カンボジア経済

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カンボジア中央銀行 リエル建てでの銀行融資を促進

2017年10月19日 | 経済
 10月2日、カンボジアの中央銀行であるカンボジア国立銀行(NBC)のチア・スレイ総局長は、金融機関との会合で、2016年12月1日付の政令で定めた「2019年末までに貸付の10%以上をリエル建てとする」規制について、その着実な実施を求めました。この省令の目的は、高度にドル化しているカンボジア経済の状況に対し、金融機関(銀行及びマイクロファイナンス機関)の自国通貨(リエル)建ての信用供与を促進することにあります。省令では、2019年12月31日までに金融機関に自国通貨建ての貸付を貸付全体の10%以上とすることを求めています。また、リエル建て信用供与の状況について、NBCが監督するとしています。
 金融機関側は、現在、リエル建ての貸付は平均で全体の2%程度であり、リエル建てが比較的多いマイクロファイナンス機関やACLEDA銀行でも6~7%であるとして、政令の期限である2019年末を延長することや、10%の比率の引下げ等の規制緩和を求める声もある模様です。
 カンボジアは、高度にドル化した経済であり、市中現金の8割以上、銀行預金の9割以上が外貨(主に米ドル)となっています。現在までのところ、この状況は、海外からの投資促進や物価の安定等にポジティブな効果をもたらしてきましたが、金融政策が十分に行えないことやドル高による影響等のネガティブな側面も目立ち始めています。このため、カンボジア政府では、緩やかな脱ドル化を進めています。但し、脱ドル化は、急激に行うと弊害が目立つことは、他国の例からも明らかであり、ゆっくりと着実に進めることが肝要と見られます。

ブログ「カンボジア経済」2016年12月15日「カンボジア中央銀行 貸付のリエル建て化を促進へ」
http://blog.goo.ne.jp/economistphnompenh/e/77d025b12bc9dc038ec5a90b443a7957


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