世界一周タビスト、かじえいせいの『旅が人生の大切なことを教えてくれた』 

世界一周、2度の離婚、事業の失敗、大地震を乗り越え、コロナ禍でもしぶとく生き抜く『老春時代』の処世術

出版します

2016年12月01日 | 
出版意欲が俄然湧いてきた。

それはキューバでの出来事だった。

皮肉にもネットが使えないことがボクを駆り立てた。

ひたすらノートと持っていったタブレット(surface)のwordに書き綴った。


一つは、キューバ日記だ。

これは、ゲバラ日記になぞったものである。


映画にもなったMotorcycle Diaries


それに、文豪ヘミングウェイを気取ってみたかった。

モヒートを飲み、カリブ海を眺めながら。






もう一つは、出版企画書としての作成に取り掛かった。

これは思いのほかスラスラと進んだ。


なんせ、7年間毎日欠かさず更新し続けたblogを発信できなくなったのだから。

それに、facebookにもアクセスできないし、

maleも開けない。

新聞も読まないし、TVも見ない。


一体世の中が、世界が、日本が、友人、知人が、愛する人がどうしているのかさえ分からない。

一切の情報が消えた。

この情報社会においてだ。

今の世の中、

情報が3度の飯より大事な時代。

情報を制するものは世界を制す、的な感覚に溺れている。


ところがどうだ。

強制的にネットがシャットダウンされる。


もちろん、つなげることはできる。

高級ホテルや一部地域がwifiエリアになっている。

そこでしかつながらないし、

しかも有料で時間制限がある。

それに、繋がったが、遅い。


3度ほど試みた。

繋がったー!とおもって入力しても、時間内に送信できない。

辞めた。

これじゃ日本にいるのと同じじゃないか。

キューバくんだりまで来て、スマホばかりのぞき込んでるなんて。


      暗がりでスマホに興じる若者たち


   このカードを買って($3)パスワードを入力する(30分間使用可)


スマホを捨てて町に出よう!なんてキャッチが浮かぶ。

今、目の前にある生活、空気、感触だけを五感で目いっぱい味あおうと、

ある意味開き直った。


あまりにも今の生活は、

情報に左右され、スマホこそ命的な

しかもそれが当たり前的な感覚に毒されているのではないか。


キューバは、50年間時間が止まっている、と批判的に言う人もいる。

情報の開示率から言えば

北朝鮮に次いで低いのでっはないだろうか。

ただ、違うのは、

人々が異常に明るいということだ。


豊かな暮らしに憧れはあっても、

今の暮らしにさほど困っていない。


あんなにかっこよくクラシックカーを乗りこなす国がどこにあるのだろう。

馬に乗り、馬車を引く当たり前の暮らし。


         馬車タクシー

まるでアーミッシュの世界に紛れ込んでしまったような錯覚に陥った。


どこかの国のように、

怒鳴り合ったり、なぐり合ったり、

あるいは銃をぶっ放して殺し合ったりする光景はない。


向こう三軒両隣り、長屋のような温かい、明るい、笑顔のある

まるで落語の世界を絵にかいたような暮らしがそこにはあった。


ボクが泊まったCASAと呼ばれる民宿はすべて住宅街の中。

2~3日いるだけで、あちこちから挨拶の声がかかる。

Ola,Ola

もうそれだけで親しく、なんだか自分も住民になって溶け込んだ気がしてくる。

それがなんとも微笑ましく、うれしい。


      近所の子どもたち(なつっこい)


アメリカに逆らった、アメリカに頼らなくても

物質的に十分に恵まれなくても、

ネットが繋がらなくても

50年前の生活に戻っても

人はこんなに豊かに生きていける。


ベトナムも、同じように歴史を刻み、

そして豊かになってきた。

(もちろん、中国や旧ソ連の支援は受けたけど)


アダムとイブが禁断の果実をかじったように

ネットという果実の味を知ったら、もう後には戻れないのだろうけど。


今一度日本という国を考えてみなきゃ。


そう思うと、もう居ても立ってもいられなくなった。

これを、この想いを本にしようと。