漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

貫之集 027

2023-05-13 05:43:15 | 貫之集

山の紅葉しぐれたるところ

あしひきの やまかきくらし しぐるれど もみぢはなほぞ てりまさりける

あしひきの 山かきくらし しぐるれど 紅葉はなほぞ 照りまさりける

 

山の紅葉に時雨が降っているところ

山一帯が暗くなるほど時雨が降っているけれど、その時雨に色を深めて紅葉は一層照りはえてきたことよ。

 

 「あしひきの」は「山」にかかる枕詞。時雨が葉を紅葉させると考えられていたことに基づく詠歌ですね。同様のモチーフの歌が 264 にも登場します。

 

もみぢばは てりてみゆれど あしひきの やまはくもりて しぐれこそふれ

もみぢ葉は 照りて見ゆれど あしひきの 山はくもりて しぐれこそ降れ



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