北の風に吹かれて~独り漫遊記~

町歩きを中心に、日々の出来事を綴ります。 
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ここが発祥の地か?

2022-02-24 20:57:20 | 札幌

 

いきなり雪融けの景色。

早くこうなってほしいなあという願望を込めて・・・というのもあるけれど、今日の本題はそれではなくて。

 

 

 

何度か紹介している、幹線道路「二十四軒・手稲通」の二十四軒~宮の沢間で毎年夏になると綺麗なラベンダーが整備される、通称「ラベンダー通り」。

これに関連して、一昨年7月の記事でこんなことを書いていました。

           ↓

札幌では、南区の「南沢」という地域が「ラベンダー発祥の地」を掲げて大々的にPRしていて、それは、東京に本社のある「曽田香料」という会社が、昭和15年(1940年)に、南沢に農場を開設し、そこでラベンダーの栽培が行われるようにになったということなのですが、実はそれ以前、昭和13年(1938年)、同社の札幌工場が、現在の二十四軒に設立され、翌年、その付属農場でラベンダーの栽培が始まったとされています。

つまり、本当の「発祥の地」は、この二十四軒、当時の「琴似村」ということになるのです。

では、その工場と付属農場は、現在のどの辺りにあったのかということなのですが・・・、残念ながら、今のところ、それを特定できる資料を見つけられてはいません。

 

ということなのだけど、最近、これに関して興味深い資料にお目にかかりました。

 

 

これは、昭和13年(1938年)に作られた「札幌郊外・円山町・琴似・軽川・明細図」という地図から、現在の琴似~二十四軒エリアを抜粋したものですが、

 

 

お、ありますね、「曽田香料」の文字が。

この場所を特定できそうな材料としては、黄色で囲った「文化通」になるのかな。

「文化通」は、現在の西区山の手と、中央区宮の森の界となっている通りで、詳細はこちらをご参照いただくとして、位置関係を示すと、

 

 

となります。

赤が「文化通」で、旧国道5号と交わるその先に、お寺のマークがあります。

ということは、この辺りなのかな。

 

 

ということで、琴似神社の真裏近くから、そのお寺を目指して歩いてみます。

 

 

 

そこから分岐している住宅街の道路。

線形は現在とやや変わっているようだけど、先ほどの「明細図」に載っている道路が基になっているということで間違いないようです。

 

 

 

進んでいくと、そこには団地が。

市営住宅の団地だそうです。

 

 

 

 

 

そして、先ほどの地図にあるお寺。

 

 

浄土真宗本願寺派、所謂「お西さん」の「大念寺」というお寺。

昭和22年(1947年)に、現在の東区北7条東6丁目に教場が設けられ、同38年(1963年)に現地に移転して寺号を公称したとのことです。

昭和13年(1938年)に設立されたという「曽田香料」の札幌工場がいつまであったのかは分かりませんでしたが、現在の同社札幌営業所ができたのは同37年(1962年)だそうなので、土地がお寺に寄進されたという可能性も考えられるけど、先ほどの市営住宅団地はお寺の敷地に隣接している(と言うより、団地のあるブロックの一角にお寺があると言った方がよいかと)ので、団地を含めた広い一帯が、あるいは工場の敷地だったのかもしれませんね。

南区南沢に「ラベンダー発祥の地」の碑があるのと違い、二十四軒には、ラベンダーに関する碑などは何も残っていないのが、西区民としては少々残念です。

 

 

「大念寺」さんの隣が団地となっています。

恐らく、かつては一体利用されていたのでしょう。

 

 

 

最後は本題とは関係ないけれど、「生かされている」「喜びも悲しみも分かち合い 日々に精一杯つとめます」は、日常の基本精神として、大事にしなければいけないと思います。

コメント (2)
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