いきなり登場のこんな看板。
「赤松街道」とは、函館と札幌を結ぶ、北海道を代表する国道、一般国道5号のうち、函館市郊外の桔梗町という地区と、隣町である七飯町という町の、峠下という地区を結ぶ14.3㎞の通称です。
では、どんな道路なのかと言うと・・・
そう、国道の両脇に、赤松の木が植樹されているのです。
この地の歴史は古く、安政5年(1858年)に、当時の箱館奉行組頭、栗本瀬兵衛が佐渡から赤松の種子を取り寄せ、後の明治9年(1876年)に、明治天皇が現在のこの地付近にあったとされる「七重勧業課試験場」という場所に行幸されたのを記念して、成長した赤松の相当数が、この道路沿いに移植されたとされています。
その後、昭和61年に「日本の道百選」に選ばれ、平成8年には、歴史的・文化的価値を持つ道路であることを示す「歴史国道」にも併せて選定され、現在に至っています。
「赤松街道」という名称は、平成2年に、建設省(現国土交通省)が、「道の日」の記念行事の一環として公募した中から選ばれたものだそうです。
ここでちょっとマメ知識。
「道の日」って皆さんご存知ですか?
昭和61年に、当時の建設省が、8月10日を「道の日」と制定したものです。
これは、大正9年(1920年)8月10日に、わが国で最初の道路整備についての長期計画である第1次道路改良計画が実施されたことに由来するもので、毎年8月が、「道路ふれあい月間」に指定されていることと合わせ、道路の大切な利用をはじめ、道路に関する意識を高く持ってもらうことを狙いとされています。
ちょっと話が逸れましたが、赤松街道は、「日本の道百選」にも選定されていることとも合わせ、道路愛護の精神も強く息づいている道路ということが言えるかと思います。
現実には、開発によって、植樹当初よりも数は減っているそうなのですが、最近では、「こも巻き」と言って、毎年秋に、「こも」という、わらで作ったむしろを幹に巻きつけて、中に、幹を食い荒らす害虫が集め、これを春先に取り外して「こも」ごと焼却することで、環境に優しい害虫駆除を図るということが地域をあげて行われています。
せっかくの美しい景色、いつまでも保ち続けていきたいものですね。