札幌市郊外に「盤渓(ばんけい)」という地名があります。
住宅は本当に点在する程度で、現在はスキー場で有名で、私が中学生の頃は、スキー場を含むレジャー施設の一角に巨大迷路があって、家族でよく行ったものでしたが、大人になってからは、スキーをやらないこともあり、たまに通り過ぎるだけで、立ち寄ることはまずなくなりました。
地名の由来については、諸説あるようですが、札幌市内を流れる幾つかの川の水源になっていることから、アイヌ語の「パンケ(川下)」に由来するとされているようです。
元々は、旧陸軍省の公有地として屯田兵の準備用地とされていたのが、日清戦争(明治27年(1894年)~翌年)により屯田兵が出征した際、植生していた立木で木炭を焼かせることとなり、製炭に着手したことが、今に至る開拓の起源とされています。
そんな盤渓地区の一角に、小さな神社を発見しました。
「上盤渓神社」という神社。
社号標が手書き(恐らく)である上、御祭神や由緒を記したものもなく、本当に「ひっそりと佇む」という表現がぴったりです。
盤渓地区の歴史を調べてみると、大正3年(1914年)に、この付近一帯の広大な森林が「札幌神社(現在の「北海道神宮」)」の所有地とされていたそうで、もしかすると、歴史上北海道神宮と関係のある神社なのかと思って調べてみたところ、昭和51年(1976年)に、北海道神宮から分霊されたということまでは分かりましたが、何故か神社庁には登録されていないそうです。
という、大変不思議な神社ですが、北海道神宮から分霊を受けたとすると、祭神は、「大國魂神(おおくにたまのかみ)」、「大那牟遲神(おおなむちのかみ)」、「少彦名神(すくなひこなのかみ)」及び「明治天皇(めいじてんのう)」の四柱で、主な御利益としては、金運上昇、商売繁盛、厄除け、子孫繁栄などがあるのかなと思われます。
神社ブームの昨今、鉄道で言うところの「秘境駅」みたいな感じで、このようにひっそりと佇む神社を目当てに訪れる人も多いのかもしれませんね。