漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

貫之集 538

2024-10-05 06:09:17 | 貫之集

あふことは  くもゐはるかに なるかみの おとにききつつ こひやわたらむ

あふことは 雲居はるかに なる神の 音に聞きつつ 恋ひやわたらむ

 

雲のかなたに距離を隔てていて会うことは叶わず、遠い空で鳴る雷のように遠くから噂だけを耳にして恋心をつのらせていることよ。

 

 現代語で言うなら「遠距離恋愛」を詠んだ歌ですね。「なる神」は「鳴る神」で雷鳴のこと。
 この歌は古今和歌集(巻第十一「恋歌一」 第482番)にも入集しています。