それはベトナムのハノイから、
ラオスのビエンチャンへ向かうバスの中から始まった。
モダンなスリーピングバスの45人の乗客のほとんどは、
外国人観光客だった。
突然、T-シャツ姿の見るからに怪しげな若い男が、
乗客からパスポートを回収しだした。
しかも、同時に$3も必要だという。
ご存知のように、
海外では、命の次に大事なパスポートだ。
むやみに人に預けるものではない。
何の抵抗もなく他の乗客は自分のパスポートを渡し、
お金も払っている。
ボクは、隣のイギリス人女性に
「どうして渡す必要があるのか、
彼は何者か」
と聞いてみた。
「I don't know」
と言いながら、その彼女も渋々お金とパスポートを渡す。
怪しげな回収男は、
スーパーのビニール袋に無造作に、
命の次に大事なものとお金を放り込んでいく。
ボクは、同じ質問をその怪しげな男にもぶつけてみた。
「OK,Ok. No problem」
だけを連発する。
「もうすぐボーダー(国境)なのか?
きみは、それらをどうするつもりなのか?
何の権限があってみんなから集めているのか?」
とのボクの質問にも、同じ言葉しか返って来なかった。
英語がわからにのか、
分からないふりをしているのか。
バスは、ハノイを出てからまだ2~3時間しかたっていない。
国境までにまだ来ていないはずだ。
すべての乗客から回収し終わると、
男はビニール袋を鷲づかみにして、
ガソリンスタンドでバスを降り、姿を消した。
ボクは急激な不安に襲われた。
ラオスのビエンチャンへ向かうバスの中から始まった。
モダンなスリーピングバスの45人の乗客のほとんどは、
外国人観光客だった。
突然、T-シャツ姿の見るからに怪しげな若い男が、
乗客からパスポートを回収しだした。
しかも、同時に$3も必要だという。
ご存知のように、
海外では、命の次に大事なパスポートだ。
むやみに人に預けるものではない。
何の抵抗もなく他の乗客は自分のパスポートを渡し、
お金も払っている。
ボクは、隣のイギリス人女性に
「どうして渡す必要があるのか、
彼は何者か」
と聞いてみた。
「I don't know」
と言いながら、その彼女も渋々お金とパスポートを渡す。
怪しげな回収男は、
スーパーのビニール袋に無造作に、
命の次に大事なものとお金を放り込んでいく。
ボクは、同じ質問をその怪しげな男にもぶつけてみた。
「OK,Ok. No problem」
だけを連発する。
「もうすぐボーダー(国境)なのか?
きみは、それらをどうするつもりなのか?
何の権限があってみんなから集めているのか?」
とのボクの質問にも、同じ言葉しか返って来なかった。
英語がわからにのか、
分からないふりをしているのか。
バスは、ハノイを出てからまだ2~3時間しかたっていない。
国境までにまだ来ていないはずだ。
すべての乗客から回収し終わると、
男はビニール袋を鷲づかみにして、
ガソリンスタンドでバスを降り、姿を消した。
ボクは急激な不安に襲われた。