英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

台風9号福井上陸(福井県への台風上陸は観測史上初)

2010-09-08 22:26:12 | 気象
 今日、午前11時ごろ台風9号が福井県(敦賀市)に上陸しました。
 福井県への台風の上陸は観測史上初のこととのことです。
「え?福井には台風は来ないの?」なんて思ってしまうかもしれませんが、通ったこと、つまり、「通過」はあります。(ここ10年では3度ぐらい)
 「台風の上陸」というのは、台風が海から陸に上がることを言います。つまり海上にある台風が海岸線を横切って陸に上がる行為を指します。その後の行動はすべて「通過」になります。それから、島や小さな半島を通っても「上陸」とは言わず「通過」というそうです。沖縄も島なので、「上陸」ではなく「通過」扱いだそうです。報道では「沖縄通過」ではインパクトが小さいので「沖縄直撃」という表現をしているような気がします。
 福井県の場合、例えば、伊勢湾に上陸し、その後北上し福井県を通って日本海に抜けた場合、福井県は「通過」となるのです。
 福井県に上陸するには、今回のように九州の西を北上しその後、東寄りに進路を変え、日本と朝鮮半島の間の日本海を西進するコースに限られます。ここまでは、過去に何度もありますが、ふつうは東ではなく北東に進むので、もっと北の東北や北海道に上陸するパターンがほとんどです。(真夏だと朝鮮半島に上陸することが多い)
 今回は、猛暑をもたらした強い太平洋高気圧に押されて、九州の西を北上しました。その後上空の偏西風と高気圧の圧力が拮抗して北東に進む予定でしたが、今日になって級に太平洋高気圧が勢力を弱めたため、ほぼ真西に進路を取り、福井県沿岸に到達したようです。さらに、高気圧が引いたため、西どころか南寄りに進み、敦賀→静岡という進路になったようです。当初(昨夜)の予想では金沢付近に上陸、それが今朝になり福井直撃(上陸)となり、最終的にはもっと南の敦賀上陸となりました。

 でも、台風上陸が福井では初めてというのは意外でした。九州北部に上陸してその後日本海を進み、また福井に再上陸なんていうのはありそうですが、10年しかさかのぼりませんでしたが、少なくともここ10年はないようです。
 で、「台風上陸」というのは特別大変なことなのか、というとそうではありません。ゴジラならば上陸するかしないかは大きな違いですが、台風の場合、その勢力やコース(西を通るか東を通るか)、あるいは前線が付近にあるかなど方が影響が大きいです。
 一般的に台風が西側を通過する場合の方が影響が大きいです。強風や湿った空気が南からドンドン吹き込んでくるからですが、福井県の場合南東部に山脈や陸地があり強風や水蒸気を遮ってくれるからです。太平洋(近畿や東海)→北陸コースの場合、福井県に来るころには台風の勢力は弱まっていることが多いです。
 九州→日本海コースの方が海上コースなので勢力があまり弱まらない事が多いのですが、風は中国山脈が遮ります。

 今回は太平洋高気圧の気まぐれのせいで、希有なコースを通ったわけですが、990~1000ヘクトパスカルというごく弱い勢力だったので、上陸地の敦賀湾の中継でしたが、その時にはそよ風程度でした。(南東の風だったのでやはり遮られた?)まさに「台風なんかどこ吹く風」。

 福井県でも局地的にはかなり降ったところもあったようですが、適度な雨に恵まれ、猛暑もひと段落で、「よかった」でした。
 と思ったら、首都圏では大変なことになっていました。太平洋高気圧の気まぐれな撤退により台風(熱帯低気圧)は来るし、東北にあった前線が南下してくるしで、思いもよらぬ大雨に見舞われていました。

 ちなみに、昨夜の予報では
「明日(8日)の夕方までの予想雨量
 北陸・東海・四国の太平洋側で150ミリ
 近畿北部・甲信・島根壱岐で120ミリ」
関東の雨の警戒はなかったようです。
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広瀬新王位考 補足

2010-09-07 10:37:29 | 将棋
『広瀬新王位考』の補足です。

 広瀬王位の四間飛車穴熊の特徴を書き漏らしていました。
 左辺の桂香は取られてもかまわない
 「桂香はいらない」というほど強い(積極的な)意思はないが、「桂香を捌く」、あるいは「取られない」という事にはこだわっていないように思う。
 それよりも、先の記事で挙げた「Xラインを制圧する」ことを重視しているようだ。


 このシリーズ、一番印象に残ったのは、第5局の指し直し局の終了直後の映像(午前1時20分)、画面いっぱいに漂う疲労感です。
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『ハンチョウ~神南署安積班』シリーズ3 第10話

2010-09-06 22:10:56 | ドラマ・映画
 二重のミスリード。真犯人は?…
 というのがサスペンス部分。

真犯人の存在を示す情報として、現場検証時
・鑑識係長の見立て「2回刺されている。1か所は浅く、2か所目は深く、この2か所目が致命傷」
・財布の所持金が15万円以上(後の調べで、被害者・澄川は出所時(2週間前)の所持金は数千円だったことが判明)

 ということで、犯人を逮捕して、容疑者が取り調べの時、「1回しか刺していない」と供述し、真犯人の存在が浮上という筋書きが見えてしまった。

 まあ、容疑者が誰かを庇って自供し、その後、さらに真犯人が…という2重のミスリード。そして何より、今回のテーマが重かったので充分過ぎる捻りといえよう。
 惜しむらくは、鑑識係長の言葉がちょっと力を込め過ぎていたので、読めてしまったこと。

 それよりも、今回は澄川殺しの容疑者の少年・園田忍の言葉に考えさせられることが多かった。 
 


 澄川は、10年前忍の妹(当時7歳)を殺害していた。
 忍は言う、
「18歳だったということで、人権とやらにやたら守られながら逮捕され、そして、たった10年で出てきた」
「人ひとりの命は、人ひとりの命しか、釣り合わない。死ぬ以外に償いはできない。……僕はそう思っています。だから、僕が殺したんです」
「僕、癌なんです。あと3か月も生きられない。だから最後に、やり残したをしたまでです」
「どうせ僕は死ぬ。法律で裁かれる前に…」

安積は二つの点で悩む。
①指紋、被害者の血液、自白、防犯カメラの映像など証拠はそろっているが、忍から受ける印象が彼が殺人を犯すとは思えない。(安積の娘(看護師)の「死を受け入れた時、優しくなれる。許そうって思う」という言葉、同じ病院の女の子を優しく励ます忍の穏やかな表情)
 
そして、②妹(家族)を殺されて悲しみや憎しみの沼に沈む被害者家族の心情に直面し、警察の仕事とは何かと悩む。

「君が犯罪を恨むのは分かる。だからと言って殺人が肯定されていいはずがない」(安積)
「殺人じゃない。制裁、敵討ちです。刑事さんは、家族を殺されたことがありますか?
僕の気持ちなんて一生分からない。僕は死ぬまで反省もしないし、謝罪もしない。僕は正しいことをしたんだ」
「確かに、澄川は罪を犯した。だが、裁きを受け、刑を全うした」
「だから終わったと。あの日、何と言って澄川を呼び出したと思いますか?……7歳の女の子を買わないか。…そして澄川はやってきた。……これでもあいつは更生したと言えるんですか?……10年の罰なんて何の意味もなかった。この国の法律は甘過ぎる。矛盾だらけだ」
「それでも、きみまでが法律を破ってという理屈にはならない」
「だから、理屈じゃないんです。感情なんですよ。どうしようもなく伸し上ってくる…どうしようもなく抑えようとしても伸し上ってくる憎しみ、苦しさ、悔しさ、寂しさ……ユリが殺されてから、僕と母は生き地獄だった」
「それでも君のしたことは許されない」
「別に許して欲しいなんて思っていない」
「澄川だって家族はいたんだ」
「だったら僕を殺しに来ればいい。いつでもお待ちしていますよ」


 悩む安積と、お助けマン・速水(細川茂樹)との会話
「警察の仕事て何だろうなあ」
「それはねえ、犯罪者を逮捕することかなあ」
「それだけでいいのかなあ。おれは、してしまったことと向き合って欲しい、ちゃんと」
「うん、それはねえ…送検した後の仕事じゃないかなあ」
「俺はそうは思わない」
と言い放ち、歩き出す。心が決まったようだ、忍に自分が犯した罪の重さを分かって欲しくて、逮捕を先延ばしにする。

 速水君、わざといつも常識的な安積と逆の意見を言う…憎いねえ

「俺には死に直面した人の気持ちは分からない。きみを理解しようというのは傲慢なのかもしれない。でも、わかって欲しいんだ。きみの犯してしまった罪の重みを。法を犯した意味を」
「法律なんて、生きていく人間のためのものでしかない。死んでいく僕には関係ない。僕は悪魔に魂を売った。癌になったことをうれしく思っている。復讐する勇気が出たんだから。
 どうして澄川が死刑にならないんだって、恨んだこともあった。でも、今思うと感謝している。この手で殺すことができたんだから。
 逮捕しても、裁判まで僕は持たないでしょう。僕の罪は誰にも裁かれないんだ。みんな僕のまねをすればいい。犯罪は減りますよ」

 言葉に詰まる安積は、病室を出ていく忍を見送るだけだった。しかし、安積は忍の言葉が真意ではないと思う。

 結局、凶器の包丁の入手先を明かせず(知らない)、女の子の心臓手術が成功し涙を流して喜ぶ忍を見て、安積は忍が犯人ではないと確信。


 忍は母親を庇っていた。
 となると、上記の忍の叫びは何だったのか?
 大部分は本当の気持ちだと思うが、母親を庇って自分が犯人だと思わせるための嘘も含まれているはず。殺人を犯していないので、事実としては嘘だらけである。
 安積の重大決意も空振りである。



 母親の行動も意味不明気味。
 自分が犯人(殺人未遂だった)なのに、
「あの子は逮捕されるのでしょうか?あの子はもう長くないんです。あの病院で余命を全うさせてあげたいんです。あの病院には、忍がユリの代わりのようにして可愛がっている女の子(葵)がいて、その子が三日後に心臓の手術をするんです。どうかそれまでは」
 と、いけしゃあしゃあと。
 そして、病気の息子を置いて死のうとするし。

と、サスペンス的には面白いが、人情話としては納得がいかない。
しかし、最後の忍の言葉が、この回の言いたかったことなのだろう。

「ずっと、澄川に死んで償ってほしいと思っていました。
でも、澄川が死んでも何も変わらなかった。
ユリが殺された悲しみも、怒りも、苦しみも、何一つ変わらなかった」



 その言葉に引き続いて忍が「僕はもうこれから何のために生きていいのか分からない」と言って、泣き崩れるのは唐突感があり過ぎ。前の言葉に呼応していないように感じる。

 ただ、そんな忍に、「朝顔を描き上がったら見せてくれるか」としか言えない安積。


 夜、調書を描き上げても心が晴れない安積に、村雨(中村俊介)が「たまにはふたりで飲みにでも行きませんか」と遠慮がちに誘うのは、いいなあと思った。

 いろいろあり過ぎの今回、まとまりのない記事になってしまいました。
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広瀬新王位考

2010-09-05 12:42:09 | 将棋
 4勝2敗で広瀬六段(9月2日に七段に昇段)が王位を獲得した。
 逆の目が出てもおかしくない全局接戦だった。実はnanaponさんの『即席の足跡』「将棋界近況7.20」のコメントで4-0で新王位誕生と断言していたの内心冷や冷やだった。
 深浦王位大健闘だった←嘘です。
 開幕当初、深浦王位の調子がいまいちだったことと、広瀬六段の独特な将棋をつかみ切れないまま押し切られてしまうという読みでした。

 私が広瀬王位に注目したのは、約2年程前。とにかく、1手勝ちを読み切る正確な終盤力が強烈な印象を持った。新人王戦や羽生名人との記念対局でもその印象が強くなった。そして今回、その強さを世に知らしめることになった。


 改めて広瀬将棋を見て、いくつかの特徴(強さ)を感じることができた。

①将棋盤の1一から9九、9一から1九の対角線、これを「Xライン」と呼ばせていただくが、広瀬王位はこのXラインを重要視しているようだ。具体的には馬を5五や4六(6四)に置いてそのラインを制圧する(させない)。そして、その延長戦として「と金」を5三(5七)に製造する(持っていく)。

②現棋界は四間飛車穴熊の使い手は少ない。さらに、「四間飛車穴熊」対「居飛車穴熊」は「やや居飛車穴熊有利」というのが定説で、この対抗ならなんとかなるという思いがあり、研究が真剣にされていない。実戦で遭遇する率も低い。
 さらに、この戦型における広瀬王位の経験は突出している。たとえば「四間飛車穴熊使い手:居飛車穴熊の使い手」が「1:9」とすると、その経験値は広瀬王位は9倍となる。
 そんな訳で、研究量(当然広瀬王位は研究する)と経験値が突出する広瀬王位は、まさに自分の庭で戦っているようなものだ。
 ここに水たまりがあって、そこは地面が柔らかい、その奥には根っこが出ていると知りつくしているのだ。具体的には、「この形はどこかで詰めろがほどける」「この形は千日手になる」という見極めができているのだろう。

③これは②から発展しての要素だが、将棋のつくりが逆算的なのではないか。
 普通、仕掛け、あるいは中盤のねじりあいで、駒の捌きが一段落した終盤の入り口の局面を有利かどうかを判断して、その仕掛けを取捨する。
 ところが広瀬王位の場合、終盤の有利な形を想定して、その形になるよう指し手を決定しているように思える。また、序盤や中盤の入り口においても、この形の方が終盤に利いてくるとかいう判断があるような気がする。

 これを書いていて、2年前の竜王戦の第1局、羽生名人の将棋を思い出した。
 居飛車穴熊に十分捌かせて、穴熊も当面安泰。渡辺竜王もこれで悪いわけがないと読んでいた。しかし、その局面になって改めて考えると、不利であることがわかった。
 当時、羽生名人の傑出した大局観が賞賛されたが、もしかしたら、あの形の居飛車穴熊の耐久度(見た目より弱い)を知っていたのではないだろうか。で、あの形になったとき、自玉にどの程度の耐久性を残しておけば指せるかを考慮して将棋を作ったのではないか。

今回の王位戦とは離れるが、
⑤広瀬王位は他の戦型も十分に強い。

 タイトル保持者となり、他の棋戦でもシードされ、目に触れる機会が増えるので楽しみだ。
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『GOLD』 第9話

2010-09-04 20:45:57 | ドラマ・映画
今回のテーマは「宿命」
 「宿命」というのは生まれたときから定まっている運命とか、人間の意志では変えることができない運命的なものと言われていますが、そういう言葉で縛りを作るのは好きではありません。
 悠里は宿命を背負いながらも、それを打ち破る強さを持っているように感じます。

 今回は「早乙女家の宿命」を強調していました。さて、「早乙女家の宿命」とは何なのか?
①五輪で金メダルを取らなければならないこと
②「五輪で金メダルを取る」というという縛りを破らなければならないこと

 初回からずっと①を示し続けていて、特に今週の最後のシーンでは、早乙女家の者が「早乙女の……宿命」と呟いて、映像で金メダルを重ねていました。
 しかし、①で帰結するのでは面白くないですし、今までずっと観てきた視聴者なら、①で留まらないと予想しているのではないでしょうか。

 悠里は廉の心臓の欠陥を知りながら、敢えて金メダルを目指させます。
そして「大きな賭けをしている」と言う。
 その賭けがが廉が心臓の欠陥を爆発させず、金メダルをつかむこととは思えません。普通に考えれば、廉が命を掛けて金メダルを目指しているということを示して、洸と晶に奮起を促すですが、もう一捻りあるのかもしれません。
 考えられるとしたら、悠里が「あなたしかいないの」と廉に言った後、車の中で心臓の欠陥のことを知っていることを明かし、その上で洸と晶を立ち直らせるために協力してくれと言ったのではないかと。

 幸運の女神・麻衣子は今のところ、ぼやーとしているだけですが、何か鍵を握っているのでしょうか。洸が精神的スランプから立ち直らせるとか、廉の病の元を吹き払うとか、自らの皮膚を提供して晶の刺青を消すとか。
 でも、幸運の女神で解決と言うのも馬鹿みたいですね。それに、女予言師の「子どもをひとり失う」という言葉も気になります。


 さて、今回の小テーマは、ええと、「浮気の定義」でしょうか。(そう言えば、演説はなかったですね)
 どこまでが浮気で、どこまでがセーフなのか(浮気にならない)?
 一緒に食事をするのはセーフらしいです。「おなかは誰だってすくわよ」ですって。

 そして、浮気にもいろいろあって、抒情酌量したくなる浮気もあるとも。

 まあ、母・真理恵の設定を補足するためのリカとの会話だったように思います。

 今回はいよいよ最終段階に入りその序曲でした。そのせいか、テンポが遅かったです。今後、脚本家・野島氏のこのドラマのテーマが語られていくと期待しています。
 
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『科捜研の女』 もうひとつの殺人!残り香を探す女の謎

2010-09-03 22:17:58 | ドラマ・映画
【教訓】 「人の話は最後まで聞こう」
     「分かりやすく、結論から言おう」


 事件の真相は、1年前、息子が殺人を犯し、その証拠隠滅をしていた河原に今回の被害者が足を踏み外して転落して気を失っていた。
 犯人はその女性を見捨てることができずに病院まで背負って運んだ。

 1年たって、その女性が訪ねてきた。
 殺人と証拠隠滅をゆすりに来たと考えた犯人は
「何が目的ですか?なんで私を探した」
「お願いしたいことがあるからです」
「金か?」
「そうですよね、こういう場合、ふつう、お金ですよね」
(やはり、ゆすりにきたのか)
ナイフでグサリ。

 実は、お礼がしたかっただけで、お礼に絵(肖像画)を描かせて欲しかったのだ。
 本当はお金でお礼がしたかったという気持ちから「ふつう、お金ですよね」という返事をしたのだ。
 善意と畏怖が合致してしまった不幸な殺人でした。

 サスペンスドラマでは、よくこういう意思のすれ違いから、殺人が起きてしまうことがあります。
 やはり、人の話は最後まで聞きましょう。人に意志を伝える時は、なるべく結論を先に言って、誤解されないようにしましょう。


 それにしても、最近の榊マリコ(沢口靖子)は、「科捜研の女」と言うより、「科学捜査の女刑事」と化しています。
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『警視庁継続捜査班』 第7話

2010-09-03 18:08:42 | ドラマ・映画
今回は会話までも変だった

「「事件前、容疑者・桂木が若い女にかなりの多額のお金を渡していた」という証言がある。女に貢いでいた桂木が金に困って犯行に及んだ、どう思う?」
と同僚の刑事が、真奈美(木村佳乃)に問いかける。

 それに対し、真奈美は
「う~ん、しっくりきません。記録によれば犯人は決して小柄といえない橋田さんを正面から襲っています。これは腕力に自信があるスポーツマンタイプ、しかも、犯人は何度も被害者を刺しています。つまり犯人は相手が屈服するまでは手を緩めない支配欲の強い性格です。逆に桂木さんは小柄もしくは細身で内向的な性格、タイプが一致しません」

 えっ?金に困っての犯行かどうかを聞いたんじゃなかったの?
 会話がずれています。
 それにプロファイルも変。何度も刺したのは怖くて夢中だったからとも考えられる。


 この部分にガクッと来たわけですが、その他にも「台詞が抜けているんのではと感じたり、違和感を感じた箇所がいくつかある。

 上記の真奈美のプロファイルによる犯人像がが桂木と一致しないと感じるのに対し、桂木犯人説を裏付ける証拠がいくつもあり、
 真奈美に反論して
「だが、証拠は桂木を示している」
そして、別の若い刑事が
「ひょっとして、プロファイリングが間違っているとか……」
続ける。

 何か唐突な台詞。
「桂木が犯人だということと、真奈美のプロファイルは相反している。
 桂木が犯人だということが間違っているのか、それとも、プロファイリングが間違っているのか…」
 なら、自然だ。

 または、「ひょっとして」を消して、
「プロファイリングが間違っているんだよ」と断言するのならしっくりくる。

 まあ、「ひょっとして発言」は若い刑事なので、遠慮の意味があって「ひょっとして」を入れたのかもしれない。

 これに対して、真奈美も
「新田さん、捜査線上に当時桂木以外の人物は上がらなかったんですか?」
と無視。

 この捜査会議?を聞いていると、仲が悪いか、頭が悪いか……


 そして

 容疑者B(被害者の甥)の供述を
「ウソをついているようには見えない」と断言。

 せめて、「事件発生後、借金取りに暴行を受けていた」という報告を受けて
 「強盗殺人を犯したのなら借金を返しているはず。つじつまが合わない」と言うような根拠を述べてほしい。



 さらに、クライマックス直前で真相を明らかにする直前で、次のような会話がされる。

班長「本当にいいのね」
真奈美「桂木さんの無実を証明するには、これしかありませんから」
班長「でもそれが証明されるということは、つらい現実を受け入れると言うことでもあるのよ。正直、私はその現実と向き合うのが怖かった。桂木さんの潔白が証明されるということは悲しい結末になるということだから。それでもやるのね」
真奈美「はい、やります。これが私の仕事ですから」

 すごい重みをつけて繰り返し、「驚愕の真相」ということ強調していますが、多分視聴者のほとんどが「桂木は殺されていた」と予想している。コントかと思った。
 (真実を明らかにして)真犯人を捕まえるのが刑事の仕事なのに、「それでもやるのね」とか「私の仕事ですから」って、刑事の気分で捜査を決定するの?だいいち真奈美にとって重大決意するような事項じゃないと思う。

 さらに、桂木容疑者の娘に対しても、勿体つけている。


「妙子さん、初めて会った時、あなた、あたしたちに、お父さんの無実を証明してと言ったわね。その気持ちに今も変わりはない」
「ありません」
「その無実を証明することがどんな結果になっても?」
「父の無実を証明してください。お願いします」


 とにかく、台詞が省かれていたり、重複したりしているような印象。
 脚本家が手を抜いているのか、役者さんも脚本に嫌気を感じて、台詞を覚えていないのではないかと勘ぐりたくなってしまう。



 内容についても、突っ込みどころ満載。
①殺人者はやたら左利きが多い
 これはこのドラマだけではないが、とにかく犯人特定の材料として「左利き」が使われる。左利きの人ってそんなに犯罪率が高いのか?


 とにかく初期捜査が甘すぎ。この設定がないと、「継続捜査」にならないので仕方がないが、あまりにもずさん。
②新事実が次々明らかになる。特に、新たな証言とかアリバイ偽証とか。
 それに、殺害現場にいきなり現れる近所の奥さんて…
③死体を何故燃やしたのか?初期捜査で疑問に思わなかったのだろうか
 灯油(ガソリン?)を掛けて燃やしたが、自分の嘔吐物を隠滅するために犯人が燃やしたのだが、その灯油はどこから?だいいち、火事にならず、死体の形での焼け焦げだけというのは、もう超常現象

 ④6年前の匂いが残っているのか?
 桂木の死体が埋めてある場所を探すのに、桂木の飼い犬を使うのだが、6年も前の匂いが残っているとは思えない。たとえ、匂いが残っていたとしても、白骨化しているのでにおいも変質しているのでは。

⑤看護師殺しは必要ない
 その分、捜査等に時間を割くべき

⑥唐突のウエディングドレス
 桂木が大金を渡していたのは、ドレスの制作費だった。
 桂木の無実が明らかになり、その製作者が警察を訪れたそうだが、「若い女性に会って大金を渡していた」という情報を得たにもかかわらず、その正体を突き止めようともしない。
 最後にドレスを見せられても、桂木が会っていた若い女性となかなか繋がらなかった。

⑦現場保存て?
 桂木が逃げたように見えたのは、「現場保存」のため公衆電話を探しに行ったから。
 携帯電話を持っていなかったのか?

⑧得意満面の取り調べ
 真犯人の支配人を取り調べる際、真奈美は得意満面であった。とても「悲しい結末」の後には思えない。せめて、ヒロインの魅力ぐらい引き出してほしい。
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ヤナギハナガサ、ハルシャギク、そして…(撮影は7月1~10日)

2010-09-02 15:27:02 | 歳時
9月ですが、写真は7月上旬のものです。

ヤナギハナガサ7月1日撮影

 南米原産の帰化植物で、三尺バーベナとも呼ばれます。最近、あちこちで見かけるようになりました。花の咲く期間は長く6月~9月とされています。つい最近も見かけました。昨年も記事『ヤナギハナガサと紫陽花とゲスト』09年6月25日にしています。

 野草ですが、かわいらしいので花壇のような所に園芸種のような顔をして咲いています。
 アップの写真を載せておいて言うのも何ですが、やや遠くから紫のボンボンがいくつもユラユラ揺れているさまに趣を感じます。

ハルシャギク7月3日、10日撮影

 「ハルシャ」はペルシャのことですが、なぜか原産は北アメリカ。別名はジャノメソウ(蛇目草)です。見ての通り、花が蛇の目傘のようなので、この別名がついています。
 明治の初期に観賞用に導入された一年草ですが、野生化して河原や道端で見られることが多いようです。
 この花も昨年取り上げています。(『ハルシャギク』09年6月26日、記事の前半部分は菜の花の写真です)
 昨年の方がたくさん咲いていました。時期を逃したのかもしれませんが、よく通るところなので、最盛期を逃す可能性は低いです。7月3日と10日、この両日の差はあまり感じられず、その後咲きそろったという記憶がないので、この1週間がピークだったのでしょう。


 紅色の部分が様々で、全体の2~3割のものが多いようですが、

 のようなものも、たまに見られます。

 次は

 え、よくわからない?
 ハルシャギクがわずかに咲いているようですが……
 では、もっと近くまで行ってみます。

 え、まだわからない?

 いっぱい生えているでしょう……雑草が。
 6月は気温が高めで、降雨も適度にあったので、よく茂っています。あまりの茂り方に、シャッターを切ってしまいました。
 この時点では、今年の猛暑は全く予想されていませんでした。

 私の記憶では、この時点での3カ月予報は「暑さは西日本中心で、北日本は冷夏の恐れも」でした。
 気象庁はデータは残すのですが、過去に出した予報は残しません。報道番組でも、現在の分析やこの先1週間~10日の見通しは解説しますが、予報のはずれにはほとんど触れません。
だから、的中率が上がらない。

 私の記憶だけでは批判するのもいけないので、検索したところ
「 気象庁は25日、6~8月の3カ月予報を発表した。
今夏は、太平洋高気圧の北への張り出しが弱いと予想されるため、
北日本(北海道と東北)で冷夏になる恐れがあり、農作物に注意が必要。
沖縄・奄美地方では平年より暑くなる見込み。

 降水量は、6月は沖縄・奄美で平年より多い。7月は沖縄・奄美以外の全地域で、
8月は北日本で平年より多くなり、梅雨の影響が長く続く。」

という文が見つかりました。

 記事の論旨がずれてしまいました。
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コスモス、山道、かなとこ雲

2010-09-01 17:37:18 | 歳時
 暑さは少しも衰えず、35、36℃の毎日です。倉庫の室温は42℃でした。……お風呂じゃん。
 入道雲もモクモク。

 で、こちらがかなとこ雲。

 かなとこ雲は入道雲が進展した形態で、上部が対流圏より高い成層圏まで到達しそれ以上上方へは発達できず、横方向に伸びてこのような形状になるらしいです。
 入道雲のより発達した形態と言えますが、上部では上昇気流を得られないので衰退型とも考えられます。

 コスモスです。


 コスモスの中では一番好きな色なので、つい車を停めてシャッターを押してしまいます。コスモスは秋の花なのですが、早いものは7月中から咲いています。
 ちょっと、構図が悪いですね。実は、それにはわけがありました。


 ゲストのアゲハ蝶です。あちこちの花に移るので、なかなか捉えられませんでした。こちらも失敗気味です。「虻蜂取らず」ならぬ、「コスモス蝶撮らず」でした。
 でも、普通、虻も蜂も要らないよね。

 さらにこのコスモスの先には昨年もご紹介した、細い山道があります。

 この風景も好きなので、ついシャッターを切ってしまいます。

【参考】
『夕日と山道』09年9月27日
『コスモスと蕎麦と「なかの」』09年9月27日
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