カンボジア経済

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政府系の農村開発銀行 商業銀行化へ

2019年04月23日 | 経済
 カンボジアのフン・セン首相は、政府民間フォーラムで、唯一の政府系金融機関である農村開発銀行(Rural Development Bank: RDB)を商業銀行に格上げすると表明しました。今年後半にも手続きを完了させるとしています。現在、特殊銀行である農村開発銀行を商業銀行化するには、追加の資本投入が必要ですが、政府は5000万ドル(約56億円)を投入するとしています。なお、民営化するということではなく、全額政府出資は維持する見込みです。なお、銀行の名称も、農村開発銀行から農村開発・農業銀行(Rural Development and Agriculture Bank)に変更する予定です。
 商業銀行化によって、これまでできなかった信用状(L/C)の発行等が可能になります。農村開発銀行では、商業銀行化されても、金利等の条件や貸付審査等はこれまでと変わらないとしています。また、民間銀行との競合にも配慮する姿勢を示しています。
 カンボジアは、EUの特恵関税制度見直しの動きを受けてEU向けのコメ輸出が大幅に減少する等の影響が出ています。こうした中で民間商業銀行では、農業向けの貸し付けに慎重な姿勢を示すことも多いとされ、農業関係者から不満が出ていました。このため、農村開発銀行を商業銀行化して、農業向けの資金供給の円滑化を図るとともに、民間銀行が慎重になりがちのリスクを伴う貸付についても対応を強化していくとしています。カンボジア政府は、EUの特恵関税制度見直しの動きに対応して、様々な対策を打ち出していますが、本件もその一環と見られます。


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