カンボジア経済

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カンボジア縫製労組 最低賃金177ドル要求へ

2015年07月01日 | 経済
 6月22日、カンボジア縫製企業の労働組合は、2016年の最低賃金として、177ドル/月(約2万2000円/月)を要求することで一致しました。国内最大の縫製企業の労働組合であるカンボジア縫製業民主労働組合連合(CCAWDU)をはじめとする複数の労働組合から約20人の幹部が集まった会議で、昨年要求と同じ177ドルを要求することが決定されました。労働組合側が、現在の最低賃金128ドルから38%アップの要求を決定したのは、生産性が上昇に沿ったものとは言えませんが、カンボジア労働組合連合代表のAth Thorn氏は、今回の要求は、プノンペンで貧困ラインを上回る生活をするために必要な収入が150ドルから177ドルであるとする調査を根拠としていると述べています。また、組合連合は、この最低賃金が縫製以外の分野でも適用されるよう推進するとしています。
 カンボジアから衣料製品を調達しているグローバルブランドに対しては、貧しい国々における労働者の福利厚生を守るために、一層の取組みをするようプレッシャーがかかっているのが現状です。H&M、リーバイス、アディダス等は、「製労働者にフェアな生活賃金を払ってもらいたいと思っています。」等とコメントしています。
 他方、政府、雇用側は、賃金上昇により、国際的な製造企業を失うことを懸念しています。労働・職業訓練省Ith Samheng大臣は、最低賃金の計算には、生産性、雇用主の利益性、インフレ、地域別比較を考慮する必要があると述べています。カンボジア縫製製造業協会(GMAC)のKen Loo会長は、カンボジアの生産性は中国の水準の半分のレベルであり、ベトナム、バングラディッシュ、ミャンマー等のライバルとも競争しなければならないと指摘しました。
 2016年の最低賃金については、7月以降、政労使の代表による労働諮問委員会で討議される予定で、今年の年末までに決定されます。
(写真は本文と関係ありません)

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