世界一周タビスト、かじえいせいの『旅が人生の大切なことを教えてくれた』 

世界一周、2度の離婚、事業の失敗、大地震を乗り越え、コロナ禍でもしぶとく生き抜く『老春時代』の処世術

彼女

2013年09月17日 | 音楽
いま彼女はボクの下から去っていこうとしている。

ボクはそれを止める術を知らない。

それは彼女の強い決意であり、ある意味で自然の流れのような気がするからだ。


真の理由は知らないし、

またそれを聞こうとも思わない。


そんなことはどうでもいいことなのだ。

彼女がボクから去っていくことに変わりはないのだから。




今、ボクの頭の中には

彼女との出会いから、この3年近く一緒に過ごした日々の思い出が走馬灯のように流れている。


自然に涙があふれてくる。

それでも滲むキーボードを勝手にボクの手がたたき続ける。



初めて出会った日、

初めて彼女の歌声を聴いた日の感動を昨日のことのように覚えている。

あの時の活き活きとした彼女は最高だった。


そしてその感動を何度味わったことだろうか。

今は感謝の心で一杯だ。


彼女の最後のコンサートが待っている。

ボクは涙なくして聴く自信がない。




心配なのは、彼女のこの先のことだ。

余計なお世話なのかもしれない。

もう彼女はボクの手の届かない所にいってしまうのだから。


ただ、幸せになってほしい。

今よりもっと幸せな人生を歩んでほしい。

ただそれだけ。



もし、

もしも、


もしも彼女の気が変わって

ここへ帰ってくる気になったとしたら、


何時でも、「お帰り」といって迎えるだろう。

彼女のいるスペースは空けている。


ただ、そんなことはないだろう。

なぜなら、ボクは彼女のことをよく知っているから。


いつも陽気で強気の彼女。

だが、ボクは彼女の弱さと涙を知っている。



ただ、また会う機会はいくらでもあるだろう。

その時は、今よりずっと輝いていてほしい。


惨めな彼女だけは見たくない。

それだけが心配で仕方ない。


本当にこの先大丈夫なのだろうか。

今はただ黙って彼女の背中を見送るしかない。


彼女を引きとめられない自分の力量の無さが情けない。

自分を強く恥じている。





正直な気持ちを伝えたい。


帰って来てほしい。

いや、できることなら君に残ってほしい。


ボクが消えるから。