北の風に吹かれて~独り漫遊記~

町歩きを中心に、日々の出来事を綴ります。 
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こういう「日本初」もある

2016-02-24 22:10:16 | 函館
今日の北海道は、季節が一月戻ったような寒さで、流氷で知られるオホーツク海側では、最高気温が氷点下10℃(最低気温じゃなく最高気温です)なんて場所もあったとか。

函館は、かなり雪も融けて徒歩通勤も楽になってきたけれど、真冬日(日中の最高気温が0℃に達しない日)だった点は同じなので、せっかく春めいてきたのに、また真冬に戻ったように思えてしまった。

と言うわけで、今日は、こんな日にそんな話題?と思われるような話を一つ。





金森倉庫街に近い「函館市水産物地方卸売市場」。





少し離れた橋の上から、この市場の近隣を撮った写真。
今でこそこうして建物が建っているけれど、かつてはこの辺は海で、埋め立てられています。

で、その埋め立てられる以前に何があったか?
実はここには、日本最初の海水浴場があったのです。

と書くと、「まさか、日本最初は大磯でしょ?」と思われる方もいらっしゃると思います。
実際に、それを示す碑文もあるので、私も当初は「本当に?」と思いました。

どういうことかと言うと、函館のこの地にあったのは、海水浴場は海水浴場でも、レジャー目的ではなく、病気、具体的には、皮膚病や、女性に特有の病気の治療のために、湯治のような目的で1879年(明治12年)に開設され、翌1880年8月の新聞に、「毎夕海水に二十分浸かり、それを二週間続けると必ず快気に向かう」という趣旨の解説を添えて、この海水浴場を紹介する記事が掲載されていたとのことです。
(原文ママにしようと思ったけど、かなり表現が露骨なので、要約しました)

残念ながら、大磯のように、そのことを示す碑などは設置されておらず、文献の記載に頼るしかないのだけど、大磯に海水浴場ができたのが1885年(明治18年)なので、時系列では函館の方が先ということで、函館の歴史文献には、「日本初の海水浴場」と記載されています。
別に大磯と張り合うつもりなどはないのでしょうけど、経緯や目的はどうあれ、こういう「日本初」もあるのだということを知っていただければと思い、記事にしてみました。





今回参考にしたのは、この本。
1975年(昭和50年)の刊行で、古書店を根気よく探せば、あるいは見つけられるかもしれませんが、図書館で借りて来ました。
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