漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0923

2022-05-10 05:23:34 | 古今和歌集

ぬきみだる ひとこそあるらし しらたまの まなくもちるか そでのせばきに

ぬき乱る 人こそあるらし 白玉の 間なくも散るか 袖のせばきに

 

在原業平

 

 緒から抜いて白玉を散らしている人がいるようだ。絶え間なく白玉が散りかかってくるよ、受け止めるための袖はこんなに狭いのに。

 詞書には「布引の滝のもとにて、人々集まりて歌よみける時によめる」とあります。0922 と同じく、布引の滝で飛び散る飛沫を白玉に見立てての詠歌ですね。