おなじ年三月、内裏の御屏風の料の歌、二十八首
元日、雪降れり
けふしまれ ゆきのふれれば くさもきも はるてふなへに はなぞさきける
今日しまれ 雪の降れれば 草も木も 春てふなへに 花ぞ咲きける
おなじ年の三月、宮中の御屏風の歌、二十八首
元日、雪が降っている
折しも元日の今日、雪が降ってきて、草も木も、春という声を聞くとともに、一斉に花が咲いたかのようであったよ。
「おなじ年」は天慶四年(941年)のこと。初句「今日しまれ」は「今日しもあれ」が略された形。第四句「なへに」は「~とともに」の意。
この歌は、新勅撰和歌集(巻第一「春上」 第3番)に入集しています。