漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0940

2022-05-27 05:09:29 | 古今和歌集

あはれてふ ことのはごとに おくつゆは むかしをこふる なみだなりけり

あはれてふ 言の葉ごとに 置く露は 昔を恋ふる 涙なりけり

 

よみ人知らず

 

 「あはれ」という言葉を発するたびに置く露は、昔を恋しく思う涙なのであった。

 意味内容からすれば、「昔を思って涙する」というだけの歌ですが、「言の葉」の「葉」という表現に着目して涙をその「葉」につく「露」と見たてたところに味わいがあります。とても「古今集的」な歌と言えるでしょうか。