川崎いのちの電話広報誌
「弱さ」を認めない社会と生きにくさ~アルコール依存症の父の自殺から~引土 絵未さん(日本女子大学人間社会学部社会福祉学科専任講師、精神保健福祉士 )
死に至るまでのお父様の苦しみと ご家族の様子はどうでしたか
お酒に酔った父の口から 「もう死にたい。死んだらこの生命保険を使え」 という言葉が幾度も繰り返される中で、私は、「どうせ、いつものこと、死ぬはずはない」と思うようになりました 。しかし、私が19歳の時、父はその言葉通り死んでしまいました。、残されたのは前日の競馬新聞に赤鉛筆でばらばらに殴り書きされた遺書でした。 『皆様ごめんなさい。〇〇君、絵未ちゃん、元気で生きてください。葬式は習ってやってください。悪いのは私です。もう、働ける体ではない。 酒おいしかった。最後のタバコです』
両親が離婚したのは、私が就学前だったそうです。もっとも大きな理由は父の飲酒問題で 、母はうつ状態となり、精神的に追いつめられ家を出て行ったそうです。物心ついた頃には、父と兄と3人暮らしで、両親が離婚していることは隠されていました。
大学は社会福祉学科に進み 、そのつど進路選択をしていますが どのような思いからですか
大学院で学び、転機になったことはどんなことですか
自分の感情を言葉にして 適切に相手に伝えられる力が大事だという点を、詳しく教えてください
「弱さ」を受け入れる社会にするためには、どのようにしていったらよいでしょうか
感想;
せっかく広報誌を作成しても、紙だけで県内に配布しているだけだと、読む人も限られてしまいます。
広報誌作成も寄付だと思います。Webに掲載することで、多くの人に読んでもらうことができます。
また、各センターで厚労省から寄付をもらって自殺防止目的の公開講演会をしています。税金です。その税金をより活用するために、リモート&YouTubeで全国の人に聴いてもらえます。
講演会を行うことが目的になっています。それは違います。自殺防止の啓発目的ですから、多くの人に聴いてもらうことが目的なのです。
いまや簡単なツールで、簡単に、リモートやYouTubeでは視聴が出来るようになっています。
結局のそのセンターの理事長や責任者の考え方、気持ちなのでしょうね。
広報誌をWebに掲載されていないセンターからpdfいただいたら、掲載することをWebに掲載していますが、残念ながらご依頼がありません。
また、連盟にもこのサイトのこと伝えましたが、何のレスポンスもありませんでした。
講演会の録音を送っていただければ、Webで視聴できるようにもできます。
やはり組織はトップによって大きく変わりますね。
いのちの電話は電話に固執しているために、若者の自殺防止の貢献度がどんどん下がっています。東京いのちの電話がスタートしたとき、多くの若者が電話して来ましたが、東京いのちの電話40年で若者からの電話は1/6までに減っています。
そのため、若い人が若者相談を立ち上げています。
若者は電話を使わないのです。
いのちの電話が電話で相談を受けるというとき、心理やカウンセリングの専門家が「電話で相談など受けられか?」という声もありましたが果敢に挑戦しました。
今若者が電話など使うか?という現状になぜ挑戦してメールやチャットをもっとやらないのでしょうか。
大空幸星氏「あなたのいばしょ」(チャット相談)
清水 康之氏 「いのちSOS/ライフリンク」(チャット相談も)
いのちの電話の強みは相談員が減ったと言え、まだ約5,000人がいるのです(約20年ほどで8,000人から減少)。高止まりしている若者の自殺の防止にもっとできるはずなのですが・・・。
いのちの電話もネット相談(メール)をもう20年以上やられているようですが、全国のセンターに広がっていません。
2~3センターがチャット相談にも取り組み始めているようですが・・・。
稲盛和夫氏(京セラ創業者)がパーフォーマンスは、
パフォーマンス(結果)=考え方 × 熱意 × 能力
と言われていました。
そして一番大切なのは考え方で、二番目は熱意、能力はそれがあれば伴うと言われています。
いのちの電話の活動をしていることで自己満足されて、さらに多くの人への啓発活動をしようとするお気持ちが責任者の方は弱いようです。
(まあ、その活動をされているだけでも素晴らしいのですが・・・)
名誉職ではないのです、「いのちの電話」の未来の責任を担っているのです。
結局今の責任者が、いのちの電話の未来の社会への貢献を小さくしていることなのですが、そのことにも気づかれていないようです。
10年後、20年後「当時のいのちの電話の責任者はなぜもっとメールを広げ、チャットにチャレンジしなかったのでしょうね?」と思われるでしょう。
ぜひ、未来の質問に、回答を用意しておいていただきたいです。
ただ、ほとんどのセンターが広報誌をWeb掲載されています。
またいくつかのセンターは厚労省からの寄付による公開講演会をリモートや後日視聴できるようにされています。
素晴らしいですね。でも、まだまだできることがたくさんあります。
引土絵未さんのように苦しんだ若者が多いです。引土さんは自分の苦しかった経験をばねにそれを生かすお仕事をされています。でも引土さんのようにできずに自殺を選択する若者が多いです。その苦しみを見て見ぬふりをしているのでしょうか。
よくいのちの電話は『善きサマリア人のたとえ』のようにと言われています。しかし、それを忘れているように思えてなりません。
「ハチドリの一滴」でした。涙