寂しいな~。
なんか、面白いことないかな~?
どうしたらいいのかな~?
3回目の電話カウンセリングを行った。

そういったつぶやきにも似たボヤキが
受話器の向こうからため息と一緒に聞こえてくる。

そうですよねー、寂しいですよねー。
そうですね、なんか面白いことないですかねー。
どうしましょうかねー。
直接質問に応える(回答する)ことはしない。
アドバイスや提案も一切しない。
相手は尋ねて(質問して)いるが、
内心答えを期待しているわけではない。
ただただ、傾聴する。
敬重して、傾聴する姿勢を貫く。
そして、
共感する。
相手の心に心から寄り添う。
苦しいな~。
苦しいですねー。
沈黙が続く。
電話口の向こうで、ため息が漏れ聞こえる。
そのため息の向こうに
苦悩の色がひしひしと伝わってきて
ボクの胸を締め付ける。
それでも、
ここにいますよ。
聴いてますよ。
それを感じさせる。
答えを求めているんじゃない。
そもそも、答えなんてない。
ただ聴いてほしい、
そばにいてほしい。
考えすぎなんでしょうかねー、
気にし過ぎなんでしょうねー。
そうかもしれませんね。
相手は自ずから答えを見出す。
あるいは、
最初から答えを知っている。
それを確認したがっている。
ただそれだけ。
30分、一時間が過ぎる。
聴いていただいて、ありがとうございました。
いいえ、いつでもどうぞ。
受話器を置くと、
すぐにまた次の電話が鳴る。
悩みは尽きない。
苦しみは深い。
それでも、みんな
それぞれの苦悩を抱えながら
歯を食いしばって必死に生きている。