カンボジア経済

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2017年10月09日 | 一般
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2018年の最低賃金 170ドルで決着

2017年10月09日 | 経済
 2018年1月1日から適用されるカンボジアの最低賃金は、170ドル/月で決着しました。現在は153ドルで、11.1%の上昇となります。最近の最低賃金の上昇は、2012年61ドルから2013年80ドル(31.1%増)、2014年100ドル(25.0%増)、2015年128ドル(28.0%増)と急激なものがありましたが、労働諮問委員会で客観的基準を使用し始めた2016年は140ドル(9.4%増)、2017年153ドル(9.3%増)と1桁台の上昇に留まりました。2018年は選挙があるため大幅な伸びになることも懸念されましたが、客観的基準に沿った想定の範囲内の概ね妥当な金額となったものと見られます。
 最低賃金は、政府、雇用者、労働組合の3者の代表28名が参加する労働諮問委員会で討議されてきました。雇用者側は162ドル、労働者側は170ドルを要求していましたが、10月5日の会議で投票が行われ、政府案の165ドル(7.8%増)が多数を得て、労働大臣に答申されました。この結果を受けて、フン・セン首相は、毎度おなじみの鶴の一声で5ドル増額を加えることを決定し、最終的に170ドルで決着しました。
 なお、学校教員の最低賃金は、現在の240ドルから250ドルに引き上げられる見込みです。
 内需振興のためにも、最低賃金の引き上げは必要不可欠ですが、急激な上昇は外国投資家の懸念となっていました。ベトナムよりも高くなっているとの声もありますが、社会保険料や手当等を含めた実支払額では、カンボジアの方がまだまだ低いのが実情です。カンボジア政府では、最低賃金の検討に当って、労働生産性上昇率や物価上昇率等の客観的基準を2016年の最低賃金から使用し始めており、雇用者側も労働者側も納得感が高い決定方式が次第に定着しつつあります。カンボジアにとっては、当面縫製業のような単純・非熟練労働が主流とならざるを得ないものの、自動車部品製造等の高付加価値製造業へのシフトも進めていく必要があり、企業側・被雇用者側双方の継続的な努力が期待されます。


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