートキー。ギターアンプは人気のロングセラーブランド、マーシャルとローランドJC。
あれ!?会場のスペースが今年はグッとコンパクトになっている・・・。まあ、この天候から考慮すれば、ほど良い空間ではないでしょうか。
観客とステージの距離がこのくらいのほうがシックリくるし。
それでも先ほどまでのマリンフェスタ会場から比較すると遥かに広大。
マサも到着錚々、うろついていると名物ダンサーのアベさんが手を振ってくれました。おお!めちゃ派手な手作りブルーの山高帽にキラキラ赤ベルトを結び付けている。これ、お友達の女性からプレゼントされたのだそうですよ。スニーカーもレッドね。いよっ!人気者!!
御大ケニーさんは、わざわざ完成して間もない名刺を届けてくれました。
ラズベリーのベーシスト、キラーちゃんもニコヤカに参上!
景気のいいサウンドをステージから響かせているのは、先ほどのマリンでも同じ舞台を踏んでいたバンド達。
声援をステージ後方から盛大に送りましたよ。
この日は18バンドと一番出演数が多いのです。
午前11時開演予定が、やはり雨のために屋根設置などで50分ほど遅らせたのだとか・・・。
でもこの時点では、けっこう頑張ってズレも縮まっていたけど。
ちょうどナマちゃんはドラマーとして6バンド目を終えようとしているところ。本当にバイタリティ溢れるナイスガイだね。
ではここまでのタイムテーブルをば・・・・。
1、
11:00~1:20
FOREVER(ロックンロール)倶知安から初出演
2、
11:30~11:55
朝比奈ジュリとザ・レトロンズ(昭和40年代歌謡)札幌から初出演
3、
12:05~12:30
BERRY JAM(洋楽中心アラカルト)札幌から初出演
4、
12:40~13:05
杉ちゃんバンド(オールディズ・ムード歌謡など)札幌から初出演
5、
13:15~14:40
SKYWALK(フォークロック)札幌から4年連続4回目
6、13:50~14:15
THE MATY(洋楽ロック)旭川から初出演
7、
14:25~14:45
PERFECT HAPPINESS(J-POPS)旭川から初出演
まさにパーフェクトな女性シンガーを要するバンド。
このバンドのベーシストはプロの方なのだそうです(G&L使用)。なんとシュウヤとも演奏したことがあるのだそう。
全てをべースのみで録音したCDも1000円で発売中とのこと。
そしてギターの方は、マリンの豪雨でエフェクターが水没してしまい、壊れてしまったとのこと・・・・。
8、
14:55~15:15
アパッチ(ヴェンチャーズ)旭川から5年連続7回目
というわけで、6・7・8番目は旭川からのマリン組でドラマーはタフガイ・ナマちゃん。
曲目は同じでも幾分並びを変えたのだそうですよ。
その辺は色々な要素を考慮してのコダワリでしょうね。さすがです。所変われば品変わる!ですね。
さて、ちょうど中間部に差し掛かったところに登場は・・・・・
9、
15:25~15:50
EGOISM-WRAPPIN'(JAZZ ROCK)札幌から2年連続の2回目
まったくマリンと同じセット・リストなので、参考までにそちらのライブ・レポートに多少手を加えてここに添付させていただきますね。
浅草橋ライブイベントも、佳境に差し掛かってきた!
そういう意味でも、うってつけの味わい深いバンドが現れました!
バンド名からもわかるとおり、エゴ・ラッピンのカヴァーバンドです。
といってもそんじょそこいらにいるバンド達とは比べ物にならないほど、本家に負けないくらいの勢いでかっ飛ばしてくれること、絶対にお約束しますよ!
エゴ・ラッピン同様に6人編成なのですが、こちらはトロンボーンのSTAタクがスケジュールの都合がつかず。でもなんとトランペットのクニが合流して、更なるグレードアップでライブに望みます。
どの顔も見慣れた連中ばかり。
まずは管楽器のお二方、STAからジュン(AS)&クニ(TP)。
職人ドラマーのマルさん、AXIAの超絶技巧ギタリスト・クルさん(サンバースト・カラーのYAMAHAのSG/YG-2000)、ナイスガイのギタリスト・テッチャンはなんとベース担当!(元々彼はベーシストでもあるのですよ。器用な奴だ!フェンダーUSAビンテージ・ジャズベース3トーンサンバースト使用。だけどもネックはノーブランドのモノにチェンジ。これがまた奥行きのある重低音を醸しだしていて説得力満点。ROSE指板)。
そして艶やかにあらわれたのが我等がスバル姫です。
妖艶なるドレスを身にまとって颯爽とステージへ。ファッションリーダーとしての面目躍如。
左サイドの髪を刈り上げ豊満なる胸元も露に。去年は着物姿が艶やかで男性陣の目を釘付けにしたものですが、今年はガラッと趣向を変えているものの結局は大サービスで「ご馳走さま!」です(笑)。
お色気タップリなオーラを発散していて、ガンガンに観客を煽り一瞬で皆を虜にしてしまいましたよ。さすがです。ジッと見とれている男性もチラホラ。
創作アーティストの肩書きを持つ彼女らしく、凝った衣装とダンシング・ステージングで観客を魅了していました。
このバンドは札幌のバンドにも関わらず、小樽ライブにとても縁があります。
「BIG NOISE FROM WINNETKA~黒アリのマーチングバンド」で幕開け。
1930年代に一世を風靡したスウィング・ミュージックの空気感を、ミュートトランペットとアルトサックスとのコンビネーションで巧みに演出。昭和初期のレトロサウンドをフレッシュに再現。
「懐かしい!」の声が聞こえてきた。
ね!やはりこやつら只者ではないでしょう。幾重にもひねりの効いた芸術品を鑑賞しているようなもの。
エゴラッピンはご存知のとおり複雑な曲展開で有名な最強を誇るライブバンドです。その楽曲陣を涼しい顔してノリノリにこなしていくこのバンド。それらを一手に束ねて歌いこなすスバルちゃんはたいしたもの。
テッチャンの的確なるフィンガー・ピッキング(ジャズベースは敬愛するジャコ・パストリアスとジョン・ポール・ジョーンズにちなんでいます)がリムショットのマルさんによって叩き出されるビートに溶け込んでうねっていますね。
低音から高音に至るまで幅広い声量で歌いこなすスバル嬢。
知性漲るクルさんのカッティング。
「皆さん、ありがとうございます!私達エゴイズム・ラッピンと申します!次の曲は皆さんよくご存知の異邦人(久保田早紀)」
音に引き寄せられるようにアベさんはじめ、観客達が続々とステージ前方(ダンスフロア)に、集まり出してきました。
イントロのトランペットによる旋律に戦慄!アルト・サックスも追随。
全曲がエゴラッピンからのレパートリーなのですが、エゴがカバーしたマニアックなところを引っ張り出してくるところなんかとってもなかなかに一筋縄ではいかないひねりの効いた今日この頃のエゴイズムであります。
策士スバル嬢の新生面を垣間見せられたよう。
「皆さん、飲んでますか!?イエイ!さっきまで土砂降りだったのに太陽が射してきました!これも皆さんのおかげです。ありがとうございます!じゃあ雨は上がったんだけど、次は雨の曲です・・・・・雨のDUBISMをお送りします」
昼までの悪天候がウソみたいに暑くなってきたよ。もうこうなったらプレイヤー全員完全燃焼するしかないね!
ジャジーなテンポでアダルトな個性派集団でもあるエゴ・ラッピンの音楽性に柔軟に対応している腕前は快感。素晴らしい。絶賛に値します。
連日多種多様なるジャンルにまたがってミュージック・ライフを満喫しているメンバー達ですから、それも頷けますがね。
気だるき退廃的ムード漂うステージングに拍手喝采。
無意識に反応して、全身でリズムをとっている人やウチワで涼んでいる人もいます。
けっこうプログレッシブに、一気に駆け抜けていくのですが皆さん、冴え渡っていますね。
マルさんはドラムセットを1タム仕様に組みかえ、スティックをさばいています。
クルさんの決して妥協を許さない完璧なる音つくりの秘密は、足元にそっと忍ばせているマルチ・エフェクターを駆使しての技あり攻撃。これ絶対に企業秘密です(楽屋でもしきりに自分の音はどのように出ていたのか、他のバンドマン達に尋ねていましたよ。研究熱心だよね。もちろんパーフェクトでありまする)。
「MIDNIGHT DEJAVE」
気合の入ったコアなセットリスト。なんせ久し振りのライブだから内容一新。
絶対に安心印の思い切りタメが効いたマルさんドラム・フィルから、ブルージーにジュン十八番のアルト・サックスが熱く咽び泣く・・・・。
クニのクラベス熟練の技。スバル嬢も鈴を揺らして音のアートに参画。ベースソロでラインを描くテッチャンはじめ、メンバー全員が一つの目標めがけて心底楽しんでいる様子。
益々入り組んだ曲構成に通常の人ならば舌を巻くのでしょうが、ひたすら巧みにこの5人組は聞かせる、見せるを信条に貫いています。
コダワリの昭和歌謡テイスト満載の上に、海風が爽やかで気持ちいい。
「皆さん、一緒に歌ってください!色彩のブルース !!」
スバルちゃんは渾身の思いを込め、体をくねらせつつの歌唱。
クルさん太鼓判の鉄壁リズム・セクション。テッチャンは潮風でスコアが何度もはためき、はた迷惑な表情(笑)。
テッチャンはセンス良き真面目な性格が如実に反映されていて、心地よいグルーブが次から次へ飛び出してご機嫌。
イヨッ!ミスター・ベースマン!!
飛び切りへヴィーなお祭りソング「くちばしにチェリー」の頃には、かなり日差しも強烈になってきましたよ!
心晴れ晴れでウキウキしてきた。
エゴイズム・ラッピンがモヤモヤしていた雨雲をぶっ飛ばしてくれたんだよ!!
そのメンバー達は汗まみれの大熱演。でもクルさんはクールに歯切れの良いギターソロを弾き出す。
アルトサックスとベースによるドラマティックなソロ。
感情移入したスバル嬢は観客を悩ましげに指差しつつ、しゃがみこんで訴えかける渾身のパフォーマンス。
エキサイトした観客がホイッスルを吹き鳴らす。
トランペット・ソロからバトンタッチした、ポーカーフェイスのギタリスト・クルさんが紡ぎだすフレーズの1音1音は説得力に満ち満ちています。
歌姫スバルを上手にフューチャーするバックの男性陣。彼女のカラーを嫌味なく溶けこませています。
しかし、難解極まりなく込み入った曲の場面構成は、いつ聞いてもスリリングでエネルギッシュかつ勉強になります。
「エゴイズム・ラッピンでした!ありがとうございました!!」
握手を求めてくる客もいます。ステージと観客との一体感が美しい。
先ほどまでの空模様とは打って変わって青空が広がってきた!
冷たいビールやおつまみもはかどるね。
テッチャンは、ライブ後は黒いレッド・ツエッペリンTシャツにお着替え。
クニとジュンはこの後に、STAのステージが控えているよ。
・・・とまあ、こんな感じ。臨場感を少しはお伝えできたかな?
ライブ後には楽屋や会場後方でマサとクルさんはプチ座談会を開催。互いのリッチー・ブラックモア、ジェフ・ベック、野呂一生、カシオペアなどについて熱く討論。リズムセクションやバンドに対する考えなどもやりとり。
イスの上に大切そうに置かれていたクルさんの愛器「ヤマハYG-2000」の芸術的フォルムにはしばし見とれてしまいましたよ。
事細かなパーツ類まで説明してくれたクルさん。このギターって相当前に発売されたものなんだけど、とても状態が良好なのにもビックリさぞかし丁寧に扱ってきたのでしょう。繊細でウォームな音が聞こえてきそうなルックスでした。
「いつものギターは持ってこなかったの?」と聞いたら「あれはカシオペアのAXIA用!」だとのこと。
そうなのですよ!次の日5バンド目にそのクルさん率いるAXIAが復活なのです。
メンバーも一新して活動再開!!
11、
16:40~17:05
AGE -OLD-STARS(ロック ポップス)千歳と恵庭と苫小牧からの6人組み集合体。
STAと同じく、8年連続8回目を数えます。
黒のロングブーツを履いたスレンダーな女性ヴォーカルを前面にドラマー、そしてツインギター(赤ボディのストラトキャスター。メイプル指板&3トーンサンバーストのこちらもストラトキャスター。メイプル指板)。
ベースはオレンジカラーが鮮やかなジャズベースを使用。メイプル指板。でもペグはグローバーに交換してあります。ニヤリ!
とってもグルーヴィーなサウンドを醸しだしていたのでマサとテッチャンがメーカー名を聞いてみたところバッカスと判明!弘法は筆を選ばずを証明してくれたね。キーボードは2段構えのコルグでプレイ(このキーボーディストの方はSTAのライブ中にもマサのステージすぐ下にまできてライブを堪能していただきました。特に「サタディ・イン・ザ・パーク最高!!」と笑顔で叫んでくれましたよ)。
1曲目、グローバー・ワシントンJRといえばこれに尽きます「ジャスト・ザ・ツー・オブ・アス」
大都会の摩天楼を彷彿とさせるこの曲で、はじまるなんて琴線がいくつあっても足りないほどです。
シュウヤはノンアルコール・ビールを片手に闊歩しています。
おお!ゴールドストーンの親方、ツダくんも駆けつけてくれましたよ。
「これからは大人っぽい曲をやります・・・・クリームでホワイト・ルーム!」
ウーマン・トーンの音色まで忠実に再現。気分はサイケデリック・フラワー・ムーブメントの時代へ一気にワープ。
しかし、ここのギタリスト御両人はコンビネーションがバッチリとはまっていますね。
3曲目、ベースによる重低音のイントロ・リフがはじまったんだけど、私はクリームの流れで絶対に「バッジ」だと思い込んでいました。
ところがあれれれ・・・・ちょっと違うなあ・・・??
これはスーパーフライの「マニフェスト」でした。
納得。すかさずうなずいちゃった。
「ピッキーン!」とピッキング・ハーモニクスが耳に突き刺さってきて絶妙な構築美。
「早いもので残り2曲です。クワタ・バンドで・・・スキップ・ビート!」
腰を振りながらの挑発ヴォーカル。
決して「スケベ!スケベ!」と歌ってはいけません(笑)
明らかにクワタ本人は確信犯的にそう歌っていますがね。
メンバー紹介後「今日は晴れてくれて本当に嬉しいです。最後の曲・・・米米クラブで・・・・シェイク・ヒップ!」
シェイク・シェイク!で踊り狂っている人々。凄まじき情景。
涼しい風が吹いてきた。
散歩がてらに会場へ寄ったのか犬同伴の人もいますよ。
司会のヤチヨ嬢がマイク片手にステージヘ
「飲んでいますか!?ここでこのライブイベントのスポンサーを紹介させていただきます!」と膨大な資料を読み上げます。
それにしても、ものすごい数の協賛ですね。
2名の「小樽ミス潮」が着物姿で、イベント告知のためにやってきて華を添えてくれましたよ。
このライブ・レポートのために各バンドの方々もご協力に感謝します。
これをキッカケにお友達になった人もたくさんいます。
BGM[レッツ・グルーヴ(EW&F)」
12、
17:15~17:40
女神(JOSHIN)
ジャンルはロック。札幌からの初出演バンド。
6人組ですが男性3人、女性3人という編成。
演奏する楽曲は全てアン・ルイスで網羅。
だからバンド名も彼女の曲名なのですよ。
サウンドの方はジャパニーズ・ハードロック歌謡というジャンルにくくられるのではないでしょうか。1曲目「ハニー・ドリッパー」からして、ひじょうにパワフルで清々しいほどに突き抜け感が申し分ない。
全員の衣装がほとんど黒で統一されていて、これはイメージ・カラーなのかな?
しかも金髪や茶髪、銀髪などのウィッグまで装着。
なかには筋金入りのロングヘアー・ミュージシャンも在籍していますよ。
一瞬ディープ・パプルの「ハイウェイ・スター」かと思ったのは2曲目「ラ・セゾン」でした(笑)。
ツインギターなので、迫力も倍増。
黒いストラトキャスター(メイプル指板)&ゴールド・トップのレスポール。
シングルとハムバッキングP・Uの特徴を極限にまで生かしていますよ。
3曲目「ウーマン」
男顔負けなストロング・ヴォイスで観客を指差しながら、シャウトするクレムリンの女神様。
「皆さんこんにちは!ありがとうございます!!ジョシンと申します。次の曲は・・・ああ、無情!!」
更なるドスのきいたヴォーカルに絡むギター。
ああ!??レスポールの弦が切れちゃった。一旦、楽屋に戻って対処するもそのままライブは続行。
ぶら下がったままの弦がキラキラと煌いている・・・。
「最後の曲です・・・六本木心中!」
青空のもと、爽やかな風が吹いて穏やかな会場中を優雅にカモメ達が舞っています。
キーボードのユウコリン(ローランド使用)が劇的な鍵盤プレイで牽引。
途中から気づいたのですが、長身でロングヘアを振り乱しながらトミー・リーばりのかっこいいアクションでドラムを叩いていたのは女性。ショーヤか、はたまたシーラ・Eのよう。
ウメちゃんといって以前S・T・A企画ライブにも出演してくれたビートルズ・カバー・バンド「ダイチャンズ」のドラマーでもあります。そして札幌のロックンロール兄貴OLD JUNKYベース&ボーカル「テツ」の奥様なのですよ。
そしてステージではへヴィーで図太い音にて主張しまくっていた、ベーシストとマサは楽屋で意気投合。
ナチュラルカラーのリッケンバッカーを手にしていたので、思わず声をかけてみたところ「これは黒いグレコなんです。それを自分で塗装剥がして削ってバインディングを取り除き,アジャスト・カバーのリッケン・ロゴは自分で書き込みました。」
すごい!器用だなあ。おみそれしました!!本物かと思ったくらいに綺麗な仕上がり。
実はマサもナチュラル・カラーで、同じ物を所持しているので大盛り上がり。
お互いの改造話も持ち出して熱くなった。1&4弦が強くピッキングすると弦落ちするので、マサは金のストリング・ガイドを2点ネジ止めするも深く固定するとネジ頭がぶっ飛ぶ・・・だから添える程度の高さで事無きを得た話をすると、彼はナットを高めのモノに変え溝も深くして問題が解決した苦労話をしてくれました。
この時代のリッケンよりも数段クオリティが高いのはグレコ!と意見は一致。ポール・マッカートニーからはじまり、終いにはリスペクトする故レミー・キルミスター(モーターヘッド)の使用リッケンにまで。
「だからテンガロンハットに長髪とサングラス姿です」と誇らしげ。
ちなみに次に欲しいベースはギブソン・サンダーバードなのだそうですが、けっこう高値なのでちょっと躊躇しているそうです。
黒Tシャツの胸には金色「メタリカ」ロゴマークが燦然と誇らしげに輝いていましたよ!
13、
17:50~18:10
サンライズベンチャーズ(ベンチャーズ)
小樽から4年連続4回目の出演。
全員男性のメンバーで4人編成(DR&G&B&TS,AS,G)。往年のテケテケサウンドを奏でるんだけど、定番の曲はあえて外してひじょうに通ウケするものばかりをセレクトしてきました。
また面白いところでは、曲によってギタリストがサックスをプレイする場面もあるのです。
1曲目はスペインが生んだ曲で、50年代にペレス・プラードのマンボ・アレンジで有名になった「闘牛士のマンボ」
意外性狙いではなく、団塊の世代でもある彼等が心からやりたかった曲なのです。
「はい、どうもありがとうございます。この曲を知っている人は間違いなく70代でしょうね(笑)。次の曲はフランスの2枚目俳優アラン・ドロン主演の映画から・・・太陽はひとりぼっち(私はこの映画を観たことあります)」
3トーンサンバーストのストラトキャスター(メイプル指板)を弾くギタリストが、リバーブ全開で響かせるイントロにのって熟練のドラミングがはじまりました。
ベーシストも3トーンサンバーストのジャズ・ベース(ローズ指板)。
立て続けに、サックスが主役の楽曲が演奏されました。
3曲目で本格的なベンチャーズ魂が炸裂。
日本ではベンチャーズ・ガールの一人、小山ルミが歌って大ヒットしたマスターピース「さすらいのギター」です。
「あなたに全てを奪われた私~♪」
もちろんここではインストウルメンタルで、歌メロはギターが担当。
年季の入ったヒトトキが続きます。
「はい、どうもありがとうございます。古い曲ばかりで恐縮です。」
とんでもない。こういう一服の清涼飲料水的な体験は、なかなかお目にかかれないから貴重ですよ。
「10番街の殺人」は山場に持ってきました。
サングラス姿のアルト&テナーサックス奏者が、ここでは白いモズライトに持ち替え。
この日出演したバンドの中では一番渋い音楽ばかりを聞かせてくれます(それは本人達も認めていましたよ)。
1935年イギリスで発表された「夕日に赤い帆」では、テナーサックス奏者に再びチェンジ。
曲のムードに合わせてか、一人だけ白い背広を着こんでスタンバイ。
「いつもは薔薇の花を胸にさしているんだけど、今日は忘れてきたそうです・・・」
紳士の振る舞いは、曲ごとのお辞儀と懇切丁寧なる解説にも如実にあらわれています。
ぐっと蒸し暑くなってきたのか、ウチワを扇いでいる観客が増えてきました。
「はい、この人数だと時間的な制約があります。ここで最後の曲となります・・・・・イエロー・ジャケットとブルドッグのメドレーです!」
永遠の金字塔が、満を持してここで飛び出してきた。
ツイストで腰をひねる観客に合わせてか、低くかがんでギタリストもまくしたてるようにピッキング。
「はい!また来年もお会いしましょう!」(ライブ・フォトは本家本元のものですよ!)
ここでヤチヨ嬢からシンちゃんに司会進行が引き継がれます。
14、
18:20~18:45
スウィングロード(オールマイティー)
小樽から2年連続10回目の出演。
全員男性のメンバーで5人編成。バンド名入りの黒Tシャツで統一。
編成は・・・・ヤマハのキーボーダー、ナチュラル・カラーのベースを抱いたベーシスト(ゴールド・パーツ。ローズ指板)、ドラム、サンバースト・カラーのストラトキャスター使用の(メイプル指板)ギタリストはボーカルもこなし、それらを一手に束ねるオーラ全開のボーカリスト・・・という布陣。
洋楽、邦楽問わず男性ならではの魅力溢れる楽曲ばかりを選んで披露してくれました。貴重な存在だ。
1曲目は男の色気ムンムンにクオリティの高い昭和テイスト溢れるオリジナルで「愛するままに」。ボーカルの方は声はもちろんのこと、薄めのサングラス、カッチリと固まったリーゼント風ヘア・スタイルなどなど、どうみたってエルビス・プレスリーをこよなく愛しているのが透けて見え隠れしますよ。
ムード満点、焦らしに焦らしまくったイントロから見事に歌い上げてくれました。
ダンスフロアでは早速プレスリー時代に青春を謳歌したであろうカップルがチーク・ダンスと洒落込んでいます(女性同士ですが・・・)。
2曲目、イントロのもろにチャック・ベリー節ギターが痺れる斉藤和義の出世作「ずっと好きだった」でも、ヴォーカルの圧倒的歌唱力にただただ引き寄せられてしまいます。
コピーで終始することなく己のカラーを絶対的自信を持って貫きとおす強靭なる喉は別格ですね。
「今日は昼に物凄い雨で本当にライブができるのだろうか?と心配していたのですが、神様はいるのですね!こんなに晴れてくれて最高です!
3曲目はトニー・シェリダンの作品で演奏はビートルズが担当していました・・・・マイボニー」
これは世界的にはまだまだ無名だった頃のザ・ビートルズが、トニー・シェリダンとのコラボレーションでシングルカットしたトラディショナル作品。当たり前のようなヒット曲ではなく、こういうところに目をつけるあたりが「おぬし只者ではないな!」。
静かな序盤から堰を切ったようにロックンロールする起伏の激しい展開に、今では当然のお約束とはいえロックバンド黎明期の熱き衝動に気持ちが揺さぶられてしまいます。
「雨が降らないで本当に良かった!それではアップテンポの曲が続いたので静かなのを1曲・・・・T-BOLANで・・・・離したくはない」
ピアノ・イントロに誘われるように1991年のパワーバラードを、オリジナルに負けないほど感情移入たっぷりにじっくりと懇切丁寧、歌ってくれました。
この難曲は一歩間違えたら滑稽な世界に埋没するリスクがあるのに、不安要素一切なしの熱唱でしたね。
「皆さん、よくわかっていますよね!踊ってください!ニック・ニューサーの大ヒットナンバーで・・・・お祭りさわぎ!!」
ここではギタリストがボーカルを担当。
ずるいなあ~~(笑)こういうタイプの曲をかまされたら誰もが踊り狂っちゃうのは明白。
タイトルどおりに会場は、賑やかにお祭り騒ぎの様相を呈しています。
守備範囲の広さの現れでしょうか。このジャンルでもなんの違和感無しに強烈アピールしています。
それは次の曲「ヴィークル」でも同様(アイズ・オブ・マーチ)。
これにはさすがの私もちょっとビックリしましたね、正直な話。
ブラスがいない箇所はキーボードとギターでメインリフ補足。
なるほど、こういう解釈やアレンジ方法もあるんだね、とじっくり研究もさせてもらいましたよ。スウイングロードもSTAも同じ曲に対しての取り組み方が全く違うんだから面白い。
しかも聞かせどころのボーカル・ラインが魅力的でユニーク。コブシまわしも一種独特で上手い!。
参考にさせてもらおうっと。
もはやブラスロックではなく、ストレートな個性派ハードロックに料理されているではないか。
ボーカルもイアン・ギランばりに、コーラスなしでも全く違和感無しな骨太メガトン・ヴォイスだしね。
後半にこの曲を入れるなんて、無謀・・・と普通ならば思います。
体や喉のスタミナ消耗を考慮するならばね。ところがこのバンドは全然衰え知らず。
「もう残り時間は僅かなの?もっとやりたいよう!」と訴えかけているよう。
特にボーカルのいきなりハイトーンシャウトで突入する箇所なんて伸び、厚み、安定感と益々凄みを帯びてくるほど。
ソロはキーボードとギターで分け合っています。
そんなオーバーヒート気味の空気へ更に拍車をかけるように、観客が持参してきたクラッカーが「パンッ」とステージに向けて炸裂。
ハード良し、バラード良しと器用なバンド。
前に演奏した「サンライズ・ベンチャーズ」のメンバーが忘れていったサングラスは、無事に本人の手元に返されました。
BGMはサンタナで「僕のリズムを聞いとくれ」
15、
18:55~19:20
蘭島発動機(J-ROCK)
名前どおりに、蘭島から4年連続8回目の出演。
仕事も「発動機関係」なのだそうですよ。
全員男性の5人組が、お揃いの「蘭島発動機」文字入り黒Tシャツを着て夕闇迫る頃に登場です。
日差しがそれほどきつくならなかった一日だったので、日焼けしなかったのが救いです。
蘭島を拠点に活動している賑やか音楽集団。とにかくインパクト絶大だよ。好漢ボーカリスト、ナオちゃんのハッスル・キャラクターが売り。
他のメンバーはドラムス、ローランド使用のキーボード、3トーン・サンバーストのジャズベース使用のベーシスト、レスポール・サンバーストのギタリスト。
毎回毎回、練りに練られたシナリオが凝りに凝っていて、ドリフターズの「全員集合!」番組を見ているよう。
コミックバンドのお手本のような仕上がりなんだけど、もちろん基本となる演奏テクニックは折り紙つき。そうでなければ許されることではないからね。
主役は音楽、それだけでも皆血眼になっているのに、頭脳派の彼らのこと、作戦会議も白熱して磨きをかけてきたことでしょう。
司会のシンちゃんが頃合い見計らって紹介します。
「それではまいりましょう!蘭島発動機!!」
今回も、オルガンのイントロからはじまった「おふくろさん(森進一)」で全員が熱演。
颯爽と現れたナオちゃんは、いつものように引き締まった体のナルシストっぷりが堂に入ってる。
必ずナオくんは両腕に銀色に光る紐を結んでいるんだけど、あれってファッション?それともお守り?単なるウケ狙いかな??
「蘭島、はじめます!起立!礼!!」鍵盤であの学生時代には、誰もが毎日やっていた動作をコードで再現します。
条件反射で、ついつい体が反応してしまうところが空しい・・・。
「俺は今日一日泣いていました・・・雨降りだったから・・・・俺にとってこの場所は聖地だと思っています。なんも遠慮しないで拍手していいんだよ(笑)。いい酒をいっぱいに飲んで、いい汗をドップリとかいて共に楽しみたいと思います!ヨロシク!
皆さんもこんな恋をしたことを思い出してください・・・お久しぶりね(小柳ルミ子)!はい!後ろの方も手拍子!」
続々とステージ前に駆け寄る観客の波、波・・・。
口笛もピューピューと鳴り響いています。あちこちで酒盛りが始まってるし。
「♪もういちど!」のタイミングでは、カウベルが「コンッ!」を連発。
おお!名物コーナー、ダウン・タウン・ブギウギ・バンド「港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ」の地べたを這いずり回るような低音リフが轟きだした。
これをバックに乗せておしゃべり、オチは例のブレイクで聞かせてくれます(今回は家族や親戚などの身内話てんこ盛り)。
おいおい、序盤から思いもよらなかった仕込みに観客一同、蘭発ワールドの術中にはまって酔いしれている。
「俺、この序盤に全てを賭けていて、けっこう受けたからもう満足。帰るね!・・・ダメ?そうかあ。20数年ぶりに大学時代の友人が来ているので、凄く気分がのっているんだよね。
それでは次、踊れる曲いくよ。人間のDNAがジッとしていられないような曲~星降る街角(敏いとうとハッピー&ブルー)」
これまた予期していなかったジェネレーション・ギャップで、賛否両論吹き荒れそうな(そんな訳ないか・・・)曲。
ドラマーのアイちゃんがエキサイトし過ぎてドラム・スティックを曲中で客席にかっこよく空中高く弧を描いて投げ込む!
闇の中にネオン・スティックが何本も振り回されていて、色とりどりの光が綺麗。
エンターテイナー、ナオくんの真骨頂。
とにかく観客一人一人をいじるし、放ってはおかない。
強引なまでにひきずり込む。演奏を終えた途端ナオ君は「せっかくロック・コンサートっぽくスティックを投げたのに、お客さんは親切にもドラマーが落としたと思って丁寧に戻してきたよ!(大爆笑)こういう場合は大事に持って帰ってあげてくださいね!でも全然オーケー牧場です!」
気合の度合いが、恐ろしいまでに伝わってきます。
だからここで観るたび、彼らのライブ内容は違うのが当たり前。その時、その時の時事ネタや楽屋落ちネタ、仲間いじりなど血と汗と涙の結晶のような脚本を作り上げているんだろうなあ。
ミキサーのシンちゃんをナオ君が指差したら、ボーカルにエフェクトがかかって「バッチリ!」のサインを送る。
ここでナオ君は、会場全員にお願い事。
「まだまだ蘭島は終わらないよ!みんな聞いてる?声が小さいよ!後ろの人、言って!」「イエイ!」「いいね~~!今日一番いい表情しているよ。照れなくていい。さあ、楽しいですよ。いいですか?後ろの人!・・・うるせえなあ・・・・・前の人・・・・一人だけ、吉本工業がいるね。吉本を探せ!」
とにかく何でも歌いこなす器用さは、口うるさく選り好みしている連中のことをあざ笑っているかのよう。
当然、打ち合わせどおり会場全員が湧き上がる。
コール&レスポンス。
ナオチャンは絶えずピョンピョン飛び跳ねたり、まくし立てるようにしゃべりまくり、アクティブに動き回る。
「まずは起立!礼!君たち学校で毎朝やっていただろう。立ってくれた人達は座って。(キーボードであの3つのコードを鳴らす。これはお約束)」
起立・礼の指導後はこれにちなんで何故かラジオ体操第一!
ナオくんの要求に応じて、会場全体が学校状態。
そこに絡めて今度はメンバー紹介。
ベース・ソロやドラム・スティック回しなども交えて最終局面を迎えたよ。
「新曲です!ホテル・パシフィック(サザン・オール・スターズ)。
遠慮しなくていいよ。この瞬間、全世界中の人々が俺を見ている(ドラムがカウベルで「コンッ!」)おいおい!それいらない・・・。
携帯いじってる人、ダメだよ!怒るよ、もう。
俺も爺だなあ、口うるさくて。頑張りますよ。いいですか?」
この曲にかける意気込みは相当だったみたい。
演奏に、ボリュームのアップダウンをつけてウケ狙い。
終盤はお約束の、西条秀樹「ヤングマン」で一致団結。
大人も子供も「Y・M・C・A!」の振り付けにあわせて、ハイタッチしている様は壮観。
「皆に最後はこの曲を捧げます」と言うと、ここで後ろから「何をやるのよ?」「おいおい!ちゃんと憶えておいてよ。頼むよ!(爆笑)一緒にジャンプしてぶっ飛ぶよ。セーノ!!」
彼ら世代が最大にリスペクトしているバンド、ボウイから愛情に満ち溢れまくった「ドリーミン」。
この曲は蘭島結成当時に、よく取り上げていた青春ソング。
ナオくん、氷室京介からの影響受けまくってるんだろうねえ。そこいらに滲み出ているよん。
「おいおい、ヤングマンよりもノリがいいな(笑)。365日、俺たちはこの日にかけている。ありがとう!この状態でずっといこう!!」
蘭発のライブを観ると誰もが元気をもらえて、嫌なことも馬鹿らしくなって吹き飛んでしまうね。
起承転結のメリハリも明確、わかりやすく小難しい事、一切抜きにあっという間の30分でした。
「威張ってばかりで済みませんでした!」とその場で土下座してステージを後にしました。恐縮です・・・。
楽屋での彼らは言葉使いも丁寧で、礼儀正しく真面目な奴らばかり。
次のシナリオの主題は一体何かなあ・・・?と早くも興味津々。
~~~パート1のライブ・レポートはここまで!
続きはパート、2へ、ヨロシクね!!~~~