漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

貫之集 066

2023-06-21 05:49:18 | 貫之集

延喜十七年八月、宣旨によりて

ひとはむべ おそくしりけむ うめのはな さけるのちにぞ はるもきにける

人はむべ おそく知りけむ 梅の花 咲けるのちにぞ 春もきにける

 

延喜十七年(917年)八月、天皇のご下命によって詠んだ歌。

梅が咲いたあとに立春となったので、なるほど、人は梅の花よりも遅く春の訪れを知ったというわけなのであろう。

 

 暦と実際の季節の風物の時期のズレに着目して、それを「おもしろいもの」として詠んだ歌ですね。