カンボジアでの新型コロナウイルスの国内感染による新規陽性者数は、4月12日以降ゼロの日が続いていました。しかし、11月3日にカンボジアを訪問し、その後陽性が確認されたハンガリーのシーヤールトー外務貿易大臣関係で国内感染が疑われる陽性1名が11月7日に確認されました。更に、この関係(11月3日事変と呼ばれています)で、先週3名の陽性者が確認されました。また、海外帰国者の陽性者が空港での検査や2回目以降の検査等で発見されています。先週の海外帰国者の新規陽性は4名です。11月15日の保健省発表によれば、累計陽性者数は302名となっています。死者は引き続きゼロとなっています。また、治癒数は289名です。
なお、11月3日事変関係で先週に陽性と確認されたのは、スオス・ヤラー国民議会議員(人民党報道官)、ソー・チェットラー農林水産省副事務局長、駐カンボジア(兼ベトナム)ハンガリー大使の3名です。海外からの入国者の新規陽性者は、日本から韓国経由で帰国したカンボジア人2名、米国から韓国を経由して入国した米国人1名、米国から台湾経由で入国した米国人1名とのことです。
フン・セン首相や主要閣僚多数が濃厚接触者となったこともあって、カンボジア政府内部には緊張が走った模様であり、矢継ぎ早に感染防止対策の強化が打ち出されました。11月8日、教育省は、プノンペン都とカンダール州の学校の2週間休校を命じました。保健省は、映画館、博物館、クラブ、カラオケ等の再閉鎖を命じました。このため、開催中だった日本映画フェスティバルも中止・延期となっています。また、ハンガリーの大臣と濃厚接触の疑いのあるオリンピックスタジアム施設の閉鎖も決定されました。11月11日には、スパ、マッサージ等の閉鎖も追加されています。この他、プノンペン都、カンダール州における政府関係会議の中止・延期等の措置が取られています。
また、入国関係規制も11月18日から強化されます。11月11日、カンボジア保健省は、カンボジアへの入国制限措置及び防疫措置の見直しについて発表しました。ビジネス関係者でカンボジアの企業保証がある場合は、2週間の活動計画の提出が必要となっています。また、企業保証のない場合は、保健省が指定するホテルにて14日間の隔離(宿泊費は、1泊60ドルから75ドル)が必要となりました。
こうした規制強化もあって、カンボジア国内では、陽性者の数やロックダウンの可能性等について、不確かな情報による噂が広がったようですが、フン・セン首相は、強くこれを否定しました。また、プノンペン都において、政府備蓄のマスク200万枚を配布することを決定しました。
ハンガリーのシーヤールトー外務貿易大臣は、カンボジアのプラック・ソコン外務大臣と電話会談を行い、11月3日事変について深い遺憾の意を表明した模様です。プラック・ソコン外務大臣は、カンボジアとハンガリーの友好関係には全く影響ないとしています。
カンボジアでは、新規陽性者の数が落ち着いていることから、感染防止対策が次第に緩んできていて、経済活動も復旧してきていました。しかし、11月3日事変により、一般国民レベルでも国内感染への心配が広まったこともあって、対策がかなり引き締められている模様であり、マスク、手洗い、アルコール消毒等の対策が再び強化されています。なお、カンボジアの入国規制については、度々変更されており、運用も確定していません。日本大使館のサイトやカンボジア日本人会のフェイスブックで最新情報をご確認ください。
(写真は、再閉鎖された映画館)
カンボジア日本人会のフェイスブック
https://web.facebook.com/Jacambodia/
在カンボジア日本大使館のサイト
https://www.kh.emb-japan.go.jp/itpr_ja/b_000197.html
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