世界一周タビスト、かじえいせいの『旅が人生の大切なことを教えてくれた』 

世界一周、2度の離婚、事業の失敗、大地震を乗り越え、コロナ禍でもしぶとく生き抜く『老春時代』の処世術

アオザイ屋さん巡り

2011年12月05日 | 
アオザイを買うためではない。



着物を携えて


日本からやってきた。




その着物を


持ち歩きながら




アオザイ屋さんを見つけては


飛び込む。





数年前、



招き犬の 「ラッピー」  を作ってもらうため



焼き物の町バチャンで



何軒も窯元を見つけては




飛び込みで訪ね回った時と




同じような状況だ。







セールスというより



メーカー探しだ。









アオザイショップに入ると聞いた。



「日本の着物から


アオザイを作ってもらえませんか?」





「No」


「ムリムリ」




「それよりこの生地でアオザイ作った方が安いよ」


などと


逆に勧められる。




「いや、

日本の着物でアオザイを作りたいんだ」






このやり取りが


何べんも繰り返される。




5軒、6軒、7軒と。




なかなか引き受けてくれるところが


見つからない。








その夜



夕食を取りにぶらついていて




途中ダメもとで


アオザイ屋さんに飛び込んだ。





「日本の着物をアオザイにしてくれる人を



探してるんですが…」





すると

意外な返事が返ってきた。




「着物あるんかい、今」



女主人は


ぶっきらぼうに聞く。




「エッ、


いや、


今ここにはないけど


ホテルに置いてます。




着物からアオザイが作れるんですか?」





「あー、作れるよ」



女主人は


今度は




少し笑いながら答えた。




自信がありそうだ。


過去に作った経験があるのだろうか。






「明日もっといで。



今日はもう店閉めるから」




「OK、じゃあ明日必ず持ってきます。



シンカモン (ベトナム語でthank you very muchの意)」









そして次の日


約束通り




ボクは着物を一着持っていった。




「サイズは?



奥さんにあげるんだろ?」





「いや、


奥さんはいませんよ。



まだ誰って決めてないけど。



あなたのサイズで作ってください」





「ああ、わたしの体型は標準だから


きっと誰にでも合うよ。



で、何日で作りゃあいいんだい?」




「できれば、今日を入れて3日で」



「すぐ日本に帰っちゃうんかい?


3日はチョッときついけど


日本に帰る前に


何とか間に合わせてあげよう」




「シンカモン(ありがとう)。



で、いくらかかりますか?」




「○○ドル」



女主人は



こちらが思っていたより


倍ほどの値段を口にした。






「結構かかるんですね。



もっと安くなりませんか?」





「着物からアオザイを作るのって


大変なんだよ、


手間がかかって。




それに、3日しかないし」





着物を広げて見ながら



厳しい顔で言う。






嫌ならいいよ、



とでもいいそうな


強気の口ぶりだ。







ウーン、


足元を見られてしまったナ、



と思った。





だが仕方がない。




それでも


日本で頼むより


5分の一程の値段だ。






もしも


出来栄えがよけれれば




次からは


日にちに余裕があって、


枚数を多く頼めば




10分の一~20分の一程度にはできるだろう。





そうすれば


日本でも



一万円以内で売れる。




買い手があるかどうかは別として。






着物を安く仕入れる先は


すでに見つけてある。






とにかく


今回は




着物でアオザイが作ってもらえる


という事実が分かっただけでも



嬉しい。






今回のベトナムの旅は


作ってくれる人を見つけることが



最大の目的だったのだから。







実は



も一つのルートでも


当たっている。





そして


ホーチミンでのルートの目途も立っている。







値段交渉と


販売は




それらを照らし合わせてからの問題だ。





複数の業者を持っておくことは


仕入れの鉄則だ。








早く


完成品を見てみたい。







日本に帰ったら


まず



誰に着てもらおうか?





候補者は


申し出て欲しい。





モデル料は






払いません、けど((笑)。






はたして



ぴったり合うアオザイを着れる



シンデレラは



どなた?





Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする