ジュエリーコーディネイターをご存知ですか?3級、2級、1級があります。
ジュエリー協会HPより(http://www.jja.ne.jp/coordinator/)が行っている民間資格です。
「今やファッションにジュエリーは欠かせない必需品です。その中にあって専門品に属するジュエリーの販売には、豊富な商品知識や専門知識を基にした適切なアドバイスやコーディネートにより、お客様に信頼と満足を提供していくことが必須となっています」
ジュエリーコーディネイターのセミナーを受講して;
東大前にある文京学院大学に社会人セミナーの講座があります。その中にジュエリーコーディネイターコース(2時間×10回)がありました。当時は、自分の知らないことを学ぶことをやっていましたので、まったく知らないジュエリーを学んでみることにしました。目からウロコのようなことが幾つかありましたので紹介します。
1)ジュエリーは財産ではなく、自分の気持ちを楽しくさせるもの
ダイヤモンドを財産と思っている方も多いかと思います。ジュエリーは購入するときは宝石相当の価格になりますが、売る時はかなり安くなるそうです。財産の目的ならジュエリーではなく、金かプラチナを購入した方が良いそうです。ジュエリーは身に付けて自分が楽しむためのものだから、引き出しにしまっておくのではなく、どしどし身に付け幸せな気持ちを味わいなさいとのことでした。
2)ジュエリーの多くはエンハンスメント/化粧をしている
エンハンスメント(enhancement)とは、本来その宝石が持っている力を引き出す方法で、これを行っても天然石の扱いになるそうです。代表的なものは、ルビーの赤は掘り出したままではなかなかないそうです。それに熱を加えることにより、ルビーの赤色になる石があるそうです。ルビーの赤はピジョン・ブラッド(鳩の血)がよいそうです。エメラルドは石の中に多くのクラックを抱えています。天然は水が入っていますが、加工などによりその水が蒸発してしまいます。そうするとエメラルドの透明感が失せるそうです。ですのでオイルに含湿させます。
一方、宝石の表面を薬品や電子線で処理して色をだしている場合もあります。その場合は化粧と呼びます。
3)ルビーとサファイアは同じ石
色は微量の不純物が石と溶融することにより、様々な色を発現します。ルビーのエンハンスメントは石に含まれている不純物が溶融していない場合に熱を加えて溶融させて、赤くなるとルビー、それ以外はサファイアになります。ピンクサファイアもあります。サファイアというと青のイメージがありますが。
エメラルドもベリルの一種で、希少価値から高価な宝石になっています。アクアマリン、モルガナイト、ヘリオドールも同じベリルの仲間です。
4)真珠の天然と人工の見分け方
真珠の天然と人工は見た目ではほとんど区別がつかないそうです。簡単な方法は、真珠同士で軽くこすると天然は少し摩擦抵抗があり、人工はその摩擦抵抗がありません。真珠は汗などに弱いのでその時は布でよく拭くことだそうです。
5)ダイヤモンドとキュービックジルコニア
ダイヤモンドは4C(Carat,Cut,Clarity,Color)の質で値段はピンからキリまであります。キュービックジルコニアはダイヤの模造品とのイメージがありますが、見た目ではほとんど差がわかりません。値段はダイヤモンドの1000分の1と言われています。ファッションで気軽に身に付けるならキュービックジルコニアも十分かと思います。
6)宝石販売のプロのなにげない動作
宝石は高価ですから、ショーケースの上にはたくさん並べないそうです。目の届く3つくらいにして、お客さんが次から次へと見たい場合は、前のものはショーケース内にしまうのだそうです。
指輪、ネックレスなど、実際にお客様に身に付けて鏡でその姿をお客さんに見て貰い、自分でどのように映るかを確認して貰います。
7)見て買わずに帰るお客様を笑顔で見送るお店かどうか
宝石は高価です。お客さんは迷います。迷った末に買わないこともあります。その時は判断がつかないからです。そんな時に笑顔で見送ってくれる店員さん、お店がプロのお店だそうです。嫌な顔をするようならそんな店員さん、お店は相手にしないことだそうです。笑顔で見送ったお客様はまた来客していただけます。
ジュエリーの卸がある御徒町;
御徒町には宝石の卸のお店が軒を構えており、販売もしているので安く手に入るそうです。宝石にはたくさんのカラーがあります。ダイヤモンドもよいかもしれませんが、自分の好きな色の宝石もまたよいものです。値段が高いのは希少価値によるものです。自分の好きな色、好きな透明感などたくさんの種類があります。
ジュエリーコーディネイターの試験;
セミナーを受講しジュエリーに興味が湧き、ジュエリーコーディネイターの資格に挑戦しました。テキストはかなりの分量でしたが、頑張って3級を取得しました。カラーコーディネイター3級のテキストで御徒町のことを知りました。
「ジュエリーの歴史、市場、素材、製造、商品、販売及びコーディネートに関する基礎知識をもち、消費者その他に対し説明、接客及び販売ができる」
結婚指輪に関しての嫌な思い出;
愛知県にいた時に、有名な全国チェーンのジュエリーショップで結婚指輪を購入しました。お店の人の話を妻になる人と一緒に聞きながら、「どれくらい勉強(値引き)してくれますか?」と尋ねました。お店の人が「結婚指輪はおめでたいものですから、そのようなものは値引きしません」と返答されました。店員さんのメッセージは、「おめでたいものを値引きしようとした常識がない人ですね」のように感じました。このことがずっと心に残っていました。ジュエリーコーディネイターのクラスは、1)石を知る、2)加工を知る、3)販売を知るの3人の専門家が講義をしてくれました。そこで販売の講師に、結婚指輪を購入した時の店員さんの対応を話しました。
講師いわく「その店員さんはプロではないですね。二人で来ているのだから配慮しなければならない。関西の人は何でも値引き交渉をするもので名古屋に関西出身の人も多い。プロの店員さんなら『申しわけございません。この商品は値引き対象になっておりません。値引き対象ですとこちらの書品です』と言います」とのことでした。
20数年の胸のつかえが取れました。プロの店員さんではなかったのかと。
ジュエリーは高価な商品です。かつ、幸せ感を買う商品でもあります。その店員さんは、商品に拘り、お客様に幸せ感を与えるどころが不幸せ感(恥)を与えてしまったのでした。