世界一周タビスト、かじえいせいの『旅が人生の大切なことを教えてくれた』 

世界一周、2度の離婚、事業の失敗、大地震を乗り越え、コロナ禍でもしぶとく生き抜く『老春時代』の処世術

幼子を連れた女性客

2011年03月30日 | 仕事
数日前、


電話で問い合わせがあった。


「素泊まりでいくらで泊まれますか?」 と。



いつものように人数を聞くと


一人と赤ちゃん、という。





赤ちゃんは料金はかからないので


おひとり様は割り高ですよと言いながら


希望の時期と泊数を聞く。




長期で明日からでも、と相手は答えた。



受話器を通して何か事情がありそうな気配がした。




長期といってもどれくらいの期間ですか、とさらに聞く。




一週間からひょっとしたら一カ月になるかも、


とあいまいな答えが返ってきた。





期間によっても料金が違ってきますが


ご予算はどれくらいですか、と聞いたが




どうもはっきりしない。





実際に泊まるのは、電話の主ではないと言う。



ではご本人に聞いてからまた電話ください、といって切った。







数日して


忘れかけていた頃、また電話がかかってきた。



これから本人を連れて見に行きたいのだが、ということだった。





待つことにした。




予定の時間より30分ほど遅れて


中年のご夫婦が



生後10か月の赤ちゃんを抱っこした若い女性を連れてきた。




どうやら電話の主の娘とその子供


つまり孫のようだ。





訳が分からないまま


部屋に案内した。




父親は車ですぐに立ち去って行った。






母親が、


ボクと二人で話がしたいと言う。




込み入った事情があることは察しができたが



こちらから立ち入ったことは聞くわけにはいかない。





東京から帰ってきた娘と赤ん坊を

しばらく泊めてやってほしい、ということだった。




それも今からという。



もう泊まる用意はしてきているとも。





しばらく親元で同居していたらしいが


どうやら親とも折り合いが悪いらしい。






とりあえず一週間だけ、



もし娘が気に入ればさらに長くなるかも、


と言い残し、



再び迎えに来た父親とともに母親は帰って行った。






娘は伏し目がちで終始無言だったが


表情にまだ幼さが残っている。




ちょっと心配ではあるが


あまり構わず静かにしてあげていた方がいいようだ。




まさかの事態はないと思うが。





しばらくして


娘は赤ん坊をベビーカーに乗せて散歩に出かけて行った。





ひとまずは安心か。




幸いここは癒しの里。




滞在中


元気を取り戻して欲しいものだ。




とりあえず

様子を見守るしかない。
Comment (1)
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