カンボジア経済

カンボジアの経済について、お堅い数字の話から、グルメ情報といったやわらかい話まで、ビジネス関係の方にお役に立つブログです

米国 カンボジアに制裁 ビザ発給制限

2017年12月13日 | 経済
 12月6日、米国の国務省は、カンボジアのフン・セン政権が野党や批判的なメディアを弾圧し、民主化を損ねているとして、弾圧に関与した政権関係者らへのビザ(査証)発給を制限すると発表しました。米国務省は声明で、身柄拘束された最大野党「カンボジア救国党」のケム・ソカ党首の解放や、市民団体やメディアによる抗議活動を認めるよう要求しました。改善が見られなければ追加の対抗措置を取る可能性にも言及しています。
 カンボジア政府は、この措置に反発していますが、今のところ対抗措置は打ち出していません。フン・セン政権は、カンボジア救国党解党の理由として、救国党が米国と共謀して国家転覆を企てたと主張しています。このため、やり玉に挙げられた米国は激しく反発し、まずはビザ発給制限という制裁を打ち出したものと見られます。また、今後、EUもカンボジアへの援助制限等の制裁措置を取る可能性が出てきています。
 米国、EUは、カンボジアにとって重要な輸出先であり、輸出に響くような制裁措置が発動された場合、カンボジア経済にも相当の影響を与えることが懸念されます。米国・EUへの輸出に頼っている縫製業界では、カンボジア縫製製造経協会(GMAC)や労働組合が、縫製品の発注を減らさないでほしいという嘆願書を既に発出しています。
 来年7月の選挙に向けて、米国・EU諸国が更に強硬な制裁措置を打ち出してくる可能性は必ずしも否定できず、その動きを注視していく必要があるものと見られます。

米国国務省の新聞発表(英文です)
https://www.state.gov/r/pa/prs/ps/2017/12/276288.htm


↓にほんブログ村のランキングに参加しています。よろしければクリックしてください↓
にほんブログ村 海外生活ブログ カンボジア情報へ
にほんブログ村

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする