確かに、観ている最中は面白かった。
番組サイトの謳い文句
「孤高の生物学者は誰に、なぜ殺されたのか?
彼が口にしていたという図書館での“大発見”とは?
複雑に入り組んだ事件の真相を、特命係が解き明かす!」
と、複雑に入り組んだ謎解き、特に「これ(書物)は道標」と、目印(道標)で導き、宝にたどり着かせる教授の遊び心には感心してしまった。
しかし、複雑に入り組ませた為いろいろ粗が出てしまい、視聴後にはモヤモヤしたものが漂ってしまった。
複雑な要素である「注意人物」
①探究心旺盛で他のことは二の次という根っからの学者。また、探究しようとする者を支援していた。【被害者】
②自分の生活の為、学生を脅し奇行をさせ注目を浴び、自分の抗議に対する大学の評価を上げようとした非常勤講師
③金儲けの為、大学の資金を運用し失敗。その穴埋めのため、大学の知的財産を売り渡した。大学を私物化した理事長(学長だったかも)
④かって金儲けがすべてであったが、破産した。しかし、探究心に目覚め、教授の支援を受けていたホームレス
⑤探究心は旺盛だが、大学が自分の先行する文学部を切り捨てることを恐れ、教授を殺害。証拠隠滅の為、学生を脅して奇行を強いた自分本位な女子学生
①~⑤をうまく繋げ、それぞれに必然性を持たせようとしていたが………
②の講師は恥ずかしい画像をネタに学生を脅して、奇行を強要した。その被害者の一人が⑤の学生で、これにより、女子学生は右京たちの目に留まることとなった。
また、実際にそういう脅迫を受けた女子学生は、それを証拠隠滅に利用した(現場を荒らして証拠品を見つかりにくくした)
殺害と奇行による大騒ぎの現場から、④のホームレスが姿を消し、捜査一課に目を付けられ、右京たちの目にも留まった。
ホームレスは探究心を教授から応援され、逆に大学のファンド運用失敗を教授に指摘した。
教授が殺害された一因は、③の理事長の知的財産の横流しだった。
…………ストーリーを展開するために材料の意味の方が強かった
詰め込みすぎたため、いろいろと齟齬が……
・学生を脅迫し奇行をさせたが、その奇行が講義の人気に結びつく因果関係が薄い。
奇行を制する様を見せて、人望を得ようとしたのだろうか。
それより「ネット上での悪評が、どのように拡散するかを分析したかった」という方が、奇行を強いる動機が強いように思えるし、学者としての対比もできる。
・女子学生のストリップパフォーマンスの方が、過去の裸写真より傷が大きいように思うし、性格的に彼女が応じないように思えた。
他の学生も、すでにネットに流出してしまった画像で、脅迫に応じるのものなのか?
・発作的な殺害の割には、大学の仲間を脅しての証拠隠滅を咄嗟に思いつき実行するとは、なかなかズル賢い。
しかも、恩師を殺害しておいて、素知らぬ顔で勉学に励むとは、非道である。
・漱石の伝説を立証できる書簡を売られてしまったことを嘆くのは分かるが、あれだけ勉学者を支援する意志が強い教授が、女子学生を絶望させる言葉を吐くのは不自然過ぎる。
殺されるためのセリフとしか思えない。
・さらに、その教授の言葉に怒り、恩師を殺害してしまうのは短絡的すぎる
・漱石の教え子の書簡は、買い戻せると思うが。
・図書館の空箱を見つける右京の嗅覚は凄い
思うに、②の非常勤講師は登場させず、他の4人で構成できたように思う。その方が、焦点がはっきりして良かったのではないだろうか。
【その他の感想・疑問】
・教授は虫にしか興味がないのかと思ったが、漱石の伝説まで知っているとは恐るべし
・対する理事長は、「月が綺麗ですね」と漱石の伝説を仄めかされても何の事だかわからない。
書簡の価値を理解していないのに、高額で売れると思ったのだろうか(漱石に関するモノだから、それなりにと思ったのかもしれない)
・“二股告白学生”の場所の誤認識云々の理屈が理解できなかった。
実際は校庭だったが、「講義室」と指示した講師は講義室だと思い込んだというものだったと思うが、それで「あなた(講師)が指示した」と断言できるものなのか?
・「I LOVE YOU.」を「月が綺麗ですね」と訳する(表現する)のは、ロマンを感じる。
今度、女性に使ってみよう(「妻に」とは言わない)
【ストーリー】番組サイトより
公園でホームレスと見られる男性の死体が発見された。前夜、付近で若者たちが騒いでいたという情報があり、捜査一課は不良グループによるホームレス襲撃事件と目測を立てるが、右京(水谷豊)は、遺体の状況から身元を見抜く。男性は、池本(長谷川公彦)という私立大学の生物学教授で、研究のための虫を採取していたらしい。池本の研究室を訪れた右京と享(成宮寛貴)は、そこで彼の研究とは無関係の本の山を目にする。助教によると、それらの本は読みもしないのに借りてこさせていたらしく、「図書館で大発見をした」などとも言っていたらしい。 そんな中、右京と享は、大学の一角で女子大生が大声をあげながら大勢の前で服を脱ぐ、不可解な行動を目の当たりにする。騒ぎはすぐ収まったものの、不審に思った右京たちが彼女を問い詰めるとパフォーマンスをせざるをえなかった驚くべき理由が明らかに!教授殺害事件との関連は!? そして真犯人は誰なのか?
孤高の生物学者は誰に、なぜ殺されたのか?
彼が口にしていたという図書館での“大発見”とは?
複雑に入り組んだ事件の真相を、特命係が解き明かす!
ゲスト:早織 長谷川公彦 内田滋 中林大樹
脚本:藤井清美
監督:橋本一
番組サイトの謳い文句
「孤高の生物学者は誰に、なぜ殺されたのか?
彼が口にしていたという図書館での“大発見”とは?
複雑に入り組んだ事件の真相を、特命係が解き明かす!」
と、複雑に入り組んだ謎解き、特に「これ(書物)は道標」と、目印(道標)で導き、宝にたどり着かせる教授の遊び心には感心してしまった。
しかし、複雑に入り組ませた為いろいろ粗が出てしまい、視聴後にはモヤモヤしたものが漂ってしまった。
複雑な要素である「注意人物」
①探究心旺盛で他のことは二の次という根っからの学者。また、探究しようとする者を支援していた。【被害者】
②自分の生活の為、学生を脅し奇行をさせ注目を浴び、自分の抗議に対する大学の評価を上げようとした非常勤講師
③金儲けの為、大学の資金を運用し失敗。その穴埋めのため、大学の知的財産を売り渡した。大学を私物化した理事長(学長だったかも)
④かって金儲けがすべてであったが、破産した。しかし、探究心に目覚め、教授の支援を受けていたホームレス
⑤探究心は旺盛だが、大学が自分の先行する文学部を切り捨てることを恐れ、教授を殺害。証拠隠滅の為、学生を脅して奇行を強いた自分本位な女子学生
①~⑤をうまく繋げ、それぞれに必然性を持たせようとしていたが………
②の講師は恥ずかしい画像をネタに学生を脅して、奇行を強要した。その被害者の一人が⑤の学生で、これにより、女子学生は右京たちの目に留まることとなった。
また、実際にそういう脅迫を受けた女子学生は、それを証拠隠滅に利用した(現場を荒らして証拠品を見つかりにくくした)
殺害と奇行による大騒ぎの現場から、④のホームレスが姿を消し、捜査一課に目を付けられ、右京たちの目にも留まった。
ホームレスは探究心を教授から応援され、逆に大学のファンド運用失敗を教授に指摘した。
教授が殺害された一因は、③の理事長の知的財産の横流しだった。
…………ストーリーを展開するために材料の意味の方が強かった
詰め込みすぎたため、いろいろと齟齬が……
・学生を脅迫し奇行をさせたが、その奇行が講義の人気に結びつく因果関係が薄い。
奇行を制する様を見せて、人望を得ようとしたのだろうか。
それより「ネット上での悪評が、どのように拡散するかを分析したかった」という方が、奇行を強いる動機が強いように思えるし、学者としての対比もできる。
・女子学生のストリップパフォーマンスの方が、過去の裸写真より傷が大きいように思うし、性格的に彼女が応じないように思えた。
他の学生も、すでにネットに流出してしまった画像で、脅迫に応じるのものなのか?
・発作的な殺害の割には、大学の仲間を脅しての証拠隠滅を咄嗟に思いつき実行するとは、なかなかズル賢い。
しかも、恩師を殺害しておいて、素知らぬ顔で勉学に励むとは、非道である。
・漱石の伝説を立証できる書簡を売られてしまったことを嘆くのは分かるが、あれだけ勉学者を支援する意志が強い教授が、女子学生を絶望させる言葉を吐くのは不自然過ぎる。
殺されるためのセリフとしか思えない。
・さらに、その教授の言葉に怒り、恩師を殺害してしまうのは短絡的すぎる
・漱石の教え子の書簡は、買い戻せると思うが。
・図書館の空箱を見つける右京の嗅覚は凄い
思うに、②の非常勤講師は登場させず、他の4人で構成できたように思う。その方が、焦点がはっきりして良かったのではないだろうか。
【その他の感想・疑問】
・教授は虫にしか興味がないのかと思ったが、漱石の伝説まで知っているとは恐るべし
・対する理事長は、「月が綺麗ですね」と漱石の伝説を仄めかされても何の事だかわからない。
書簡の価値を理解していないのに、高額で売れると思ったのだろうか(漱石に関するモノだから、それなりにと思ったのかもしれない)
・“二股告白学生”の場所の誤認識云々の理屈が理解できなかった。
実際は校庭だったが、「講義室」と指示した講師は講義室だと思い込んだというものだったと思うが、それで「あなた(講師)が指示した」と断言できるものなのか?
・「I LOVE YOU.」を「月が綺麗ですね」と訳する(表現する)のは、ロマンを感じる。
今度、女性に使ってみよう(「妻に」とは言わない)
【ストーリー】番組サイトより
公園でホームレスと見られる男性の死体が発見された。前夜、付近で若者たちが騒いでいたという情報があり、捜査一課は不良グループによるホームレス襲撃事件と目測を立てるが、右京(水谷豊)は、遺体の状況から身元を見抜く。男性は、池本(長谷川公彦)という私立大学の生物学教授で、研究のための虫を採取していたらしい。池本の研究室を訪れた右京と享(成宮寛貴)は、そこで彼の研究とは無関係の本の山を目にする。助教によると、それらの本は読みもしないのに借りてこさせていたらしく、「図書館で大発見をした」などとも言っていたらしい。 そんな中、右京と享は、大学の一角で女子大生が大声をあげながら大勢の前で服を脱ぐ、不可解な行動を目の当たりにする。騒ぎはすぐ収まったものの、不審に思った右京たちが彼女を問い詰めるとパフォーマンスをせざるをえなかった驚くべき理由が明らかに!教授殺害事件との関連は!? そして真犯人は誰なのか?
孤高の生物学者は誰に、なぜ殺されたのか?
彼が口にしていたという図書館での“大発見”とは?
複雑に入り組んだ事件の真相を、特命係が解き明かす!
ゲスト:早織 長谷川公彦 内田滋 中林大樹
脚本:藤井清美
監督:橋本一
>複雑に入り組ませた為いろいろ粗が出てしまい、視聴後にはモヤモヤしたものが漂ってしまった。
まさに、その通りだと思いました。
既に売れっ子のライターさんでも、「相棒」のシナリオを書くと、手厳しい洗礼に合うこともありますよね。
もしかしたらお目に止まっているかもしれませんが、ある方などは、昔だったらボツ原稿だったものが世に出ていると言うようなことを書かれていて、さらに厳しい意見だなと思ったんですよ。
だけど土曜日「遺留捜査」の再放送を見たのですが、そこでよくお見かけする女優さんなのですが、その方の「ごめんなさい。」「許してください。」と言う演技が凄まじくて、何でもないようなシーンなのに、思わず目頭が熱くなりました。
物語の本筋を作るライターさんのお仕事はやっぱり一番の影響力かなと思いますが、それだけじゃなくて演出・演技力も作品の出来不出来を決定する大きな要素なんだなと再確認いたしました。
そう思うと、今回は犯人さんがイマイチだったような気が・・・・・^^;
長々と失礼しました。
それでは、また~。
返事が遅れまして、ごめんなさい。
コメントとトラックバック、ありがとうございました。
>既に売れっ子のライターさんでも、「相棒」のシナリオを書くと、手厳しい洗礼に合うこともありますよね。
『相棒』は要求されるレベルが高いですからね。
>ある方などは、昔だったらボツ原稿だったものが世に出ていると言うようなことを書かれていて
彼はドラマに関しては優しくて謙虚で、私がダメと思うものでも、長所を拾い上げるのですが、その彼でも、最近の相棒は不満に感じるのでしょうね。
私は、甲斐享に代わったシーズンから、ダメ出しをしています。
>物語の本筋を作るライターさんのお仕事はやっぱり一番の影響力かなと思いますが、それだけじゃなくて演出・演技力も作品の出来不出来を決定する大きな要素なんだなと再確認いたしました。
なるほど、私は脚本ばかりに目が行きますが、演出や監督の手腕も、ドラマの出来を大きく左右しますね。
『相棒』の演出では、シーズン11の「オークション」で、犯人が落札しようとしたのを、右京が颯爽と横槍を入れたシーンは思わずかっこいいと思ってしまいました。
>今回は犯人さんがイマイチだったような気が・・・・・
そうですね。
ただ、下手な脚本で変な役を演じなければならない俳優さんが気の毒に思えることもあります。
犯行は突発的でした。
ならば犯人の女子学生がなぜ、同じ大学の学生の連絡先および脅迫ネタを持っていたのか。
ネット上にアップされていたものだから誰でも~とはいうものの、非常勤講師は自分に近しい人の恥部を狙って集めていたから持っていたのでしょう。
休学していた以上、親しいから持っていたとも思えませんし、元々脅迫目的で収集していたんですかね。
あるいは、非常勤講師のPCから物理的か電子的な手段で盗難したか。
それだと、今回犯行に及ばなかったとしても、女子学生がクズとしかいいようがありませんが。
通常、“通りすがり”さんは、間違いを指摘してくださる方か、記事に対して批判的な方が多く、お名前が“通りすがり”だと、少々ドキドキします。
おっしゃる通り、突発的な犯行にもかかわらず、証拠隠滅工作に関しては用意周到状態であったことは、脚本の荒さとしか言えません。
しかも、突発的な犯行の上に、メガネ破損は更なる突発的事象で、それの隠滅のための工作準備ができているのは、異常です。
本文でも述べましたが、他人を脅して証拠隠滅し、素知らぬ顔をした女子学生は、学問を学ぶ前に学ばなければならないことがたくさんあったようです。