英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

谷亮子、参議院選挙出馬表明と過去の五輪代表選考 考

2010-05-13 17:05:52 | スポーツ
 5月10日(月)柔道女子のオリンピック金メダリストの谷亮子さん(34)が、夏の参院選比例代表の民主党公認候補として出馬することを表明しました。

 スポーツ選手や人気タレントを候補者に擁立するのは、自民党の常套手段ですが、民主党も同じ穴の狢(むじな)でした。
 すべてがそうだとは言えませんが、その競技の頂点に立つことに人生のほとんどを注いできたスポーツ選手が政治活動が出来るとは思えません。そんな彼らに日本の政治を任せて大丈夫なのでしょうか。
 谷亮子氏はその上ロンドン五輪を目指すと公言しています。舐めているとしか思えません。毎回、選挙結果が出るたび、がっかりし続けています。(「郵政民営化」にだけ焦点が当てられた小泉自民党の圧勝、政権交代・八方美人マニフェストの民主党の勝ち過ぎなど)
 今夏の谷亮子氏の選挙結果は日本国民のレベルが問われていると言っても良いのではないでしょうか。

 と言っても、比例区なので当選するんでしょうね。比例区は党の名前でも個人名でもOKで、「谷亮子」と書けば民主党に票が入ることになります。同じ党内では個人名の得票数が多いほど、同党内での当選優先順位が上になります。
 谷亮子氏は日本柔道連盟が後押しするでしょうし、彼女の知名度や人気はトップクラスなので、当選は固いと思います。谷亮子氏の政治家としての資質に疑問を持っても、氏が当選すれば柔道甲斐にとってはプラスになるという思考が働きそうです。(たぶん、氏もそのように説得されたのでしょう)


 と、それはともかく、以前から私の谷亮子氏に関するイメージは良くないです。
 というのは、過去2回、疑問の代表(世界選手権、五輪)から来ています。

===【ウィキペディア 「谷亮子」の項より引用】=======

2007年の選抜体重別で復帰を果たしたが、決勝の福見友子戦で日本人選手相手の試合では1992年の体重別決勝での長井淳子戦以来の有効ポイントを取られて敗れるが、過去の実績が考慮されて世界選手権代表に選ばれる。その後、同年9月のブラジル、リオデジャネイロ世界選手権に出場し、7回目の優勝を果たした(男女通じて世界最多記録)。

2008年には北京オリンピックへの出場の意欲を見せ、選抜体重別に出場。決勝戦で山岸絵美に、昨年の福見友子戦に続いての有効ポイント(今回は2つ)を奪われて敗れたが、これまでの実績から代表に選ばれた

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 世界選手代表選考大会のうち、もっとも権威のあるのは、全日本選抜体重別選手権大会です。(最重量級は全日本選手権(体重無差別制)も重要)
 その大会に敗れた谷選手が、国際大会(世界選手権・五輪)の実績が重視され代表に選ばれました。そのときまでも谷選手がずっと代表になっていたので、他の選手が国際大会での実績があるはずない。ということは、どうあがいても代表になれない(実際に谷選手を破っても)。
 その谷選手が、世界選手権では優勝した。

 そして次の年、北京五輪の代表選考の全日本選抜体重別選手権大会で再び谷選手は敗れた。しかし、国際大会での実績を重視し谷選手が選ばれた。これでは、他の選手にはチャンスがない。
 1度ではなく2度も疑問の代表を果たしている。もちろん、選んだ側に責任があるのだが、悪びれることない(私にはそのように感じた)、悪びれても意味がないと思ったのかもしれないが、私には彼女が柔道家・武道家には見えなかった。

 と、かなり過激な内容になってしまいました。



 谷選手のケースが最も顕著だったのですが、他の階級の選考もかなり疑問がありました。谷選手が代表選考に関して口を閉ざしたのは、他の階級選考にも影響が及ぶからかもしれません。
 この件に関して、私は『将棋SNS』(2008年4月6日)で取り上げています。参考までに、ここに挙げておきます。

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「【オリンピック代表選考方法】
 オリンピックの代表選考については、原則として過去1年間の国内外の大会の結果および内容を勘案の上、金メダルに一番近い選手を選考している。具体的には、前年秋の講道館杯全日本体重別選手権大会から当該年の春の全日本選抜体重別選手権大会および全日本選手権大会(男子)、皇后盃(女子)までを選考期間と位置づけている。選考の内容としては、講道館杯、選抜体重別選手権の成績だけではなく、過去1年間の各種大会(国内大会、国際大会等)の他、直近のオリンピックや世界選手権大会の成績や内容、そして現状として誰が金メダルを獲得できるかなど、数々の要素を分析、検討し、選考している。

 重量級の代表は、全日本柔道選手権大会(男子)、皇后盃全日本女子選手権大会(女子)終了後にそれぞれ決定し、その他の階級は全日本選抜体重別選手権大会後に決定する」

 だそうです。
 (「全日本」は体重無差別なので)最重量級を除くと「体重別選手権」は最も権威のある大会ですが、五輪選考に関しては、単なる1大会に過ぎないようです。代表選手に敗退した選手が5人も含まれていました。
 選考基準にあるように金メダルを取れるかどうかが最重要なようで、選考会の勝ち負けより優先させることもあるようです。

 分かりやすく言えば、五輪に出場させたい選手を、ほぼ自由に選べるということです。谷選手が世界選手権で優勝した時点で、他の選手がいかに頑張っても良い成績を上げても、例え谷選手を破っても、代表は(谷選手が怪我しない限り)谷選手に決まっていたということです。ちなみに、世界選手権の代表選考でも敗れた谷選手が選ばれています。
 連盟が、自ら、その大会の権威を落とし、選手のやる気をそいでいるのです。確かに、日本の大会で優勝しても、その選手が世界で最も通用する選手とは限りません。しかし、代表決定に関して重要と思われている(思われていたと言ったほうが適切かも)体重別選手権、」その重圧の中で勝利を得た選手こそ、精神的にたくましい選手であり、代表に選ばれるべき選手だと思います。
 谷選手を槍玉に挙げるのは申し訳ないのですが、世界選手権の代表選考会で敗れた谷選手を選び、その谷選手が世界選手権で優勝。五輪選考会で敗れた谷選手が代表に選ばれる。
 この流れですと、谷選手以外の選手にとっては、代表に選ばれるチャンスほとんどありません。谷選手に勝っても、世界選手権に出られない。→世界で通用することを証明できない。→五輪選考会で勝っても、谷選手のほうが世界で通用すると判断される。(谷選手が世界選手権で惨敗すれば、可能性が出てきますが)
 もちろん、講道館杯やドイツ国際などの国際大会の評価もあるので、単純な話ではないのですが、あまりにも、やるせない代表選考でした。
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