しらゆきの やえふりしける かへるやま かへるがへるも おいにけるかな
白雪の 八重降りしける かへる山 かえるがへるも 老いにけるかな
在原棟梁
白雪が幾重にも降り積もったかへる山のように、私も年月が積み重なって髪も白くなり、年老いてしまったことよ。
「かへるがへる」は、「何度も何度も」「繰り返し」を意味する副詞。上三句が「かへる(山)」と同音の「かへるがへる」を導くとともに、山頂の雪からの連想ですっかり白くなった頭髪に象徴される自らの老いを嘆く詠歌となっています。
業平の子棟梁(むねやな)の歌は古今集には四首入集していますが、0015、0243、0902(本歌)、1020 と、いつも「棟梁さん、お久しぶり!」という感じの登場ですね。 笑