昨年放送された『事件救命医~IMATの奇跡~』(2013年10月6日放送)の続編。
私も「『事件救命医~IMATの奇跡~』……仲秋の残念な2時間サスペンス、その1」という記事を書いてい
この記事の副題からも察せられると思いますが、酷評しています。
「見せ場を作ることに囚われ過ぎて、登場人物の行動や事件の設定などに無理があり、ドラマの構造が非常に歪になっていた」というような票をしている。
余談になるが、この記事のサブタイトルからも再び察せられると思いますが、このような“残念な2時間サスペンス”についていくつか取り上げているが、この『IMATの奇跡』は、『畠田理恵(羽生理恵)はよくがんばっていると思います』ほどではないのですが、コンスタントにアクセスされています。
不思議に感じていたのですが、ここ数日、放送日の2日前から、『IMATの奇跡』の記事へのアクセス数が異様に増えました。
私は、『2』が放送されることも知らなかったのですが、世間は期待しているのでしょうか?私も、別の意味で期待して観ることにしました。
………『1』と同様、見せ場を作ることが主になっていて、犯人の心情や行動に不可解さが目立った。しかし、『1』ほど歪ではなく、ドラマ全体はともかく、意外性を追求した見せ場は楽しめた。
★笑ってしまうほどの意外性
①ドナー心が爆発
心臓病を患う薄幸の少女、その少女に主人公は手術の成功を誓う。
そんな背景の中、さあ手術だと思った瞬間、肝心のドナー心臓が爆発!一瞬何が起こったのか理解できないほどの意外性
②左肺が……
意識不明のバスの乗客を、気胸と診断し、肺に針を通しして空気を逃がそうとするが、うまくいかない。……なんと、この乗客、左肺がない(過去に手術で摘出)!
③心優しき心臓外科医、豹変す
ドラマ前半で見せる医師としての使命感や人間性は何だったのか?と思わせるほどの行動や、犯行計画。娘を誘拐、殺害された悲しみは理解できるが……。
④真犯人に踊らされたバスジャック犯、マスクの罠にはまる
毒ガスから身を守るはずの防毒マスクから噴出される毒ガスにやられるとは……こりゃ、一本取られた!
福沢議員を懲らしめるため、過去の事件の関係場所に来るとバスのカーテンを開けるなど、忠実に指示に従っていた彼らなのに……
⑤主人公の必死の説得も……
人工心臓を爆破しようとする犯人を必死の説得をしたが、「あっ!」というタイミングで、これを爆破!
⑥真犯人の意外な最期
部屋に籠って自殺するのかと思ったら、狙撃されてしまった(自身の指示)。少女に自らの心臓を提供し、少女は助かる。
と、意表を突いてくれましたが、冒頭に書いたように“見せ場ありき”のストーリーで、登場人物、特に、真犯人の女医の心情や行動に不可解さが多かった。
一貫性のない真犯人の心情や行動
1.誘拐犯と杜撰な捜査や冤罪の隠ぺいをした議員に復讐するために、犯行が非常に用意周到だったが、ここまで大がかりにする必要があったのか?
たとえば、ドナー心の爆発だが、単に盗まれたでもよいし、人工心臓強奪一味がわざわざバスに乗り込まなくてもいいのではないだろうか?
あれだけ大がかりにしたのは、人工心肺が目的なのかと勘ぐってしまった。
2.バスジャック犯を殺す必要があったのか?
狂信者たちを殲滅したかったのだろうか?
3.復讐心に駆られたとはいえ、医者として、人間として、どうなのか?
何の関係も非もないバスの乗客を巻き込んでしまう計画は人間としてどうなのか?しかも、命と向き合う医者である。
その医者が、せっかくのドナー心や人工心臓を爆破してしまうのは許せない。
4.矛盾する真犯人の行動
「少女を救いたい」、「その少女の親(誘拐犯)に復讐したい」という矛盾した気持ち。これは、矛盾してもいいが、大概のドラマは、医者として(人間として)の気持ちが勝つ。
今回は、復讐心が勝ったように見せかけたが、狙撃されるのが最初からの計画だったので、最初から少女を助けるつもりだったようだ。
ただ、「彼女が大切にしていたデータが実は娘との想い出で、政治家や警察への復讐など、どうでもよかった」と結論付けた。しかし、それなら無関係の人を巻き込んで、バスジャック犯を殺すという行動は不合理だ。
犯行などの不可解さ
1.バスは停められないはずだったが
「バスは停められない」という必須条件のため、主人公があれだけ苦労して走っているバスに乗り込んだが、人工心肺強奪一派を乗せるため、普通に停車してしまった。
2.乗客が大変過ぎ
病院行きのバスの乗客とは言え、いろいろ発症し過ぎで、それをブラックジャック並みに解決。
それにしても、走るバスの中でドリル仕事は無理だろう。また、議員が殴られたところを見ていないのに、殴られた反動で窓枠に側頭部を打ちつけ、脳ヘルニアを起こしたと診断。
3.少女か議員か、一刻を争う事態のはずだったが
病院についてから、真犯人を説得など結構時間の余裕があった。
4.狙撃犯はどうなった?
5.議員の第3秘書は?
ドラマ冒頭、議員を見送る時に意味深にかすかに笑ったが、それっきり。彼女の内通を突き止めたのなら、彼女を追及するのが常道のはず。
意味深な微笑はわざとらしかったが、視聴者へのフェイントか?
さて、『1』で心理テストの結果が要注意を遥かに超えた結果であったこと、さらに、この時の犯人の処置を通常とは逆の手順で行うなど、限りなく黒に近い灰色であったことを強調して終了。
今回は、目の前の患者を助けるのが医師の本能であることを示し、また、そのことで真犯人を説得しようとしていたので、灰色の濃さはかなり薄くなった。心理テストの結果の説明や逆の手順の処置の理由を明かしてほしかった。
【ストーリー】番組サイトより
IMATの日向晶(玉木宏)と、SITの影浦琢磨(田中圭)が銀行での立てこもり事件で出会ってから1年半後、日向は港東医科大学病院での通常勤務を、そして影浦は事件で上司命令に従わなかった責任を取らされ異動となった警備部で、くすぶった日々を送っていた。
日向には、今、特別な思いを寄せる患者がいた。心臓移植を待つ17歳の少女、橘亜紀(杉咲花)だ。亜紀はかつてIMATとして出動した際に日向がその命を助けた少女。そのドナーが見つかり、主治医の西郡彩香(森口瑤子)とともに、日向は希望にあふれていた。
一方の影浦は、元警察官僚の政治家・福沢栄吉(清水章吾)のSPを命じられていた。福沢は26年前の東京スカイランド爆破事件当時、担当刑事課長だった人物で、事件を迷宮入りさせてしまった張本人と目されていた。そんな福沢が、都バスの視察にくるという。
視察当日。それは、亜紀の心臓移植が行われる日でもあった。時刻はAM12:00。福沢が乗り込んだバスが動き出したその時間に、彩香が執刀する亜紀の心臓移植も開始される。助手としてオペに加わる日向と美山ゆかり(貫地谷しほり)。そこに、ドナー心が届く。ところが、容器から取り出したドナー心が突然、爆発! 亜紀の新たな心臓が失われてしまう…。
同じころ、都バスの中でも異変が発生する。一人の男が影浦の後頭部に銃口を突きつけてきたのだ! 謎の武装集団にバスはあっという間に乗っ取られてしまう…。
私も「『事件救命医~IMATの奇跡~』……仲秋の残念な2時間サスペンス、その1」という記事を書いてい
この記事の副題からも察せられると思いますが、酷評しています。
「見せ場を作ることに囚われ過ぎて、登場人物の行動や事件の設定などに無理があり、ドラマの構造が非常に歪になっていた」というような票をしている。
余談になるが、この記事のサブタイトルからも再び察せられると思いますが、このような“残念な2時間サスペンス”についていくつか取り上げているが、この『IMATの奇跡』は、『畠田理恵(羽生理恵)はよくがんばっていると思います』ほどではないのですが、コンスタントにアクセスされています。
不思議に感じていたのですが、ここ数日、放送日の2日前から、『IMATの奇跡』の記事へのアクセス数が異様に増えました。
私は、『2』が放送されることも知らなかったのですが、世間は期待しているのでしょうか?私も、別の意味で期待して観ることにしました。
………『1』と同様、見せ場を作ることが主になっていて、犯人の心情や行動に不可解さが目立った。しかし、『1』ほど歪ではなく、ドラマ全体はともかく、意外性を追求した見せ場は楽しめた。
★笑ってしまうほどの意外性
①ドナー心が爆発
心臓病を患う薄幸の少女、その少女に主人公は手術の成功を誓う。
そんな背景の中、さあ手術だと思った瞬間、肝心のドナー心臓が爆発!一瞬何が起こったのか理解できないほどの意外性
②左肺が……
意識不明のバスの乗客を、気胸と診断し、肺に針を通しして空気を逃がそうとするが、うまくいかない。……なんと、この乗客、左肺がない(過去に手術で摘出)!
③心優しき心臓外科医、豹変す
ドラマ前半で見せる医師としての使命感や人間性は何だったのか?と思わせるほどの行動や、犯行計画。娘を誘拐、殺害された悲しみは理解できるが……。
④真犯人に踊らされたバスジャック犯、マスクの罠にはまる
毒ガスから身を守るはずの防毒マスクから噴出される毒ガスにやられるとは……こりゃ、一本取られた!
福沢議員を懲らしめるため、過去の事件の関係場所に来るとバスのカーテンを開けるなど、忠実に指示に従っていた彼らなのに……
⑤主人公の必死の説得も……
人工心臓を爆破しようとする犯人を必死の説得をしたが、「あっ!」というタイミングで、これを爆破!
⑥真犯人の意外な最期
部屋に籠って自殺するのかと思ったら、狙撃されてしまった(自身の指示)。少女に自らの心臓を提供し、少女は助かる。
と、意表を突いてくれましたが、冒頭に書いたように“見せ場ありき”のストーリーで、登場人物、特に、真犯人の女医の心情や行動に不可解さが多かった。
一貫性のない真犯人の心情や行動
1.誘拐犯と杜撰な捜査や冤罪の隠ぺいをした議員に復讐するために、犯行が非常に用意周到だったが、ここまで大がかりにする必要があったのか?
たとえば、ドナー心の爆発だが、単に盗まれたでもよいし、人工心臓強奪一味がわざわざバスに乗り込まなくてもいいのではないだろうか?
あれだけ大がかりにしたのは、人工心肺が目的なのかと勘ぐってしまった。
2.バスジャック犯を殺す必要があったのか?
狂信者たちを殲滅したかったのだろうか?
3.復讐心に駆られたとはいえ、医者として、人間として、どうなのか?
何の関係も非もないバスの乗客を巻き込んでしまう計画は人間としてどうなのか?しかも、命と向き合う医者である。
その医者が、せっかくのドナー心や人工心臓を爆破してしまうのは許せない。
4.矛盾する真犯人の行動
「少女を救いたい」、「その少女の親(誘拐犯)に復讐したい」という矛盾した気持ち。これは、矛盾してもいいが、大概のドラマは、医者として(人間として)の気持ちが勝つ。
今回は、復讐心が勝ったように見せかけたが、狙撃されるのが最初からの計画だったので、最初から少女を助けるつもりだったようだ。
ただ、「彼女が大切にしていたデータが実は娘との想い出で、政治家や警察への復讐など、どうでもよかった」と結論付けた。しかし、それなら無関係の人を巻き込んで、バスジャック犯を殺すという行動は不合理だ。
犯行などの不可解さ
1.バスは停められないはずだったが
「バスは停められない」という必須条件のため、主人公があれだけ苦労して走っているバスに乗り込んだが、人工心肺強奪一派を乗せるため、普通に停車してしまった。
2.乗客が大変過ぎ
病院行きのバスの乗客とは言え、いろいろ発症し過ぎで、それをブラックジャック並みに解決。
それにしても、走るバスの中でドリル仕事は無理だろう。また、議員が殴られたところを見ていないのに、殴られた反動で窓枠に側頭部を打ちつけ、脳ヘルニアを起こしたと診断。
3.少女か議員か、一刻を争う事態のはずだったが
病院についてから、真犯人を説得など結構時間の余裕があった。
4.狙撃犯はどうなった?
5.議員の第3秘書は?
ドラマ冒頭、議員を見送る時に意味深にかすかに笑ったが、それっきり。彼女の内通を突き止めたのなら、彼女を追及するのが常道のはず。
意味深な微笑はわざとらしかったが、視聴者へのフェイントか?
さて、『1』で心理テストの結果が要注意を遥かに超えた結果であったこと、さらに、この時の犯人の処置を通常とは逆の手順で行うなど、限りなく黒に近い灰色であったことを強調して終了。
今回は、目の前の患者を助けるのが医師の本能であることを示し、また、そのことで真犯人を説得しようとしていたので、灰色の濃さはかなり薄くなった。心理テストの結果の説明や逆の手順の処置の理由を明かしてほしかった。
【ストーリー】番組サイトより
IMATの日向晶(玉木宏)と、SITの影浦琢磨(田中圭)が銀行での立てこもり事件で出会ってから1年半後、日向は港東医科大学病院での通常勤務を、そして影浦は事件で上司命令に従わなかった責任を取らされ異動となった警備部で、くすぶった日々を送っていた。
日向には、今、特別な思いを寄せる患者がいた。心臓移植を待つ17歳の少女、橘亜紀(杉咲花)だ。亜紀はかつてIMATとして出動した際に日向がその命を助けた少女。そのドナーが見つかり、主治医の西郡彩香(森口瑤子)とともに、日向は希望にあふれていた。
一方の影浦は、元警察官僚の政治家・福沢栄吉(清水章吾)のSPを命じられていた。福沢は26年前の東京スカイランド爆破事件当時、担当刑事課長だった人物で、事件を迷宮入りさせてしまった張本人と目されていた。そんな福沢が、都バスの視察にくるという。
視察当日。それは、亜紀の心臓移植が行われる日でもあった。時刻はAM12:00。福沢が乗り込んだバスが動き出したその時間に、彩香が執刀する亜紀の心臓移植も開始される。助手としてオペに加わる日向と美山ゆかり(貫地谷しほり)。そこに、ドナー心が届く。ところが、容器から取り出したドナー心が突然、爆発! 亜紀の新たな心臓が失われてしまう…。
同じころ、都バスの中でも異変が発生する。一人の男が影浦の後頭部に銃口を突きつけてきたのだ! 謎の武装集団にバスはあっという間に乗っ取られてしまう…。
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