「JXとは個人個人の力の差は大きい。我々はチームプレーを主体にやっているが、最後大事な時にはこの選手には負けたくないと思ってプレーすることが必要かなと思った」
トヨタの後藤ヘッドコーチのコメントが、このゲームの勝敗を分けた要因の核心をついている。
前半大量リードされたトヨタが第4Qに追いついた。そこで、JXは踏ん張った。
王者のプライドというべきか、「勝つ」「負けない」そういう強い気持ちでプレーしたJX。チームバスケットで個人の能力差に対抗してきたトヨタであったが、最後の勝負処で、そのチームバスケットが災いした。「自分が勝負する」という気持ちが薄く、個々の思いの差が勝敗を分けたように思う。
将棋でも経験であるが、ずっと劣勢であるのを耐えに耐えて、逆転したと思った瞬間、今まで追いかける攻めの気持ちだけだった心に、≪勝てる≫≪リードを守りたい≫という欲や守りの心が湧いてきて、悪手を指してしまう。トヨタもそういう心理状態だったのかもしれない。
第1Q、互いに厳しいディフェンスでターンオーバーやシュートミスは多かったが、それぞれのバスケットはできており、一進一退の攻防。
JXは吉田が積極的に点を取りにいっているのが目立つ。自らが点を取ることで、攻撃の幅を持たせ渡嘉敷らへのマークを甘くさせるという意志を持ってのプレーだ。さらに、ドライブインからアウトサイドへのパスも機能していた。
トヨタは武器である3ポイントシュートが3本決まり、動きも悪くない。
こう着状態が続いたが、7分40秒過ぎ、JXのシックスマンの準レギュラー格の木林が2つ目のファールをし、高橋とチェンジ。この高橋が攻守に活躍し、15-14のJX1点リードから第1Q終了時には23-15と一気にJXが優位に立った。さすがのトヨタも、高橋はあまりマークしていなかったのかもしれない。
第2Q,トヨタのシュートが決まらず、外した後もJXにしっかりデフェンスリバウンドを確保され、ほぼ5分間得点なし。
JXもオフェンスは正確さがなかったが、オフェンスリバウンドを取り、しつこく攻撃をつなげ点を取っていく。4分30秒時点で、33-15と大量18点のリードとなった。
この時のタイムアウト時の後藤ヘッドコーチの言葉
「オフェンスはできている。シュートが入らなかっただけで、気にする必要はない」といった主旨だったと思う。これが、昨年までのどこかのヘッドコーチだったら、怒りが爆発していたことだろう。
トヨタは何とか踏みとどまり(特にディフェンスを頑張っていた)、8分20秒時点で37-19。
JXは、この少し前からシュートが入らない。更に、攻撃が単調になり、渡嘉敷、間宮への負担が増え、彼女らもシュートミス、ファールを犯すようになった。疲れによりギリギリのところで踏ん張りやボールさばきができなくなっているようだ。
試合の流れを変えたくなかったのかもしれないが、18点リードの前半終了近くで、ベンチメンバーを出し、フレッシュな(疲れていない)動きでカバーしてもらうという戦略が立てられなかったのだろうか?
結局、動きが鈍くなり、前半終了時点では39-25とやや点差を詰められてしまった。主力を消耗させたうえ、点差を詰められたこの時のベンチワークが、後半の苦戦を予見させた。
第3Q、ハーフタイムにより回復したのだろう、一進一退の攻防ながらも開始4分では47-30とリードを広げる。
しかし、クォーター後半に入るとJXの動きが鈍くなりターンオーバーが目立ち始める。逆にトヨタは森、川原、久手堅が3ポイント決めるなど、第3Q終了時には52-47と5点差まで詰め寄る。この間、特に森の攻守の活躍が目立った。
第4Q開始早々、吉田がジャンプシュートを決め流れを引き戻そうとするが、オフェンスがうまく機能しない。対するトヨタも疲れが出たのかミスが多く、開始3分までは、こう着状態が続き55-49。
3分46秒、久手堅が3ポイントシュートを決め3点差になると、流れはトヨタに。渡嘉敷がシュートを外し、そのあとの攻撃、トヨタのシュートは外れるものの、栗原、池田がオフェンスリバウンドを取り、3度目の攻撃で池田がシュートを決め1点差。
渡嘉敷が2本フリースローを決めた後、川原が3ポイントシュートを決め57-57、ついに同点。ここで、JXは踏ん張り渡嘉敷がシュートを決める。ここ数分、渡嘉敷頼りの攻撃。渡嘉敷に頼ったというより渡嘉敷に託したと言った方がいいのかもしれない。
この後の、フリースローがキーポイントだった。久手堅が2本とも外し、吉田が2本決めた。この出入りが大きかった。
この後、大神が着実にシュートを決め、JXが逃げ切った。
JXが最後の最後に王者のプライドで踏みとどまり、5連覇を果たした。おめでとうございます。
しかし、JXのベンチワークには疑問、怒りさえ感じたファイナルだった。
トヨタの後藤ヘッドコーチのコメントが、このゲームの勝敗を分けた要因の核心をついている。
前半大量リードされたトヨタが第4Qに追いついた。そこで、JXは踏ん張った。
王者のプライドというべきか、「勝つ」「負けない」そういう強い気持ちでプレーしたJX。チームバスケットで個人の能力差に対抗してきたトヨタであったが、最後の勝負処で、そのチームバスケットが災いした。「自分が勝負する」という気持ちが薄く、個々の思いの差が勝敗を分けたように思う。
将棋でも経験であるが、ずっと劣勢であるのを耐えに耐えて、逆転したと思った瞬間、今まで追いかける攻めの気持ちだけだった心に、≪勝てる≫≪リードを守りたい≫という欲や守りの心が湧いてきて、悪手を指してしまう。トヨタもそういう心理状態だったのかもしれない。
第1Q、互いに厳しいディフェンスでターンオーバーやシュートミスは多かったが、それぞれのバスケットはできており、一進一退の攻防。
JXは吉田が積極的に点を取りにいっているのが目立つ。自らが点を取ることで、攻撃の幅を持たせ渡嘉敷らへのマークを甘くさせるという意志を持ってのプレーだ。さらに、ドライブインからアウトサイドへのパスも機能していた。
トヨタは武器である3ポイントシュートが3本決まり、動きも悪くない。
こう着状態が続いたが、7分40秒過ぎ、JXのシックスマンの準レギュラー格の木林が2つ目のファールをし、高橋とチェンジ。この高橋が攻守に活躍し、15-14のJX1点リードから第1Q終了時には23-15と一気にJXが優位に立った。さすがのトヨタも、高橋はあまりマークしていなかったのかもしれない。
第2Q,トヨタのシュートが決まらず、外した後もJXにしっかりデフェンスリバウンドを確保され、ほぼ5分間得点なし。
JXもオフェンスは正確さがなかったが、オフェンスリバウンドを取り、しつこく攻撃をつなげ点を取っていく。4分30秒時点で、33-15と大量18点のリードとなった。
この時のタイムアウト時の後藤ヘッドコーチの言葉
「オフェンスはできている。シュートが入らなかっただけで、気にする必要はない」といった主旨だったと思う。これが、昨年までのどこかのヘッドコーチだったら、怒りが爆発していたことだろう。
トヨタは何とか踏みとどまり(特にディフェンスを頑張っていた)、8分20秒時点で37-19。
JXは、この少し前からシュートが入らない。更に、攻撃が単調になり、渡嘉敷、間宮への負担が増え、彼女らもシュートミス、ファールを犯すようになった。疲れによりギリギリのところで踏ん張りやボールさばきができなくなっているようだ。
試合の流れを変えたくなかったのかもしれないが、18点リードの前半終了近くで、ベンチメンバーを出し、フレッシュな(疲れていない)動きでカバーしてもらうという戦略が立てられなかったのだろうか?
結局、動きが鈍くなり、前半終了時点では39-25とやや点差を詰められてしまった。主力を消耗させたうえ、点差を詰められたこの時のベンチワークが、後半の苦戦を予見させた。
第3Q、ハーフタイムにより回復したのだろう、一進一退の攻防ながらも開始4分では47-30とリードを広げる。
しかし、クォーター後半に入るとJXの動きが鈍くなりターンオーバーが目立ち始める。逆にトヨタは森、川原、久手堅が3ポイント決めるなど、第3Q終了時には52-47と5点差まで詰め寄る。この間、特に森の攻守の活躍が目立った。
第4Q開始早々、吉田がジャンプシュートを決め流れを引き戻そうとするが、オフェンスがうまく機能しない。対するトヨタも疲れが出たのかミスが多く、開始3分までは、こう着状態が続き55-49。
3分46秒、久手堅が3ポイントシュートを決め3点差になると、流れはトヨタに。渡嘉敷がシュートを外し、そのあとの攻撃、トヨタのシュートは外れるものの、栗原、池田がオフェンスリバウンドを取り、3度目の攻撃で池田がシュートを決め1点差。
渡嘉敷が2本フリースローを決めた後、川原が3ポイントシュートを決め57-57、ついに同点。ここで、JXは踏ん張り渡嘉敷がシュートを決める。ここ数分、渡嘉敷頼りの攻撃。渡嘉敷に頼ったというより渡嘉敷に託したと言った方がいいのかもしれない。
この後の、フリースローがキーポイントだった。久手堅が2本とも外し、吉田が2本決めた。この出入りが大きかった。
この後、大神が着実にシュートを決め、JXが逃げ切った。
JXが最後の最後に王者のプライドで踏みとどまり、5連覇を果たした。おめでとうございます。
しかし、JXのベンチワークには疑問、怒りさえ感じたファイナルだった。
最後にはJXのプライドと個の力がトヨタを上回っていました。采配についてですが、私は佐藤HCはオールジャパンで間宮を欠いてトヨタに完敗したことで、特に4番5番で控え選手を使うことを恐れていたのではないか、という気がしました。また、控え選手にあまり使える選手がいなかったことも原因のひとつだと思えます。諏訪が抜けた穴が埋まっていません。最後に、今年のコーチ・オブ・ザ・イヤーには佐藤HCが選ばれていましたが、アメリカだったら後藤HCが選ばれたのでは、と思えてなりません。また来季の戦いと采配に注目しましょう。
ブログ記事、拝見しました。ええ、ほぼ一致ですね。
佐藤HCは、常勝JXを引き継いだプレッシャーが大きかったのでしょう。大胆な作戦(選手起用や交代)が1年目では取りにくかったのかもしれません。とにかく、目指しのことを考えすぎでした。来年度に期待します。
采配ぶりだけ考慮すると、後藤HCが選ばれるべきだと思いますが、オールジャパンの敗戦はあると言え、リーグはほぼ無敗ですから、佐藤さんが選ばれたのは、(不本意ですが)順当だと思います。
諏訪選手は、引退したのでしょうか?山田選手を抱えるくらいなら、と思うのですが。